2008年06月02日
展望:EURO2008 グループA
EURO2008 開幕まで1週間。 各国の親善試合も色々見れたので、今日から各グループの展望をしていこうと思います。 まずはグループAから。
スイス ディフェンス: ワールドカップを無失点で乗り切ったメンバーが残ったのは良かったのですが、ケガのため今シーズンの出場試合がわずか1試合のパトリック・ミュラーにレギュラーを託すことには大きな不安があります。控えのグリシュタンはともかく、ジュルーはアーセナルで出番に恵まれていません。 逆にカールスルーエで充実のシーズンを送ったマリオ・エッジマンは・・・。 ただCBにどんなに不安があっても、中盤の底のジェルソン・フェルナンデス、ギョクハン・インレルが健在なら、中盤のフィルターが十分に機能するので問題ないかもしれません。この二人は本当に良い! オフェンス: マルゲラスの離脱によりシステムの練り直しが求められていましたが、ここにきて両サイドハーフ(特に右のベーラミ)が好調で、両サイドバックと絡むサイド攻撃が確立されてきました(プレースキッカーも務めるマニャンは注目)。 そして何より絶対不可欠のエース、アレクサンダー・フライの調子が上がっているのは頼もしい限り。 エールディビジで二年連続20ゴール以上のブライズ・ヌクフォの離脱は痛いですが、イングランド戦でゴールを奪った新鋭エレン・デルディヨクに期待です。 総評: 守備力は一定のレベルにあり、高い位置でボールを奪ってからの攻撃への移行はスムーズで厚みがあります。ペースが単調になりがちなのが欠点なので、変化をつけられるハカン・ヤキンやギガクス、フォンランテンなどの使い方が大事になりそうです。 フライを筆頭に代えのきかない選手のコンディションが気がかりですが、開催国だけにグループリーグ突破は現実的な目標でしょう。 予想スタメン システム:4-4-2 GK:ベナリオ RB:リヒトシュタイナー CB:パトリック・ミュラー、センデロス LB:マニャン RH:ベーラミ CH:ジェルソン・フェルナンデス、インレル LH:バルネッタ CF:フライ、シュトレラー ※RBはフィリップ・デゲン、RHはフォンランテンの線もありますが、コンディションで判断しました。 チェコ ディフェンス: 現在世界屈指のGKペトル・ツェフを中心にしたディフェンスは、連携面も含めて非常に安定しています。しかし予選の対戦国はドイツを除けば強国はなく、予選後の対戦国もギリシャやデンマークなど中堅国ばかりであることを考えれば失点の少なさは額面どおりに受け取れません。 CBのラドスラフ・コバチ、ダビド・ロゼフナルはスピードに難があるだけに不安が募ります。改善するには右サイドのトマシュ・ウイファルシをCBの一角に組み込むのが得策のような気がします。 トマシュ・ガラセク、ヤン・ポラク、ダビド・ヤロリムらを中心に前線からのディフェンスは機能しているだけに・・・。 オフェンス: ヤン・コレルが衰え、ミラン・バロシュは不振。さらにはトマシュ・ロシツキが離脱と、ただでさえ貧打に喘ぐチームの見通しは決して明るくありません。予選では4-4-2が採用されるケースが多かったのですが、そもそも2トップは前回大会前に当時好調だったバロシュを組み込むために採用したものなので、2トップを維持するメリットは薄いと思います。それよりもコレルの1トップに戻し、中盤を厚くする方が攻守におけるメリットが大きいでしょう。衰えたとはいえ、コレルのポストプレーの質は相変わらず高いものがあるので、2列目からの分厚いサポートがあれば十分機能すると思います。そのためにパサー・タイプのマレク・マテヨフスキより、機動力のあるヤロスラフ・プラシルを中央に配したい所ですが、プラシルが抜ける左サイドの有力選手、ダニエル・ブディルが離脱したのが痛い。代役のルドルフ・スカツェルにハーツ時代の輝きはないだけに、ここは思い切ってマレク・ヤンクロフスキにウディネーゼ時代を思い出してもらうのも手かなと思います。 もちろん新鋭のヴァクラフ・スベルコシュ、マルティン・フェニンらを組み込む方法もありますが・・・。 チェコの美しいパスサッカー「ウルチカ」の復活を期待しましょう。 総評: チェコの選手の能力は決して低くありませんが、チーム自体のピークは4年前に過ぎてしまい、現在のチームは今大会後に訪れるフェニンを筆頭にした87年組らとの入れ替えを待つ、過渡期のチームと言わざるを得ません。 名将カレル・ブリュックナーの最後の舞台だけに下馬評の低かった96年の再現を狙ってほしいのですが・・・。 予想スタメン システム:4-1-4-1 GK:ツェフ RB:ウイファルシ CB:コバチ、ロゼフナル LB:ヤンクロフスキ DH:ガラセク RH:シオンコ CH:ポラク、マテヨフスキ LH:プラシル CF:コレル ※ヤロリム、バロシュが入る可能性もあると思います。 ↓ 希望スタメン システム:4-1-4-1 GK:ツェフ RB:ポスペフ CB:ウイファルシ、ロゼフナル LB:グリゲラ DH:ガラセク RH:シオンコ CH:ポラク、プラシル LH:ヤンクロフスキ CF:コレル ポルトガル ディフェンス: RBにはミゲル、ボシングワというハイレベルな選手が揃い、CBにはリオ・ファーディナンド、ジョン・テリーと並んで、私が世界最高レベルの選手だと思っているリカルド・カルバーリョを筆頭に、ブルーノ・アウベス、ペペ、フェルナンド・メイラ(今回はDH)とジョルジュ・アンドラーデの不在を感じさせないメンバーが揃っています。 問題はGKとLB。 GKのリカルドは日本代表の川口能活選手みたいな選手で、安定感に乏しく信じがたいミスを犯すことがありますが、大舞台で活躍するケースが少なくないので外しづらい選手です。調子が良い方に出れば安心ですが、逆に出ると・・・。ベティスでも不完全燃焼に終わっているだけに心配です。 LBは近年、ルイ・ジョルジュ、ヌーノ・バレンテといった実力者が務めてきましたが、現在は適任者不在。本来CBのマルコ・カネイラらが務めた時期もあり、本大会ではRBから弾き出される形のパウロ・フェレイラが務めることが濃厚です(個人的にはジョルジュ・リベイロ。マニシェの分も頑張れ!)。 とはいえ、守備に関してはリカルド以外は特に心配ないでしょう。中盤で守備的な役割を担うミゲル・ヴェローゾとフェルナンド・メイラもフィルターとして十分な役割を果たしていますし、(サイドの二人はともかく)前線からの守備も悪くありません。 オフェンス: 両サイドは、最高レベルの陣容。クリスチアーノ・ロナウドを筆頭に、リカルド・クァレスマ、シモン・サブローサ、ナニの4選手は全員が両サイドをこなせますし、右サイドはボシングワも対応可能です。ロナウドは別格としても質量共に充実のセクションです。 不安があるのはCF、トップ下、CHのセンターライン。 CFはヌーノ・ゴメス、ウーゴ・アウメイダ、エウデル・ポスティガといますが、どの選手も他のセクションと比べると見劣りがします。理由は後述しますが、最大の問題は点が取れないことよりも、彼らがポストワークをこなすことができない事であると思います。 次にトップ下。このポジションはデコのコンディション次第ですね。コンディション不良と見れば、すぐにジョアン・モウチーニョを抜擢することもありえます。前大会でルイ・コスタからデコがポジションを奪ったように・・・歴史は繰り返す? そしてCH。攻撃におけるこのポジションは、マニシェを外したことで大きな問題を抱えていると思います。性格に問題があり、所属クラブでの状況も芳しくなかったマニシェですが、彼ほどのダイナミズムを持った選手は代表にいません。おそらくコンビを組むであろうヴェローゾとメイラは優れた技術を持つ選手ではありますが、縦への推進力に欠けます。マニシェの不在により攻撃は厚みを失った感があります。 ポルトガルの攻撃における最大の問題は「厚み」がないことだと思います。先述しましたがマニシェ不在でこの傾向に拍車がかかると思います。ポルトガルの攻めで多く目にするのが、両サイドの選手がボールを持つとそのまま突破し、シュート。これでは攻めが単発になってしまい、しかも速すぎるのでサポートが間に合わないために攻め手が単調です。もちろんC・ロナウドらが独力で決められれば何の問題もありませんが、イタリア戦のように単独突破を抑えられると攻め手が・・・。攻撃に厚みを持たせるには、前線の選手に一度ボールがおさめるのが有効ですが、先述したように現在のフォワード陣にその力はありません。 総評: グループリーグでは、タレントの質・量とも突出しており、問題なく突破するでしょう。 問題は決勝トーナメントに入ってから。攻撃に関する問題を解決できなければ優勝は難しいのではないでしょうか。 机上の空論ですが、下記の希望スタメンのようにしてローマのゼロトップシステムを導入すれば攻撃面を改善できる気がしますが、どうでしょう?一朝一夕に導入できるシステムではないのは百も承知なのですが。 予想スタメン システム:4-2-3-1 GK:リカルド RB:ミゲル CB:リカルド・カルバーリョ、ブルーノ・アウベス LB:パウロ・フェレイラ CH:フェルナンド・メイラ、ミゲル・ヴェローゾ RH:クリスチアーノ・ロナウド OH:デコ LH:クァレスマ CF:ヌーノ・ゴメス ↓ 希望スタメン システム:4-2-3-1 GK:リカルド RB:ミゲル CB:リカルド・カルバーリョ、ぺぺ LB:ジョルジュ・リベイロ CH:ミゲル・ヴェローゾ、デコ RH:クァレスマ OH:ジョアン・モウチーニョ LH:ナニ CF:クリスチアーノ・ロナウド トルコ ディフェンス: なかなか固定されず、連携面の問題が深刻だったディフェンスラインですが、ここに来てCBはセルベト・チェティンとギョクハン・ザン。LBはハカン・バルタ、RBはサブリ・サリオウルに固定された模様。GKのボルカン・デミレル、ボランチのメフメト・アウレリオを含め、どこまで連携面を強化できるかがポイントになりそうです。 オフェンス: 鍵を握りそうなのは怪我から復帰のハミト・アルティントップ。彼の状態で構成は大きく変わってきそうです。彼が間に合えば、2トップはニハト・カフベチとトゥンジャイ・シャンルに。間に合わなければトゥンジャイが中盤に入り、ニハトのパートナーはメブリュト・エルディングになりそうです。トルコリーグ得点王のセミフ・シェンテュルクはスーパーサブとして。 個人能力はともかく、問題は守備陣と同様で連携面。直前まで軸が定まっていなかっただけに・・・。 総評: ファティ・テリムのチームが守備的であるはずがないので、真っ向から打ち合ってくれるでしょう。守備に大きな不安があるので勝ち抜けは微妙ですが、攻撃的なサッカーで旋風を巻き起こす事ができるでしょうか。 予想スタメン システム:4-4-2 GK:ボルカン RB:サブリ CB:ギョクハン、セルベト LB:ハカン・バルタ RH:ハミト・アルティントップ CH:アウレリオ、エムレ LH:アルダ CF:ニハト、トゥンジャイ
以上、4チームを私なりに分析してみました。 そのうえで、私の順位予想は・・・ 1位 ポルトガル 2位 スイス 3位 チェコ 4位 トルコ 本当は2位には応援しているチェコを入れたいのですが、やはり地元スイスが来るかなと・・・。
posted by tama |01:50 |
EURO2008 |
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展望:EURO2008 グループA
はじめまして。私はチェコサッカー専業ファンなのですが、色々な方の予想を楽しく拝見しております。コレル、バロシュの2トップという雑誌的予想ばかりの中で、面白い!と思ってしまいました。ポスピェフはめちゃ良いです。よく観てらっしゃいますね。
今回のチェコに関しては確かに厳しいという見方をもっていますが・・・もしロシツキーが健在で監督が世代交代を上手くやれる人であったら、少なくともドイツ大会よりは強い、もしかしたらポルトガル大会以上の実力を秘めたチームであったと思うのですが、つまりその2点が非常に痛いと思います。
コレルは体力面での衰えはありますが、さらに上手くなっている(!)こと、相変わらず代表ではゴールを量産していることから、全く問題はないと思います。彼の1トップは有力でしょうね。むしろ問題はガラーセクと、ウイファルシ+ロゼフナルの相性の悪さ、SBが無駄に人材過剰なところですかな・・・。
コヴァーチは案外良いと思っています。プラシルはWGではダメな印象しかないのですが・・・中央であれば活きるはずです。左WGが問題なのは同感ですが、ヤンクロフスキを上げるか、フェニンをもってくるのが希望なんですけどね。
今回のテストマッチでのシオンコ、ヴルチェクらの遅咲きアタッカーの活躍は素晴らしいものでした。以前から活躍しているのでまぐれではないですが、むしろあれを本番にとっとけよぉぉぉ・・・という感じでしたね。
posted by czechfan | 2008-06-02 04:15
> czechfan さん
czechfan さん
コメントありがとうございます。
こちらこそはじめまして。
EURO96でみたチェコ(当時はパベル・クカ、パトリック・ベルゲル、パベルネドベド、カレル・ポボルスキ、ウラディミール・スミチェル、ラデク・ベイブル、イリ・ネメッツ、ヤン・スホパレク、ミロスラフ・カドレツ、ペトル・コウバらがいましたね。懐かしい・・・)の連動性の美しさ=機能美に惚れ込んでしまい、以来国際大会では常に応援しています(ワールドユースは複雑でした)。
黄金メンバーの総決算となるはずだったドイツW杯では米国戦があまりに素晴らしかったので、夢を見てしまいましたが、コレルの離脱で霧散しました。
>コレルは体力面での衰えはありますが、さらに上手くなっている(!)こと、相変わらず代表ではゴールを量産していることから、全く問題はないと思います。彼の1トップは有力でしょうね。むしろ問題はガラーセクと、ウイファルシ+ロゼフナルの相性の悪さ、SBが無駄に人材過剰なところですかな・・・。
確かにコレルは健在ですね。ただ2トップにしてチェイシングを求めるのは酷なので、守備の負担をかけない意味でも、中央で不動の基準点として振る舞って頂きたいです。何しろ形だけでも補填できていたロクベンツがいなくなり、正に代役不在ですから。
ガラセクのフィルターとしての力が落ちてきているのは気がかりではありますね。カバー範囲が狭くなっているように思えるので、ヤロリムを使うのもいいかもしれませんね。ただヤロリム(ポラクも)は守備専業のアンカーに使うにはもったいない選手(そもそもタイプじゃない?)なので・・・。そう考えると意外にガラセクと同じキャラクターの選手っていませんね。クデラとかはどうだったのでしょう?
ロゼフナルとウイファルシはそんなに相性に問題ありですか・・・。とはいえミハル・カドレツやトマシュ・シボクを使うのは・・・。結果的にコバチ、ロゼフナルがベストということでしょうか。ヤン・シムネクを選ぶ選択肢はなかったのでしょうかね。
>プラシルはWGではダメな印象しかないのですが・・・中央であれば活きるはずです。左WGが問題なのは同感ですが、ヤンクロフスキを上げるか、フェニンをもってくるのが希望なんですけどね。
私もプラシルはオサスナと同じセンターの方が彼の機動力が生きる気します。左の時は右のシオンコに比べて物足りないです。
新時代の旗手であるフェニンを左で使うのもありだと思いますが、膠着状態に陥ったときに切れる有力なジョーカーが他にないのが問題かと。フェニンには前回大会のマレク・ハインツのような活躍を期待したいです。
若手ではありませんがシュートセンスが良さそうなスタニスラフ・ブルチェクもジョーカーたりえるかもしれませんね。
チェコサッカーの情報に飢えているので(クラブレベルはCLのスラヴィア・プラハぐらいしか見れていないので)、良い情報源があれば教えて下さい。
posted by tama | 2008-06-02 15:47
展望:EURO2008 グループA
応援して下さって嬉しいです。
情報はなかなかないです。チェコ語なしでは無理ですし、まず代表戦を全部見るのも努力がいりますから。UEFA杯とかユース大会とかガンブリヌス・リーガとかを頑張って見ると結構面白いんですけどね。私は日本はもちろん他国は一切見ていないので。
チェコのCBはロゼフナル、コヴァーチで臨んだEURO予選では大幅な結果の改善を見せました。失点5のうちオウンゴールが2つ(やってしまった選手はたぶん出てこないと思います)とセットプレー1つ。流れの中からはたった2つですから。昔の相当なザルっぷりに比べると素晴らしい結果ではありますよ。昔から誰がやってもザルでしたからね・・・。
コヴァーチ、ロゼフナルのコンビは本当に不思議なくらいやられることが少なかったです。ここまでいくと縁起かつぎで起用したくなるくらいに。ロゼフナルはスピード対応に手を焼いていましたが、コヴァーチはあまりやられていたイメージはないです。年齢的にも近い両者ですが、ビッグクラブからの人気では断然にコヴァーチです。
ウイファルシ、ロゼフナルで組んだ親善デンマーク戦はしっかりやられてしまいましたし、リトアニア戦でも冷や汗もの。ウイファルシ+コヴァーチだと比較的良かったです。ただ、コヴァーチは怪我明けでコンディションを落としているので、心配です。
ウイファルシは元々MFなので守備専ボランチとして使ってみればいいのに、そういうつもりはないようですね。結構上手いのに。シヴォクでは無理。ポラークはアンカーになるとだめです。クーデラ?ガンブリヌス・リーガでも目立った活躍をしていません。
アンカーではムラダー・ボレスラフのライノフが国内ではダントツの活躍でしたが、シムーネクといいカロウダといい、新参者を信頼しないのがブリュックネルの悪癖でして・・・元は良いですがかなり問題も多い監督です。
ガラーセクは歳とともにもう少し上手くなってほしいかったんですが、パスも良くありませんので・・・。ファウルで止めることも多くなってしまいました。
私も応援ブログをやっておりますのでよろしかったらどうぞ。ただし、あくまで応援ブログですので他国との客観的な比較はできませんし、私の主観が入っているので有益な情報になるかはわかりませんが、マッチレポが出回らない試合については私なりに頑張って書いています・・・。
http://czechfan.blog21.fc2.com/
posted by czechfan | 2008-06-04 12:12


