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錦織圭の進化と可能性

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あと1歩のところまで絶対王者ジョコビッチを追い込んだ錦織圭のイタリア国際。 残念ながら準決勝敗退となった。

錦織との3セットマッチでの3時間超え。その死闘の19時間後のジョコビッチは明らかに精彩を欠いていた。王者ジョコビッチが、相手はランキング3位第2シードのマレーとはいえストレートでの敗退。 ジョコビッチは今年これで3敗目だがまともな状態で負けるのは今季初ではないだろうか。いや、流石のジョコビッチとはいえあの錦織との死闘の19時間後にマレーに勝てるほどマレーは甘くなかったということ。マレーは準決勝を1時間ちょっとで終え、決勝戦までに24時間以上の間隔があったことも大きい。錦織に体力を大幅に削られたジョコビッチに万全の体制でのマレー。戦前の予想も今回はマレー有利という声も多かった。

絶対王者に直接土をつけることは出来なかったが、マレーがジョコビッチを破り優勝への後押しをしたのは紛れもなく錦織の存在に他ならない。

そして次こそは錦織もジョコビッチに勝てる。誰もがそう予感した一戦となった。

さて、錦織のクレーでのこうした急成長はいつからだろう。 元々錦織本人はクレーを得意とはしていなかった。と言うより好きではなかったのだろう。今も好きなサーフェスとは本人は言っていないし、全仏で勝つまではそうは言わないと思う。いや、勝っても言わないのかもしれない。

しかし今は誰もが錦織がグランドスラムで優勝するとしたら、ハードコートよりクレーの全仏での優勝が最も可能性としては高いのではないかと思っているのではないだろうか。

錦織にとって、好きなサーフェスとまではならない理由を一言で分かり易く説明すれば、一撃で決まらない所にあるように思う。 錦織の最強の武器といえばフォア、バックから突如放たれる強烈なウィナーであり、これは世界トップクラス、世界一、と言っても過言ではない。この武器こそが現在6位、最高位4位まで押し上げてきたと言える。

故に、錦織はこの武器を使いたがる。一撃で全てを引っ繰り返せる錦織圭最大の武器なのだから当然と言えば当然なのだ。 しかしクレーでは、安易にこの武器を使うと相手に追いつかれてしまうことが増える。ハードや芝では追いつけなくてもクレーだと追いつかれることもあるのだ。 絶対的な自信のある一撃に追いつかれて返ってくるから更に厳しい所を攻めに行く。 結果、アンフォーストエラーが増える。そんな構図だった。

組み立て無視の錦織のウィナーは観る者を魅了する圧倒的な魅力に溢れているが、クレーではそういう展開となるとそれがかえって仇になってきた。 故に一撃で決まらないクレーが好きではなく苦手に思ってきたのかもしれない。

しかし、優位な展開さえ作れれば錦織の強烈なウィナーは決まる。むしろ展開さえ作れればライン際でなくとも決まるのだ。

錦織のクレーでの転機は今年のバルセロナでのナダル戦だったと言えると思う。内容では決して引けを取っていなかったがストレートで敗退した。

錦織はナダルのセカンドを叩きにいってはフリーポイントを献上するというポイントが多く、対してナダルはサーブが弱点と言われる錦織のセカンドですらベースライン後方に立って殆ど叩きに行かない。 フットワークでは互角レベルだったが、結果錦織がウィナーを急ぎアンフォーストエラーが増えて負けた試合だったとも言える。

やはりクレーの王様であるナダルの戦法に成功の鍵がある。錦織陣営は改めてそう思ったに違いない。 以降のクレーでの錦織の戦い方には大きな変化が見られた。

エースを取りには行かず、相手のボディに確率高くファーストサーブを集める。 相手のセカンドを無闇に叩きに行かない。リターンエースを狙ってのアンフォーストエラーが極端に減少した。 そしてナダルの様に、ジョコビッチの様に、マレー、フェデラー達のように、ディフェンスを粘り強くした。 その結果が今回のジョコビッチ戦の死闘に繋がったように思えてならない。 クレーで勝つために必要な粘り強さ、そして絶対に諦めないこと。そうした精神的な成熟がクレーというボールの勢いを殺して追いつかれるサーフェスに追いついてきたと言えるのではないだろうか。

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「錦織圭の進化と可能性」へのコメント

その通りで、苦手ではなく好きではないんですよね。
辛抱強く、がトップクラスと戦うようになってからは若さもあり、あまり得意ではありませんでしたね。
クレーはまさに辛抱強くが鍵かと思います。

どうでしょうか

いやクレー得意じゃないと思いますよ。ただ2015や2014のプレーを見てみてください。去年まではフィットしてたと思います。今よりパワーはないですが、その分ボールが長くならないので、中に入ってプレーできます。細かいボレーなども、今はパワーがありすぎて相手の盲点を突きにくいと思います。2014のナダル戦なんか見ても、ショットは遅いですがしっかり逆ついて、ナダルを動けなくしています。今年になって全身が柔らかくなって、それによりパワーついたって、思います。クレーじゃ足場が悪いのでターンがしにくいために遠くで打ちあっても逆を突きにくい。それでも打ち勝てるのは、錦織がとんでもないレベルのストロークになっているからです。最近もともとパワーがあったってよく聞きますが、現状を見て思い直しているだけですよ。数年前は「それほどパワーがないがフットワークが素晴らしい」「コートの中に入って角度をつけられる」って言う話ばかりでした。ハードコートになったらジョコビッチも錦織もさらに他を圧倒するプレーを見せると思います。

「錦織圭の進化と可能性」へのコメント

ジュニアの頃はクレーが一番好きと言ってましたよ。ラリーが続くしドロップショットなんかの小技も使い易いからだと思います。プロに転向してからは対戦相手のレベルが上がって、中途半端なストロークだと全部追い付かれて最後に体力負けするので「得意じゃない」になりました。今はさらに攻撃力が上がり精度も増してフィジカルも強くなってきたから「やっぱり好きかも」になってるんじゃないですかね?

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