2007年03月28日
“清宮台風”がもたらしたもの~楕円球総括3~
クラシック・オールブラックス の顔触れにテンション激上がり! 何だか書く気満々になってしまいました。 そうです、小生はお調子者です。 いらぬ口上はこの位にして本題! 今回はどこまで長くなるか見当もつきません。 思い入れあるアノ人の話題ですから。 では、いきます。 今シーズンのトップリーグを振り返った時、 まず間違いなく名前があがるのはこの男でしょう。 清宮克幸。 39歳、サントリーサンゴリアス監督。 低迷していた母校・早稲田大学のラグビー部を 就任1年目で建て直し、一気に対抗戦を5連覇! しかもその間、対抗戦を無敗で通し、 大学日本一にも3度輝きます。 いつしかメディアは彼を「カリスマ監督」と呼び、 その知名度はどのラグビー選手をも上回りました。 時に大言壮語ととられかねない発言で物議を醸し、 時に感極まって選手たちと共に熱い涙を流す。 そんなアクの強いキャラクターが早稲田の監督を辞め、 古巣・サントリーの再建に乗り出したとあったら、 メディアが放っておくはずがありません! 今シーズンの特に前半、トップリーグの話題は 清宮監督一色に染め上げられました! あたかも台風の如く 今シーズンのトップリーグを 席巻した男、清宮克幸! 彼は今シーズンの日本ラグビー界に 一体、何をもたらしたのでしょうか?
まずは何よりも「話題性」 そもそも監督就任会見からして破格でした。 ラグビー協会の一室を埋め尽くす報道陣。 各大学のキャプテンが集結した 錚々たる顔触れの新入部員を引き連れ、 清宮監督は堂々と宣言します。 「1年目から優勝を目指す!」 思えばこれが、今シーズンを通して続いた 強烈なメッセージ発信の始まりでした。 清宮監督はメディアを通してはもちろん、 自身のブログを立ち上げて、 積極的な情報発信を展開! メディアとファンに話題を提供し続けます。 それは早稲田大学で成功したのと同じように。 更に大学で培った手法は、 他にも様々な場面で顔を出しました。 例えば「スローガン」。 早稲田でのスローガンは、かの有名な 「アルティメットクラッシュ」。 そしてサントリーでは「ALIVE」。 これもメディア、ファンへの 強烈なメッセージになります。 あるいは「部内試合(通称・内ゲバ)」。 早稲田では夏合宿、そして節目の試合の前に “内ゲバ”と称する部内試合が行われます。 サントリーでもこれを踏襲し、 チーム立ち上げから間もない 5月中旬に部内試合を敢行! チームに競争原理を導入したことを これまた高らかに宣言しました。 そしてこれはすぐには分かりにくいのですが、 「リーグ戦の1試合1試合に意味を持たせる」 という手法も大学で行われていることに 近いと思います。 大学に根強く残る「対抗戦思想」。 その考え方は、全ての試合が 「リーグ戦の中の1試合」ではなく、 「各大学とのその年ごとの勝負」として 位置づけられる所に特徴があります。 清宮監督はこれをトップリーグにも導入。 13チームと激戦を繰り広げる長丁場で、 とかく中だるみに陥りがちな選手たちに 明確なテーマとモチベーションを与えたのです。 その試合に臨む際のテーマは もちろん自身のブログで公表。 メディア、ファンに毎試合の いわば「みどころ」を提供していた訳です。 この情報発信が観客動員、 そしてメディアの取り上げる機会を 増やす事に寄与したことは、 いくら強調してもいいくらい! 清宮監督の大きな功績です。 また「斬新な戦術によるリーグの活性化」 これは以前にも書きましたが、(※06年10月18日参照) 今シーズンのサントリーの戦い方を かいつまんで言うと、 「1対1の強さをベースに、 一気に大量得点を狙う」 ということになると思います。 今の主流を占めるのは、 「サインプレーで攻撃を重ね、 理詰めでトライを奪う」 という戦術。 しかし、これは予測がつきやすく、 結果、守備側に研究されて行き詰る。 しかしサントリーは違いました。 「1対1で勝ち、そこからは個々の判断で ボールを継続し続け一気にトライを奪う」 なるべく接点を作らず、 可能な限りオフロードパスをつないで ディフェンスラインが整備されぬうちに トライまで持っていくのです。 清宮監督が凄いのは、 個人プレーに依存するかに見える この戦術を、きっちりとチームに 浸透させていったこと。 高度な判断が要求されるプレーを、 計算しつくされたコーチングで 見事に選手に叩き込んだんです。 この他チームにない戦術は、 トップリーグを席巻し、 サントリーを快進撃に導きます。 しかし隠れていた弱点がシーズン終盤に露呈。 それは「接点でのコンテストに弱い」 そして「受けに回ると脆い」ということ。 攻撃している時間が長かったことで 表面には出てこなかった弱みが、 東芝、トヨタなどの強豪と当たる中で 一気に出てきたのです。 浅はかな小生ときたら、 そうなって初めて気付きましたから。 全くもってお恥ずかしい限り! しかし「打倒!サントリー」に燃えた 各チームが、それまでよりも格段に 進歩を遂げたのもまた、まぎれもない事実! 来シーズンの各チームはこれを良い教訓とし、 「独自のチームスタイル」を打ち出して リーグを戦ってほしいと思うのです。 そしてそれをファン、メディアに発信すること。 そうすれば第2、第3のサントリーとなり、 リーグを大いに活性化できるはず。 あたかもこれに呼応するトピックがありました。 ここ数シーズン低迷する名門・神戸製鋼で あの「ミスター・ラグビー」平尾誠二氏が 総監督に就任したのです。 彼が就任会見で掲げたのは「超攻撃的ラグビー」。 メディアも大きく取り上げた 実に分かりやすいキャッチフレーズです。 現役時代から戦略家で知られた彼が、 その理想をどう実現するのか楽しみでなりません! ようやく終わりが見えてきました。フゥ、、、。 まるで台風が周囲のものを巻き込んで どんどん巨大化していくかのように、 ファン、メディア、そして他チームを 巻き込んでいった「清宮サントリー」。 その成果は、 社会人では10年ぶりに満員となった マイクロソフトカップ決勝の盛り上がりに 一つの結実を見ました。 その余勢をかって日本選手権も 相応の盛り上がりを見せ、 日本ラグビー界は久々に好循環に入った といっていいでしょう。 ここからは日本代表の出番です。 新たな指揮官、ジョン・カーワンは 既に「ジャパニーズスタイル」の構築を 強化の柱として明言しています。 ここまでは清宮サントリーの好例と重なって良し! あと肝心なのは「情報発信」です。 ここが苦手なのが我が協会の一番の弱点! 願わくばこの点でも、 清宮サントリーの成功例を見習ってほしいもの。 我々ファンもしっかりと見守って参りましょう! 時に厳しい意見も協会に届けながら…。
posted by bu-ha |21:23 |
ラグビー |
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