2007年03月26日
王者・東芝の進化と深化~楕円球総括2~
またもご無沙汰の楕円球シーズン総括。 遅ればせですが「その2」、いきます。 史上最長です、ご覚悟のほど、、、。 前稿の要旨は 「今シーズンのトップリーグ観客増 →それぞれの試合に“ストーリー”があった →更に試合内容もそれに劣らず充実していた」 ざっとこんな感じでした。 前者の「ストーリー」については 前稿で詳しく触れたので、 後者の「試合内容」について 今回は書いてみたいと思います。 そこで表題です。 終わってみればトップリーグ1位、 MS杯優勝=トップリーグ優勝、 日本選手権制覇と 事実上の2年連続3冠に輝いた 王者・東芝ブレイブルーパス。 やはりその主役を軸に今シーズンの 試合内容を見ていくことが、 分かり易いのかなと。 好試合も東芝がらみが多かったですし。 ちょっと言葉遊びのようになりましたが、 今シーズンの東芝の強さを考えた時、 浮かぶのは2つの「シンカ」です。 新たな強みを獲得していく「進化」 今までの強みを深めていく「深化」 猛烈な勢いでレベルアップする 挑戦者たちを跳ね除けるには、 不可欠な2つの要素でした。
まず「進化」とは? 敢えて端的に言いきってしまえば、 「ドライビングモールからの脱却」 ということになります。 薫田監督就任以降、 昨シーズンまでの4年間で ほとんどのタイトルを独占してきた 王者・東芝ですが、 常に批判にさらされていました。 「モール頼みのラグビーは世界では通用しない」 それでも昨シーズンまでは、 東芝のモールを組む技術に 他チームが対応できなかったため、 モールを戦術の大きな柱に据えていたのです。 (※もちろんモールだけが 強さでは無いのですが…) しかしサントリーを筆頭に、 多くのチームがモールへの対応を強化。 「押せばトライを獲れる」 という状況ではなくなりました。 が、このことが東芝の「進化」を促したのです。 ここ数年、東芝も「モール頼み」からの脱却へ 試行錯誤を重ねていました。 それが今シーズンに一気に加速! その兆しが見え始めたのは、 リーグ戦7節でヤマハに敗れ、 1ヶ月の中断期間が明けた8節あたりから。 リコー、サニックスを続けて 50得点以上で粉砕! そして何より凄かったのが、 リーグ最終戦、14節の三洋電機戦でした。 昨シーズン、苦杯を舐めた相手に、 奪うこと10トライ! モールに拘ることなくバックスに展開! かと思えば、バックスが大外でモールを組み、 フォワードがパスを回す! とにかく全員が倒れずにボールをつなぎ続け、 そこに後から後から湧き出てくるサポート。 それでも決めるべき時には キッチリとモールでトライを奪う。 小生の稚拙な表現ではあまりにも足りず…。 試合を見ていた方には申し訳ありません! とにかく東芝は、 各チームの猛追を振り切るべく、 これまでの「モール頼み」から脱却! 「新たな強み」を獲得したのです。 一方、「深化」とは? それは「あのシーン」に象徴されます。 何度も何度もしつこいですが、 マイクロソフトカップの決勝、 サントリー戦の決勝トライですよ! ロスタイム6分、十八番のモールから 侍バツベイが巨体ごと突進して奪った 今シーズンのクライマックスシーン。 この場面については以前、 冨岡主将が「モールで行こう」と言った エピソードを紹介しました。 確かに感動的で良い話です。 しかし実はそれよりも重要なのは、 あの緊迫した場面でミスをせずに モールを押し続けたことです。 1度でもプレーが途切れれば負け。 騒然とする場内の雰囲気の中で、 東芝の選手たちは冷静でした。 それはトライシーンの直前を 良ーく見れば分かります。 トライ前の最後のモールは、 侍バツベイ選手の突進から作られたもの。 そこで東芝の選手は、 バツベイ選手が起き上がり、 モール最後尾につくまで ボールをキープし続けました。 更にバックスのマクラウド選手が、 モール左サイドから右サイドに移動。 これにサントリーのニコラス選手がつられ、 手薄になったモール左サイドを バツベイ選手が突いたのです。 磨き上げてきた技術を完遂する集中力。 状況を見極める冷静な判断力。 プレーヤー個々の意思統一。 いずれも一朝一夕で得られるものではありません。 まさに薫田監督のもとで5年間培ってきたものが 全て集約されていたのが「あのシーン」でした。 批判され続けた「モール」。 今シーズン止められ続けた「モール」。 しかしその「モール」を より深めたことによって、 東芝はタイトルを手にできたのです! それもこれも全ては 他チームの健闘あってこそ! このトップリーグの盛り上がりを カーワンジャパンにつなげ、 そして来シーズンにつなげ、 更に次のワールドカップへ! 後に「全てはあのシーズンから始まった」 と感慨深く振り返る時が来たらいいですなぁ…。
posted by bu-ha |19:01 |
ラグビー |
コメント(0) |
トラックバック(0)


