2006年10月13日

歓喜と絶望のコントラスト~斉藤和巳に思う~

それは残酷な、
あまりにも残酷な
歓喜と絶望の
コントラストでした。

北海道日本ハム、
25年ぶりパリーグ制覇!

ソフトバンク斉藤和巳、
プレーオフ2試合で
1点の援護も無く2敗。

胴上げに興ずる日ハムの選手と、
マウンドでうなだれる斉藤。

そこに何も感じない野球ファンが
いるはずもありません!

斉藤のプレーオフを振り返ります。

7日の対西武戦
8回を投げ4安打9奪三振1失点
そして中4日の対日ハム戦
8回3分の2で5安打8奪三振1失点
2試合通算の防御率は何と「1.04」!

それでも斉藤は日ハムに敗れた自分を責め、
チームメイトに肩を借りないと
歩けないほどに泣き崩れました。

敗者に過剰に思い入れるのが日本人の常。
「判官びいき」という言葉もあるくらいです。

しかし、プレーオフでの
斉藤の力投を見るにつけ、
彼を“悲劇のヒーロー”にして
祭り上げるのは失礼なのでは?
と、むしろ思うのです。

かつて日本のプロ野球で
『エース』といえば、
まさに「絶対的な存在」でした。

しかし近年は「投手分業制」が確立。
先発投手は中6日~7日の
ローテーションが当たり前となり、
かつて「エース」の基準だった
「20勝」という数字をクリアするのが、
非常に困難になっています。

そんな中、今シーズンの斉藤は、
18勝5敗
防御率1.75
勝率.783
205奪三振
5完封

というかつてのエースたちと
全く遜色ない成績を残したのです。

そんな斉藤であれば、
「エースは絶対に負けてはいけない」
「味方が点を取ってくれるまで
 先に点を与えてはいけない」
という強い気持ちを持って、
このプレーオフも投げていたはず。
それが「エース」の責任なのだ、と。

であるならば、そんな斉藤にとって
周囲の同情や慰めは
むしろ失礼ではないでしょうか?

負けは負けとして受け入れること。
来シーズンに捲土重来を期す斉藤を
これまで以上にアツく応援すること。
彼が見せてくれた「エースのプライド」を
決して忘れず、リスペクトすること。

こんなことしか小生には浮かびませんが、
必要以上にドラマチックに煽っておいて、
その物語を消費していくのは、
この国の多くのメディア、
そして私たちの悪いクセ。
自戒も大いに込めつつ、
あえて書き残したいと思うのです。



posted by bu-ha |18:58 | 野球 | コメント(0) | トラックバック(1)
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