2007年01月08日
他クラブを参考にする(1)
後発クラブの利点は過去の例を参考にして戦略を立てられることにあると私は思う。クラブ運営について著作権など存在しない。自クラブにおいて取り入れられることは素直に導入し、あるいは地域性に合わせた改善をする。そして前者の失敗の轍を踏まないリスクマネジメントとしてもそれは有効に思えてならない。 今回取り上げてみたクラブは同じ茨城県を本拠地にする「水戸ホーリーホック」である。何故水戸を?と思う方もおられると思うが、クラブとしての水戸の成功事例と失敗事例は色々と考えさせられる点が多い。
水戸ホーリーホックはかつてつくばの隣接都市である土浦市に本拠を置いていたプリマハム土浦が母体となっており、プリマハムとしてJFL昇格を果たすものの、業績悪化の関連からサッカー部は手放され、水戸市の有志が運営母体を設立して当時県リーグだったFC水戸との合併という形式でチームを存続させ、現在の名称になった経緯がある。 JFL昇格当時は他クラブより多くの選手を保有し、またその選手達を一般に企業に貸し出すという当時としては珍しいスタイルでの運営を志していたが、年数を経るに従ってこの戦略は頓挫し、J2昇格以降は経営不振による解散危機にも晒されている。 ここまで見ると反面教師の要素も多い。またスタジアムが本拠の水戸市に無く隣接都市の笠松(アクセス悪い)を使用せざるを得ない点や、Jリーグ最低の運営資金、選手の待遇面、フロントのファンに対する応対など悪い部分が目立つものの、反面その厳しい現状に逆らってきた効果が近年見えつつある。
- 最低予算ではあるがJ2昇格以来最下位になっていない
- 逆境がコアなファン層をしっかりと掴んでいる
- 環境改善(施設面など)が最近顕著
【1について】 驚くべきことに毎年のように中心選手が入れ替わっている。そしてそれなりに上位チームへ中心選手を売却している(大きな金額ではないが)。最低予算で中心選手が替わっても最下位にならないこの不思議さは監督のやり繰りの巧みさと選手獲得に関しての巧みさが混在してるように見える。 【2について】 中心選手は毎年他チームに強奪され、スタジアムで見せられるのが極端守備のサッカー。確かに一見の観客では惹かれるものは皆無に等しいが、それが逆にコアなファン層を押さえているという見方もできる。引き篭もり(進化して立て篭もりとも言われる)の戦術スタイルはいつしか「水戸ナチオ」という名称が浸透し、サポーターが行う「漢祭り」や「前田祭り」「山形サポーターとのコール合戦」はJ2名物として定着していると言っても過言ではない。自嘲せざるを得ないこの環境がこういったファン層を自然と構成していっているように思える。 【3について】 専用のかせんしき練習場や市営陸上競技場の改修など施設面での向上、そして06シーズンは初の開幕からフルスポンサー、マイターからのユニフォーム提供と見た目にも良い変化が出ている。また近年スタジアムでのグルメが好評。確かに他のスタジアムのものとは一線を画している。
ざっと見ると真似したくない事例が多いが、逆にそれを乗り越えつつあるからこそしたたかな運営と結果、そして環境の改善を勝ち取っているとも考えられる。それを考えれば運営面に関しても「水戸ナチオ」を貫いているとも言える。 それが水戸クオリティ。 (よくサポーターが自嘲気味に使う) とはいえ少ない予算を効率的に使い、それに見合う価値を獲得しているのは特筆に価する。一気に拡大発展ということは起こる可能性が低いと思うが、ロングスパンの運営という観点からは参考にしたいクラブだと個人的に思っている。
posted by GM |16:15 |
GM雑記 |
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