2008年05月07日
第47回NHK杯体操選手権
体操のNHK杯をテレビ観戦。 全日本選手権、二次選考会に続く北京五輪代表の最終選考を兼ねた大会。 男子は総合順位の上位3選手と種目別ポイント上位3選手が、 女子は総合順位の上位5選手と種目別ポイント上位1選手が選考対象です。 持ち点は二次選考会から持ち越されるので、 このNHK杯で二次選考会での上位選手がいかに失敗しないか、 また下位選手がどれだけ挽回できるかが重要な最終選考になりましたね。 放送自体は少なかったので満足はできませんでした。 男子が1班の平行棒と鉄棒に他班選手の一部、 女子も1班の平均台とゆかに他選手の一部のみでしたから。 BSで全体を放送してくんないかなぁ。 では、まずは男子代表を。 冨田洋之、内村航平、坂本功貴、鹿島丈博、沖口誠、中瀬卓也の6名。 冨田選手は二次選考会で2位でしたが、さすがの優勝で代表決定。 二次選考会で内村選手に0.250の差を付けられましたが、 終わってみれば総合ポイントで2.600を上回ってエースの貫禄でした。 初日のゆか、二日目のあん馬で14点台でしたが それ以外はすべてを15点台でこなすあたりは申し分ないでしょう。 放送された平行棒、鉄棒、つり輪のどれも演技内容は高レベル。 着地がビタッとこなかったのが五輪に向けての最終調整というところかな。 もちろん五輪では日本の軸になります。 今大会でもっとも注目されたと言っていい内村選手が堂々の2位で代表決定。 ゆか、跳馬を中心に、苦手のあん馬以外も安定して得点できています。 なにより体操そのものの美しさがあることが大きい。 Bスコアでの減点も最小限に抑えられる強さを持っていますよね。 放送では平行棒も鉄棒も良かったのですが、 やはりゆかでのひねり系、そして跳馬のドリックスの完成度が高い。 冨田選手の苦手なゆかと跳馬で軸になれるオールラウンダーの存在は貴重です。 最終選考でミスができないという緊張感に敗れる選手が多かったなか、 坂本選手はすべての種目で安定した実力を発揮し精神的な強さもみせての代表決定。 NHK杯二日目だけで言えば、内村選手より上の2位ですよ。 得意種目はあん馬なのですが、それよりも苦手がないとところが強みだと私は思います。 どの種目ででも計算できるという意味で、 五輪では大学生という立場ながら日本を支える存在じゃないでしょうか。 鹿島選手は、やはりあん馬で強さを発揮しての代表決定。 二次選考会からNHK杯の4日間を通して、あん馬ではすべて1位の4ポイントを獲得。 放送では鉄棒でコールマンとコバチの2度落下で焦りました。 それがなければ総合でも3位に入っていたでしょうから本人は悔しいかも。 肩を怪我し、2度の手術を乗り越え、五輪にはしっかり合わせてきましたね。 いまの日本には鹿島選手のあん馬は絶対に必要なのは言うまでもありません。 またアテネ五輪の経験者として、冨田選手の精神的負担も分かち合えるでしょう。 沖口選手は、こちらも得意のゆかと跳馬で得点を稼いで代表決定。 二次選考会が終わった段階では18位のギリギリで通過し、 このNHK杯ではとにかく選考対象の12位以内に入ることが絶対条件でした。 崖っぷちから代表になったというところでは大きな成長ですね。 ただ、放送では跳馬でロペスを封印してドリックスでした。 またそのドリックスが着地で結構危なかったからなぁ。 五輪では沖口選手のロペスの完成度がメダルの色を決めると言っていいかもしれません。 中瀬選手は総合で4位、種目別ポイントでは田中和仁選手と並びましたが 日本が苦手なつり輪でポイントが獲れる選手で代表決定です。 本来ならオールラウンダーとして総合で代表になりたかったはず。 ですが、二次選考会での14位からの挽回ですからね。 NHK杯の初日では冨田選手、鹿島選手に次ぐ3位で調子は戻してきた様子。 2日間で合計90点を超えたのも冨田選手と2人だけ。 実力では、実質的に日本の2番手として五輪では期待されるでしょう。 以上が男子の代表選手でした。 アテネ五輪組みでは、塚原選手が7位、米田選手が8位、水鳥選手が17位。 塚原選手は新採点方式に変わってからも果敢に挑み続けましたね。 米田選手は怪我に苦しむも、正直ここまで戻ってくるとは思いませんでした。 その精神力には本当に敬服させられます。 水鳥選手は怪我がなければ代表決定だったかもしれません。 アテネ五輪から、冨田選手と日本体操をずっと牽引してくれただけに残念です。 さて、次は女子代表を。 大島杏子、上村美揮、美濃部ゆう、鶴見虹子、新竹優子、黒田真由の6名。 大島選手は二次選考会4位から逆転で優勝し代表決定。 さすがは五輪経験者といったところ。 大会前から五輪にいきたい強い気持ちをコメントでも出していました。 この、大事な大会で実力を発揮できる強さ。 特にゆかでの強さは雰囲気からも表れていましたよね。 上村選手は二次選考会1位からの安定感を維持し代表決定。 大島選手に続き、上村選手もベテランとして強さをみせてくれました。 得意の平均台にとどまらず、安定感は秀逸です。 この大島選手と上村選手の代表決定は大きな意味があると思います。 久しぶりの団体出場という日本にとって精神的主柱になることは言うまでもありません。 五輪ではベテランの力が発揮されると若手が乗ってくる気配です。 鶴見選手は二次選考会から非常に苦しむも代表決定。 放送では平均台で落下、また段違い平行棒では着地の大きな失敗。 指の骨折という怪我からの調整に苦しんだようですが、 ひょっとして初めて経験する代表選考という緊張感もあったのかもしれません。 あんな失敗や、演技が終わるたびに涙を流す姿は初めて観ました。 ただ、逆にあれだけの失敗にもかかわらず4位という成績を残せることが、 鶴見選手の演技構成のレベルの高さを改めて教えてくれた大会だったとも。 五輪では間違いなく日本のエースとしての活躍が期待されます。 このNHK杯がいい意味でさらに鶴見選手を高みへのぼらせてくれると信じています。 美濃部選手、新竹選手は新鋭として代表決定。 代表選考という舞台で堂々と自分の演技をした新鋭2人。 もちろん2選手ともナショナル強化選手ですから意外ではありませんよ。 美濃部選手は段違い平行棒と平均台、新竹選手はゆかと平均台での強さを持っています。 特に美濃部選手の段違い平行棒と新竹選手のゆかは貴重ですからね。 若さもあるだけに、五輪までにさらにレベルアップも見込めます。 五輪では日本に勢いを付けてくれる存在になるはずです。 黒田選手は得意の段違い平行棒で種目別ポイント1位で代表決定。 まぁ黒田選手の段違い平行棒は世界クラスですからね。 また世界選手権では個人総合でも決勝に残っていますから日本に必要な存在です。 この世界選手権で、個人総合と種目別の両方で決勝に残るという経験値。 しかも種目別の段違い平行棒ではメダル争いもしています。 この経験値が五輪の舞台で活かされないわけがないですよ。 残念だったのは、山岸舞選手と椋本啓子選手が怪我で棄権。 山岸選手のオールラウンダーな活躍は五輪でも充分に発揮できたはず。 実力が発揮できず苦しんだ時期もありましたが、 最近は調子も戻ってきただけに怪我という現実が余計に残念でした。 また 椋本選手は昨年の世界選手権でキャプテンを務めた精神的な柱でも貢献。 あのときの平均台で落下しての痛みをこらえながらの気迫あふれる演技が、 アトランタ五輪以来の団体出場に日本チームを導いたと言っていいぐらいです。 このへんは厳しい現実ということですね。 これで体操の日本代表が決定です。 男子は2大会連続揮メダル、女子は入賞が目標になるでしょう。 その目標に向けて充分な選手に決まったと言っていい面々が揃いました。 これから五輪に向けた最後の調整にかかってきそうです。
posted by しん太 |14:43 |
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