2008年04月18日
競泳日本選手権2008:三日目
競泳日本選手権をテレビ観戦。 連日のように選手の涙で溢れるインタビュー。 五輪に懸けるということをレースのたびに実感している毎日です。 では、三日目の決勝種目です。 ■ 女子200m自由形 ■ 派遣標準記録突破選手:なし 4×200mフリーリレー派遣標準記録突破: 上田春佳(1分59秒09)・三田真希(1分59秒95)・高鍋絵美(2分01秒39)・山口美咲(2分01秒64) 上位4選手の合計で8分02秒34、個人平均では2分00秒58が鍵になった種目。 上田選手と三田選手の貯金に他選手がどれだけ詰められるか。 上田選手の個人としての日本新記録、また派遣記録突破も注目でしたが、 とにかく3番手か4番手が2分00秒台できてくれと願いながらの観戦でした。 で、実は厳しいかなと覚悟しただけに、派遣記録突破のコールでは拳を握りましたよ。 上田選手、そして三田選手は個人での派遣記録突破を狙っていたでしょう。 特に上田選手は前半から積極的に攻めていきます。 いや、そういう姿勢は上田選手に限らず、決勝に立った全選手に共通だったかもしれません。 決勝に残った全選手が準決勝より格段にラップタイムが速い。 他種目で疲労もあるはずの春口選手でさえその姿勢は変わりません。 女子自由形の底力を全体の雰囲気で感じさせてくれました。 インタビューでは私は三田選手が印象に残りましたよ。 まずは2位という結果への悔しさを口にするも、 高鍋選手と山口選手の頑張りに感謝の言葉を忘れない。 ずっとこの種目を引っ張ってきた三田選手の大きさを感じたコメントでした。 五輪ではリレーでの精神的な主柱という意味でも大切な役割を果たしそうです。 ■ 男子200m自由形 ■ 派遣標準記録突破選手:なし 4×200mフリーリレー派遣標準記録突破: 奥村幸大(1分47秒90)・内田翔(1分48秒57)・松本尚人(1分48秒97)・物部靖紀(1分49秒04) 女子の嬉しい結果の余韻のなか、入場してくる選手たちの雰囲気もすごく良かったです。 なにか、俺たちも続くぞ!!といった声が聞こえてくるような。 準決勝では互いに牽制し合う不安な様相を一変させたのは物部選手。 体力は問題のない物部選手ですが、あれだけ前半から攻めるのは意外でした。 当然、奥村選手も前半から攻めつつ、しかし冷静な展開。 また200mに絞った松本選手もさすがに攻めつつもピタリとつけます。 とにかく、全体のレベルが一段落上がったなかでのレース展開に、 これが観たかったんだと思いながら前半の折り返しを嬉しく感じていました。 最後は内田選手がラスト50mを27秒前半という驚くようなスパート。 3位の松本選手が1分48秒台だったのでリレーは大丈夫だと確信でしたよ。 男子自由形は確かに世界からはまだまだですが、 実力を発揮すればリレーの派遣記録も充分に突破できる結果です。 間違いなくレベルの伸びは大きいと頼もしささえ感じさせてくれました。 奥村選手の「自由形を愛している」という言葉は胸がふるえました。 少し心配なのは細川選手だったでしょうか。 100mでのリレーには重要な選手ですが200mでは苦しい泳ぎ。 いや、100mに向けたものならいいのですが…。 ■ 女子100m背泳ぎ ■ 派遣標準記録突破選手:伊藤華英(59秒83)・中村礼子(1分00秒16) こんなことを言っては大失礼なのは承知ですが、 伊藤選手が中村選手に勝って、さらに59秒台の日本新記録はまったく予想外でした。 こんなに嬉しい誤算はもっと体験したいですねぇ。 今大会、まず目に付いたのが伊藤選手のスタート。 これまでは横にずれてしまい、バサロも特別な巧さは感じられませんでした。 それが3月の短水路やこの日本選手権ではすごくスムーズにスタートしている。 このスタートの克服は、その時点で中村選手とのアドバンテージを縮め、 なおかつそれは挽回に関しても精神的な余裕を生んでいる気がしてなりません。 後半の強さは素晴らしいですから、そこへつながるスタートは大きい。 4年前、勝負すること自体に疑問を抱き逃げていた伊藤選手。 それがアテネ五輪を掴めないという結果を生んでしまった事実。 そして苦しかったのは伊藤選手のみならず、 そういう精神状態を酌んであげられなかった鈴木コーチでした。 伊藤選手の今回の結果に、鈴木コーチの喜びもまた相当だっただろうなぁ。 これで鈴木コーチは、大地さんに続き2人目の金メダルに向けて燃えるでしょうねぇ。 敗れた中村選手は冷静なインタビューでの受け答えも、 内心は2位と59秒台を出せなかったという結果にいろいろ思うところがあったでしょう。 力んでしまった、と言っていましたが、 例えば50m折り返しの浮き上がりで酒井選手に捕らえられたことや 伊藤選手の影が最後までとなりに見えていたことなどもあるかもしれません。 結局、予選よりも準決勝、準決勝よりも決勝とタイムを落としてしまいましたからね。 こういう少なからずの逆境で200mではどんなレースをしてくれるのか。 非常に楽しみな見どころが増えましたよ。 そして、3位の酒井選手にも触れなければなりませんね。 3月に短水路100mの日本新を出したときは本当に驚きましたが、 なるほどあのバサロがあれば間違いないなと確信させられましたよね。 中村、伊藤、寺川という3強がずっと占めてきた女子バックにおいて、 やっと新しい風が吹き込んできたと嬉しい限りです。 この日本選手権ではすべてのレースで自己ベストの高校新記録。 今後はレースのたびに注目されるでしょうから、さらにそれが追い風になってくれるといいです。 ■ 女子100m平泳ぎ ■ 派遣標準記録突破選手:種田恵(1分07秒91) 種田選手が派遣記録を突破したのは素直に嬉しいです。 ですが、田村奈々香選手が突破できなかった事実が本当に辛い。 田村選手にとっては、派遣記録はもちろん日本新記録、そして1分06秒台の想いは強い。 それが1分07秒台を出した準決勝よりも0.1秒速く入った50mに現れています。 後半の、特にラスト25mでの失速の原因がそれかは分かりません。 田村選手の実力なら普通に発揮すれば超えられるはずの派遣記録。 これが五輪選考の怖さなんですよね。 一方の種田選手は、田村選手と三輪選手に引っ張ってもらいながらの折り返し。 本当の勝負は200mだというのも、いくらか余裕につながったでしょうか。 それでも後半を35秒前半で帰ってきてるのはさすがですよね。 後半に強いと言えども、この粘り強さは200mにも期待は膨らみます。 田村選手のように専門だからといって力まないで勝負してほしいですよ。 もう一度、200mでも涙のインタビューをみせてほしいです。 続いて、準決勝の種目です。 男子50m自由形では、岸田真幸選手がトップ通過。 岸田選手、山本選手、小林選手の3選手が27秒台の高レベル。 3選手ともに1組での勝負で見ごたえも充分でした。 それだけに、2組での伊藤選手や佐藤選手にはちょっと残念。 決勝ではもちろん日本新記録付近での勝負に期待です。 女子50m自由形では、山田香選手がトップ通過。 山田選手の実力が少し抜けていた準決勝。 ですが、3位通過の高校生・金子選手にはなにか面白い予感が。 個人的には水落選手が準決勝敗退で悲しかったです。 男子200mバタは、松田丈志選手がトップ通過。 まぁ決勝に向けて松田選手も柴田選手もまだまだ本気モードには遠いかな。 で、山本選手もそうだと思いたいのですが…少し気になります。 山本選手が100mに懸けているのであれば話が変わってくるでしょうけど。 準決勝の段階では3選手ともになんとも言えないのが正直な感想です。 女子200m個メでは、藤野舞子選手がトップ通過。 藤野選手の調子の良さは感じられましたねぇ。 そして、春口選手もやはり強いなと感じさせられます。 この400m個メ代表の2選手には北川選手は負けられないでしょう。 でも、苦手のバックの悪さが気になってしまったので心配です。 バックさえうまく乗り切れば、やっぱり北川選手だと思うのですが。 ただ天野選手、加藤選手の強さは分かっていますし、 坂井選手に森下選手も調子が良さそうに見えたので混戦必至の決勝になりそうです。 男子200m個メでは、佐野秀匡選手がトップ通過。 うーん、高桑選手の泳ぎが少し心配。 前半2種目の我慢があまり感じられなくって得意のブレストもまだまだ。 調子がいいのは前半型の佐野選手と藤井選手。 佐野選手は400m個メの雪辱もありますし、藤井選手は100mフリーを蹴ってます。 この2選手の心境の強さは決勝でもムキ出しになりそうです。
posted by しん太 |14:53 |
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