2008年05月31日
アーサー・ローズは甦られるのか?
人は皆、繁栄期にあった物事の残像が強く残ることがある。
往年の名選手の絶頂期をリアルタイムで知る者こそ、その目は節穴になってしまうのかもしれない。
既にピークは過ぎていたとしても、その残像が勝り、期待してしまう。
少なくとも、私にとっての野茂英雄はその類のプレイヤーとなっている。
近鉄時代、ドジャース時代、レッドソックス時代、野茂は日本人メジャーリーガーの先駆者として、数々の金字塔を打ち立ててきた。
私の中で最も鮮烈に覚えているのは、野茂がレッドソックス在籍時に記録したノーヒット・ノーランだ。
2001年4月4日のオリオールズ戦でメジャーで2度目となるノーヒット・ノーランを達成した。
私がそれを知ったのは当日の深夜、アメリカスポーツネットワークESPNのスポーツニュースを見ていた時だった。
私の記憶の中の野茂のストレートは、あの時の真っ直ぐだった。
故に、先日まで中継ぎとしてロイヤルズで奮闘していた頃の野茂は、もう野茂英雄ではなかった。
同じように、私の記憶の中では、素晴らしい投球が鮮明に残っている投手がもう一人存在する。
シアトル・マリナーズ、アーサー・ローズだ。
アーサー・ローズで真っ先に思い出されるのは、ダイヤのイヤリングを着けてマウンドに上がっていたことかもしれない。
打者から「光が反射する」との抗議を受け、これに反発し退場処分を科された経験を持つ投手だ。
日本でも報道されたことがあったので、覚えているファンもいるかもしれないが、マリナーズが破竹の勢いでプレイオフに進出していた2000年初頭、彼は、クローザーの佐々木主浩に繋ぐ貴重な左腕中継ぎとして年間5,60試合を雄に投げていた。
ローズ、ジェフ・ネルソン、佐々木が当時のマリナーズの必勝パターンだった。
そのローズが、今季からマリナーズに復帰を果たしたのを知ったのは、つい最近のことだった。
ローズで思い出されるのは、アノ強面な佇まいと、繰り出される剛球だ。
ランナーを背負っても真っ直ぐで押し切るピッチングが持ち味だったと、私の記憶ではそうなっている。
マリナーズが過去8年間で最も強かった2001年には、71試合に登板し32ホールド、防御率1.72という素晴らしい成績を残している。
おそらく、私の記憶はこの頃のものだと思われる。
マリナーズを退団後、アスレチックス、インディアンス、、フィリーズと転々し、今季はマイナーからマリナーズに拾いあげられた。
もう晩年を迎えている38歳のセットアッパーは、昨年、左尺骨側の側副靭帯再建の手術を受けた。
残念ながら今季のピッチングの様子を、映像ではまだ確認出来ていない。
記録だけを見れば、17試合に登板して2勝3ホールド、防御率5.59。
防御率に難点はあるが、勝ち試合が点いているということは、要所では抑えられているということか?
しかし、このままでは解雇通告は間違いないだろう。
投手事情が酷いマリナーズでなければ、若手にチャンスを与えるとして、マイナー行きは必至である。
野茂にしても、ローズにしても、もうお終いなのだろうか?
残像とは、いやはや厄介な代物のようだ。
posted by Takayuki Kanno |17:04 |
MLB |
コメント(0) |
トラックバック(0)


