2006年11月06日

ビールとフットボールの世界

Footballにビールは似合う。というか、付き物になっている。よくよく考えてみれば、フットボール発祥の地イングランドはビール大国。このお国では、エールというタイプのビールが主流である。日本で手に入るものでいえば、ブラウンエールやインディアンペールエールというビールがあるが、日本でいうところのいわゆる”ビール”とはかなり違うので、好みは真っ二つに分かれるだろう。
ビールについての話はさておき、スポーツバーやパブに行くと、大抵大画面にはフットボール(サッカー)や野球の試合が流れている。そしてほぼ皆、手にはパイントグラスや瓶に入っているビールを持っている姿が目に付く。

このスポーツとビール、或いは酒場の関係の発祥は何なのか?今マイブームのAustralian Footballについて調べていると、酒とスポーツの関係に関する記載を発見した。


試合後にはビールがよく似合う

以前もこのブログでAustralian Football(以下AFL)について書いたことがあったが、このスポーツは今でこそ荒々しく、非常に男性的な豪州の国民スポーツになっているが、発祥はそれとは違っていた。
オーストラリアはイギリスから独立してまだ240年余り。まだ歴史の浅い国ではあるが、オーストラリアで生まれた白人の祖先のほとんどがイギリス地方からの移民であった。当時も今も、イギリスではフットボールが流行しており、移民達の間でも、自分たちの文化を新しい土地に持ち込み、祖国を懐かしんで楽しんでいたのだろう。ちょうどブラジルに移民した日本人達がお手玉や折り紙を持ち込んだように。

AFLは名前の通り、フットボールの一種ではある。そもそも元祖はイギリス式フットボールであった。それが時間と共にオリジナルのルールで作り変えられていった。当初の目的はただの昼休みの暇つぶし。ゴールなんていう気の利いたものは無く、「あそこになってる大きな木をゴールにしよう」なんていう約束事程度のものだったらしい。それが段々と人を通じて規模が広がり、1800年代前半には、主に労働階級者達の間で広まっていった。
その流れとして、会社間、或いは州間でのスポーツ交流が始まった。勝利ということが何よりも重要なこととされる現代スポーツではあるが、当時のAFLでは、勝ち負けよりも地域交流が目的とされていた為、皆和気藹藹(わきあいあい)とした雰囲気で、試合後はノーサイド。交流をより深め合うために、試合後にはホテルやパブでの宴会が常だったという。きっと「cheers!!」なんていう掛け声が広がり、グラスを重ねあって盛大な宴が続けられていたのだろう。

そんな友好的だったAFLにも変革の時が訪れる。1660年代に入り、ルールの一部が改正になり、ラフプレーが容認されることとなった。この為、一時期は体格で勝るチームが一番強いという理屈が成り立ってしまい、皆大柄な男を集めるようになった。その後は敏捷性の強いプレーヤーの台頭でプレースタイルにも幅が出るようになったこのスポーツだが、おそらく勝利至上になってからはチーム間での交友ということはなくなったのだろう。ここからは推測ではあるが、パブではその地域の人間が集まって試合観戦しながらビールを飲み、相手チームに野次を飛ばし、自チームに喝采と批判を浴びせる。交流という形は去ってしまったものの、ビール&フットボールという繋がりだけは残ったのではないだろうか?元を辿ればイングランドのフットボール文化であるのだから、ビールを飲みながらサッカー観戦。興奮してケンカ。こんな風になってしまったと言っても言い過ぎではない気もする。

ビールという項目だけに見るフットボールという競技のバックグラウンド。確実に歴史が存在し、歴史を作ったものは人でありビールであるということが、お国の特徴なのかもしれない。我々日本人でいうところの酒とスポーツということなのだろうが、スポーツにはやはりビールの方が合う。

posted by Takayuki Kanno |09:21 | AFL | コメント(0) | トラックバック(0)
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