2006年10月10日

挑戦者 斉藤隆はどこへ行く

以前、このブログでL.A ドジャースの斉藤隆投手について書かせていただいたことがある。その時は「オールドルーキー」という実話を元にした映画の主人公、ジム・モリスになぞらえて紹介した。両者共に30代半ばからのメジャーリーグ挑戦。斉藤投手には日本での実績もあったので、一高校教師からテスト入団でメジャーのマウンドを掴んだモリスと比較することがおかしいのかもしれないが、同じ歳で兆戦したことや、一躍時の人になった、という点で共通項があると考えた。

今季24セーブ、防御率2.07。メジャーのクローザーでココまで安定している投手は数少ない。どれだけ斉藤投手が、今シーズンのドジャースポストシーズン出場の足がかりを作ってきたかは、周知の事実だ。地元でも人気選手になりつつあるようで、ドジャースタジアムの大型スクリーンには、斉藤投手のガッツポーズの姿が映し出されることも多いと聞く。

当然のように、来年もアメリカで野球を、ということになると思っていたが、当の本人からすると、来期の予定はまだ白紙という。


何を目標としてきたか

元々は一試合でも良いからメジャーのマウンドに立ちたい、という思いだけで家族を説得し、渡米に踏み切った。開幕こそマイナースタートだったものの、4月後半からメジャーに定着し、首脳陣からの信頼を勝ち得、チームの勝ち星請負人となった。ここに気持ちのズレが生じているとしてもおかしくはないのではないだろうか?

モチベーションの消失。こう言い換えられるかもしれない。一シーズンを終え、自分の目標だったメジャーリーグ登板を叶えることが出来た。チームも、敗れたはしたが見事にプレーオフ進出。一年目でここまで経験できる選手もそうはいないだろう。一つ事が終わり、また次の事が始まる。どんな職業にも、もっと言ってしまえば誰の人生にも言えるこの句読点のつけ方だが、プロスポーツ選手のそれは異なる。一年の約半分を準備と休養に充て、残りの半年をシーズンに費やす。これを何年も当たり前のように続けているのがプロスポーツ選手だと私は考える。人によってモチベーションを維持・向上させる手立ては違うだろう。ある選手は契約の為、ある選手は名誉の為、またある選手は野球を純粋に出来るだけ長くしていたいという目標の為。それぞれ違いはあるだろうが、短期間のオンとオフを使い分けるには、それ相応の物が必用なことは間違いない。

the end og the beginning

話は斉藤投手に戻る。彼の次なる目標は何なのか?ワールドシリーズ出場、あるいは制覇なのか。それともメジャーでタイトル獲得なのか。お金や名誉で渡米したわけではないので、金銭的な部分で問題になることはないだろうと思う。「まずは球団の評価を見てから決める」というコメントを読んだ限り、金銭的な部分も、契約期間ということにもこだわっていないような気がしてならない。これまで想像できていなかった自分が今季はいて、夢物語のようだった来期の話が出てきている。それも手の届かないと思っていたメジャー側から。

「しばらくゆっくりしてから考えたい。」これは本心だろう。始まった瞬間に終わりも存在し、終わった直後から始まる次なる章。end of the beginning。
斉藤隆の次なる物語は何なのか?

是非、時間をかけて考えていただきたいと思う。今シーズン、お疲れさまでした。

注)文中敬称略

posted by Takayuki Kanno |09:19 | MLB | コメント(0) | トラックバック(0)
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