2006年09月05日
K-1 Max世界王者対抗戦レポ-その1
K-1World Maxのレベルは本当に高い。昨日行われた世界王者対抗戦では、ほぼ全試合が非常に質の高い、見ていてわかりやすい試合で、退屈せずにすんだ。レベルが拮抗しているもの同士の対戦には、膠着や、なんとも悪い意味で間がある試合になることが多い中、Maxでは前に前にと、自らリスクを負ってでも自分の闘いをする選手が多い。プロフェッショナリズムに富んだファイターが揃っているという証にもなることだと思う。
そんな好試合連発だった今年のMax最終戦を、不定期ではあるかもしれないが、筆者が個人的に良かったと思った試合についてレポートさせていただく。
まずは、アンディ・オロゴンvs安廣一哉について。
最強の初心者vs正道突貫ファイター
試合前から話題ばかり先行。昨日のテレビ放送でも、”最強の初心者”と煽られていた。話題に上ることは、兄ボビー・オロゴンの言動ばかり。主役であるべきはずのアンディの実力は如何なものなのか?という疑問がずっとあった。K-1の規定路線になりつつある、パフォーマンス参戦で終わるんではないか。いやいや、ボビーの身体能力を見れば、弟だって良い試合をするはずだ。そんな声も、専門誌にはあった。
筆者の戦前の予想は、安廣の2ラウンドKO勝利であった。Maxでもテクニック、気持ちの強さ共に指折りの安廣相手では、格闘技デビュー戦のアンディには荷が重過ぎると思ったからだ。しかし、安廣にとってもやり辛さはあったのではないかと思う。正道会館の猛者が、アマチュアでも試合をしたことのない人間と試合をしなければならない。勝利はもちろんのこと、圧勝が義務付けられる。そんな空気がリングの外にも中にも満ちていた。
試合展開は、意外というか、非常に手が合うものだった。常にステップを踏み続け、外と内の出入りが速く、ローキックから試合を組み立てようとする安廣と、どっしりと構え、前蹴りとミドルキックで自分のリーチの利を活かそうとするアンディ。1R序盤の攻防で、筆者には典型的な空手vsムエタイの図式に見えた。
解説の畑山隆則も言っていたが、アンディのストレート系のパンチは最短距離で相手に当たる、いわゆる”ノーモーション”のパンチで、破壊力も見て取れるもので、言葉は悪いがインチキ参戦でないことはわかった。安廣のペースで終始試合は進んだが、3Rに入ると、安廣の前腕部が赤黒く腫れ上がっていたのがテレビを通してもわかった。それだけアンディのミドルキックの威力があったということだ。それに、カウンター攻撃を当て始めたのも3Rだった。アンディのセンスが光った場面はかなりあった。結果は、3R判定で安廣の勝ち。妥当な結果ではあったものの、兄とは違って、ちゃんとファイターだったアンディ。再びMaxのリングに上がる事は間違いないだろう。
まだまだ伸び白があるアンディには、これから期待したいと思う。あくまでも個人的な意見だが、上下のコンビネーション、特にローキックの使い方、そして左右のフック系のパンチにも磨きをかけてみてはどうかと思う。前蹴りと、ミドルに関しては○。攻めへの意識は△。カウンターを狙うだけでなく、常に自分からファーストコンタクトを決めてもらいたい。
次戦次第だろうが、Max日本代表トーナメント出場も有り得る逸材だけに、精進してもらいたい。K-1もTBSも、もう、兄ボビーを話題づくりに使う必要は無いことがわかったのではないだろうか。
※文中敬称略
posted by Takayuki Kanno |10:19 |
K-1 |
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