2006年07月21日
シアトルに走った衝撃--SuperSonicsの移転問題
地方中枢都市に欠かせないものは、自然と娯楽である。大都市には無い魅力として、自然と街並みとの共存という選択肢の他、市民が一体になれる地元プロスポーツは外せない。地元にプロスポーツチームが誕生すると聞いて嫌な顔をするのは、スタジアム近隣の住民くらいなものだろう。近鉄とオリックスの合併に揺れた辺りから急速に叫ばれるようになったスローガン、地域密着。この地域密着はファッションではなく、本当に地元の住民が欲する事を、行政と住民が一体となって作り上げていくことを示す。そこに温度差が生まれれば何もかもが失敗する。
シアトルとスポーツは二つで一つ
アメリカワシントン州、シアトル。西海岸でも中都市として位置づけられている、今ではイチローの活躍によって日本人にも馴染み深い町だ。先日、NBAシアトルスーパーソニックス、WNBAシアトルストームのチーム売却が報道された。新しいオーナーはアメリカ中部地方、オクラホマ州のプロバスケットボールクラブLLC。シアトルという街は決して娯楽に長けた街ではない。休みの日の楽しみと言えば、映画、MLB、NBA、NHL、或いはキャンプ等になる。季節毎に各スポーツが楽しめるので、スポーツが好きな人は確実に好きになる。また、大都市の喧騒が嫌い、だけど田舎は嫌、という人にも丁度良いサイズの都市である。
そのシアトルの娯楽の一つであるNBAチームが、シアトルを離れる事になるかもしれないという。シアトルスーパーソニックス(以下ソニックス)は、1967年よりNBAに参加し、1979年にはチャンピオンにも輝いたことのある老舗チームの一つだ。地元での人気も上々で、ホームスタジアムであるKey Arenaは、週末の試合には地元ファンで満員になる。筆者もシアトル在住の時には、冬場に何度も通ったものだった。
移転、合併に伴う痛み
売却の理由は、1994年に行った本拠地改装に伴う負債ということだ。新オーナー曰く「シアトルの行政が新しいアリーナを建設するか、既存のKey Arenaの修復工事に努めれば、本拠地移転の話は白紙に出来るかもしれない。」とのこと。ならば、今こそ行政が立ち上がる時ではないのだろうか?
もし仮にオクラホマに移転になったとしても、オクラホマでも扱いが困るのではないか。地元発のチームでもないし、さして特別強いチームというわけでもない。愛着も無い。優勝の見込みも今シーズンは無い。こんな状況で誰が応援に足を運ぶというのか。これはまさに、2年前のバッファローズとオリックスの合併問題の際に起こった市民感情と同じである。純近鉄・オリックスのファンの大多数は、自分が愛して止まなかったチームがなくなったことで野球からは離れていったのではないだろうか。
Before making a decision
間違いなくシアトルの人々は、NO!と行政に訴えるであろう。果たして行政は一体如何なる対応をするのか。シアトルを第2の故郷に思っている筆者としても、今回の、地元ファンを蔑ろにし、行政と新オーナーの利潤がメインの移転にはNO!!である。
行政と経営側には、決断を下す前に、シアトルの熱を感じてもらいたい。
posted by Takayuki Kanno |20:28 |
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