2008年05月02日
フィオレンティーナ 決勝への挑戦
先だって行われたチャンピオンズの方ではマンチェスターユナイテッドとチェルシーが共に勝ち進み、史上初の英国勢同士のファイナルを実現。プレミア優位の図式を揺るぎないものとした象徴的な年ですが、来季の各リーグからより競争力を持ったチームが出てくることを願います。 そして今朝はUEFAカップの準決勝セカンドレグも開催されました。なんと圧倒的優位が囁かれたドイツのバイエルンはロシアのゼニトに0-4の完敗。続いて行われたフィオレンティーナはホームでレンジャーズを破ることが出来たでしょうか? ファーストレグの結果はスコットランドでの0-0というスコア。 フィオレンティーナの勝ち抜け条件は勝利あるのみ。 フィオレンティーナ 先発メンバー GK:フレイ DF:ヨルゲンセン、ガンベリーニ、ウィファルシ、ゴッビ MF:リヴェラーニ、モントリーヴォ、ドナデル FW:サンターナ、ムトゥ、ヴィエリ レンジャーズ 先発メンバー GK:アレクサンダー DF:ブロードフット、クエジャール、ウィア、パパツ MF:ウィテカー、エムダニ、ファーガソン、デイヴィス、トムソン FW:ダルシュビーユ 前半 変わらない構図 アイブロックスでの第一戦ではアウェーにも関わらずフィオレンティーナが圧倒。レンジャーズはファーガソンが出場停止ということもあってか守りきることだけを考えていた。そして迎えた勝負のセカンドレグ。レンジャーズは1点を獲ることが出来れば俄然有利となるが、リスクは絶対に犯さない戦いを予想通り選択。ダルシュビーユだけを前線に残して徹底的にヴィオラの攻撃を跳ね返し続けた。 フィオレンティーナは最終ラインの4人がハーフウェーラインに近づくまで極端に全体を押し上げ、ダイレクトのワンツーパスで強固なディフェンスの裏を突く攻撃。特に28分のモントリーヴォの折り返しをサンターナがヒールで送るもわずかにパッツィーニに届かなかった場面や、30分のリヴェラーニのFKからムトゥが合わせたシーンはゴールに大きく近づいた。しかしレンジャーズはシュートを0本に抑えながらゴール前を固め続け前半をしのぎ切ることに成功する。(前半43分にはドナデルが接触で負傷し、クズマノヴィッチと交代した) 後半 さらに増す圧力 ゴールを失っては2点が絶対に必要となるフィオレンティーナ。レンジャーズの攻撃は皆無に等しく全く脅威とはなっていなかったため、相手のハーフに8人ほど人数をかけ 攻撃の厚みを増してプレッシャーを強める。さらにプレースピードも上がり本気モードに。試合を完全に支配し、両サイドバックのゴッビとヨルゲンセンが積極的に攻撃参加。サイドからのクロスやモントリーヴォのミドルシュートでゴールに迫るもなかなか得点を上げることが出来ない。対するレンジャーズは前線のダルシュビーユの個人突破に望みを託すも、この日非常に強固だったガンベリーニの前に沈黙。結局65分にクザンと交代した。 時間が経ってもフィオレンティーナの優位は揺るぎないものだったが、徐々に焦りがホームチームに生まれる。77分に最終ラインのウィファルシが犯したクリアミスを逃さずダイヴィスがシュート。これがこの日初めてのレンジャーズのシュートだった。プランデッリ監督は流れが変わりそうだったこのタイミングでパッツィーニを下げ、ヴィエリを投入。勝負に出る。 直後にフィオレンティーナにビッグチャンス。セットプレーにガンベリーニがヘッドで合わせたボールにヴィエリがわずかに届かず、ウィテカーがクリア。フィオレンティーナはクロスを上げ続け、シュートを打ち続けてもなかなかレンジャーズのゴールを割ることが出来ない。そこでまたミスが生まれてしまう。最初に与えたチャンスと同じように今度はゴッビがボールクリアを誤りプレゼント。ウィテカーに左足で巻いた良いシュートを打たせてしまった。これはフレイがジャンプしてなんとか跳ね返し難を逃れる。 結局最後までレンジャーズは崩れず、タイムアップの笛が鳴った。180分で0-0のまま試合は延長戦へと進む。 延長戦 詰めの甘さ 延長戦の口火を切ったのはヴィエリ。スルーパスに抜け出し左足で強烈なシュートを放ったが、これはサイドネットに引っかかってしまった。プランデッリ監督は94分にサンターナを下げてセミオーリを投入。最後のカードを切った。 ムトゥ、ヴィエリ、クズマノヴィッチ、モントリーヴォ、ヨルゲンセン・・・何度も何度も攻撃を仕掛けるも最後にわずかなズレが生じたり、シュートを打ち上げてしまったりしてしまう。先制点さえ獲れば、という展開は195分間変わらない。(109分にはフラストレーションを溜めていた途中出場のクザンがリヴェラーニに頭突きを見舞い、この日二枚目のイエローカードで退場した) そしてラストの延長後半戦が始まる。今度はレンジャーズにビッグチャンスが訪れた。レンジャーズのコーナーキックにフレイが飛び出し処理しようとするも、目測を誤りノヴォにボールが渡ってしまう。ノヴォは当たりそこないのようになってしまったが、ボールはフィオレンティーナゴールへ。しかしフレイが驚異的な反応で弾き出し自らミスを帳消しとした。 このピンチに再び目を覚ましたヴィオラ。118分にはセミオーリのクロスにムトゥが完璧に頭で合わせ地面に叩きつけたが、バウンドしたボールは強すぎてゴールの枠を超えてしまった。その1分後にもヴィエリが決定機を迎えるも枠を捉えられず。結局210分を戦ったこの両者の戦いでゴールは生まれなかった。 PK戦 残酷な運命 先行はレンジャーズ。ファーガソンのキックは左上を狙った強烈なシュートだったが、フレイがダイビングセーブ!燃え上がるアルテミオ・フランキ。 ヴィオラ1人目は若いクズマノヴィッチ。ゴール左下を確実に射抜いた。これでホームチームにアドバンテージ。 レンジャーズ2人目。ウィテカー。中央上方に落ち着いて決め、1-1。 フィオレンティーナ2人目はモントリーヴォ。こちらもど真ん中にシュートを打ち込んだ。 3人目のキッカーはパパツ。真ん中やや右の中途半端位置にゆっくりと蹴ったボールがフレイの意表を突き難なくレンジャーズ2本目の成功。 フィオレンティーナの3人目はリヴェラーニ。ゴール右下の隅を狙った完璧なボールを蹴りこむも、GKアレクサンダーは完全にコースを読みビッグセーブ…。これで2-2のタイ。 レンジャーズ4人目。エムダニは左下にゴロで流し込み、初めてレンジャーズがリードを奪う。 次のキッカーはこの日あまり良い所のなかったヴィエリ。ボールをセットしてすぐにシュートを放ったが大きく打ち上げてしまった…。 レンジャーズ5人目はノヴォ。フレイの逆を突くゴールをあっさり決めてこれで決勝進出決定!耐え切ったレンジャーズがゼニトとカップを争うこととなり、フィオレンティーナは準決勝で姿を消すこととなってしまった。 フィオレンティーナ 0-0(2PK4) レンジャーズ 総評 アンチフットボールの勝利 210分間試合を支配したフィオレンティーナ。カウンターすらままならなかったレンジャーズ。決勝に進出したのは後者でした。 僕は美しく敗れたフットボールがフットボールを放棄したフットボールよりも評価されるとは考えていません。レンジャーズは力の差を理解したうえで、彼らにやれることをやったのです。フィオレンティーナはフィニッシュの場面で雑さが目立ち、結局枠内シュートは同数という結果に終わっています。ムトゥのシュートがレンジャーズディフェンスの大きく上げた腕に当たるも笛は鳴らず、といった場面もありました。それでもルールに則ってレンジャーズは勝利を収めましたし、けっして値しない決勝進出ではありません。 とは言っても積極的にゴールを狙い続けたフィオレンティーナにとっては、あまりに可哀相な結果と思えてなりません。プランデッリ監督の下でチームが一丸となり、若手とベテランがうまく融合していたチームでした。決勝でその雄姿を見たかったものです。しかし最後まで堂々たる戦いぶりを見せてくれたフィオレンティーナに僕は拍手を送ります。 フィオレンティーナ チーム・スタッツ ボール支配率:58% 枠内/シュート:3/29 ファウル:16 イエローカード:0 レッドカード:0 成功/パス:477/557 レンジャーズ チーム・スタッツ ボール支配率:42% 枠内/シュート:3/7 ファウル:31 イエローカード:4(トムソン、ウィア、クザン、クザン) レッドカード:1(クザン) 成功/パス:288/343
posted by 三四郎 |10:37 |
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