2008年05月22日

さっぱりして出てきた高田監督

 交流戦、埼玉西武対東京ヤクルト取材で西武ドームへ。
 
 試合は去年までヤクルトに在籍した西武先発の石井一に注目が集まったが、ヤクルト打線が要所で着実に得点し、5−4で勝利したのだが、試合終了後、ヤクルト高田監督がわれわれ取材陣の前になかなか姿を現してくれない。
 
 そうこうしている打ちに締め切りが迫る…。どうしたのだろう…。

 と、思っているところに、高田監督が姿を現した。しかもユニフォームではなく、私服で。

「ああ、先に話したほうがよかったね」。

 監督はゆったりとした、穏やかな口調で言った。パリーグ首位のチームを破り、シャワーも浴びて「さっぱり」と言った風情だ。 

 通常、どの球団の監督も試合終了後すぐ、まず記者に試合のコメントをするのだが、普段は来ない西武ドームでの試合ということもあって勝手が違うからか、監督はいつもの“段取り”を若干変えてしまったようだ。


     *    *    *   *   *   *
 
 この日の始球式はなんと西武の渡辺監督がマウンドに上がり、ヤクルトの飯田コーチと「真剣」勝負をするというものだった。

 正直、先日の福岡ソフトバンク対北海道に本ハムの試合で、新庄氏と日ハムの森本選手が同じく「真剣」勝負するという始球式があったから、インパクトは弱冠弱かったかもしれない。
 
 だが、往年のファンからすればなんとも懐かしい姿だった。渡辺監督は80年代から90年代にかけての西武の黄金時代の中心選手だった。一方で、飯田コーチも弱小と呼ばれたヤクルトの優勝に貢献した名センターだった。

 そんな2人が今は監督、コーチとなったわけだが、当時を知る者としてはこの日の始球式はそのときのイメージを思い起こさせるものだった。

 筆者は子どものころ渡辺「選手」の投球フォームを真似、そしてその少しあとには飯田「選手」のセンターからのスローイングを参考にしたものである。

 さて、この「真剣」勝負の始球式、飯田コーチが渡辺監督の投じた2球目を鋭く叩きレフト前ヒットとして幕を閉じた。

 この勝負が影響してかどうかわからないが、本番の試合自体もヤクルトが勝利した。こんな一風変わった始球式も、交流戦が始まったのだと感じさせた。




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2008年05月14日

末恐ろしきルーキー 千葉ロッテ・唐川

 本日は東京ドームへ千葉ロッテ対北海道日本ハムの取材へ。
 今日の主役は文句なしに千葉ロッテの先発・唐川だった。
 唐川は、19歳だというのに落ち着いたピッチングで日ハム打線を手玉にとった。開幕直後には、福岡ソフトバンクの大場が同じくルーキーとして注目を集めたが、この唐川からも目が離せなくなりつつある。
 150キロの直球を持つ大場と比べて、唐川の直球はスピードガン上では140キロ前後とさほど早くないのだが、その数字以上に球にキレがあるというのが味方や他球団の選手の印象だ。この日マスクをかぶった金澤は唐川のキレを指して、「三振を取れるピッチャー」を言っていたが、今の日本のプロ野球で、140キロ程度の速球で三振が獲れる右投手はそうそういない。
 直球以外の球種としてはカーブ、スライダー、フォーク、チェンジアップがあるが、そのどれもが超一級品というわけではない。だがキレのある直球がおそらく効いているのだろう、打者はどうしても的を絞れないようだ。
 また、話を聞いていると精神的なタフさも感じる。当人が「一軍では通用しないと思った」というチェンジアップを稲葉に本塁打されたが、次の打席では捕手のサインに首を振って再びチェンジアップを投じるという大胆さも見せた。
 もちろん、プロの世界はそんなに甘くないだろう。これから研究されると簡単には打ち取れなくなるかもしれない。それでも、球持ちの長さから来る直球のキレとメンタルの強さという二本軸で、唐川は勝ちをおさめていくのではないかと思う。

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2008年05月11日

日本のバスケ界の将来を担うのは……

 先日のbjリーグファイナル後に行われた会見で、来季から同リーグに加わる浜松・東三河フェニックスの中村和雄ヘッドコーチがこんなことを言っていた。

「彼ら(JBLでプレイする日本人選手)からすれば、彼ら(外人)と一緒にやると出番がなくなるんじゃないかと。bjの外人のほうがパワーもあるし経験もあるから。でも、彼らとやりあってやっつけないかぎりは、日本(のバスケ界)はないと思うんですよ。どっかで、誰かが冒険して入ってこないかぎり、僕はないと思うんですよ。だって、今度中国がオリンピック予選に出てきたら、すくなくとも俺の目の黒いうちは五輪は難しい。そうなるとどうやればいけないか考えないといけない。それは五輪出るために強化を考えるんじゃなくて、日本のバスケを盛んにするには何をすべきかと考えると、それはこのbjのお客さんのなかでどうやって盛り上がるかを考えることで、方向付けがはっきりするんじゃないかと思うんですよ」。

 本当にそう思う。ここ10年ほどで世界全体のバスケのレベルアップと比べると、日本のレベルはとてもではないが上がったとはいいがたいのではないだろうか。それは世界選手権での結果やアジア選手権での成績を見れば明白だろう。
 だが、現状の、特にJBLの状況を見れば国際舞台での競争力を上げるのは至極難しいと言わざるを得ない。
 bjリーグへの移籍の可能性もあるのではないかと言われたある選手は外国人の制限のない同リーグをさして、「外国人のプレイばかりで面白いと思わない」というようなことを言った。
 しかしJBLのことを言えばこうも言えまいか、「JBLは日本人ばかりで面白くない」と。しかも、来季からJBLはこれまでのオンザコート2からオンザコート1、つまり外国人選手がコート上に立てる人数はたったの1人になってしまう。その傾向はますます強まるということだ。

 やはりbjリーグに批判的な知人は、bjリーグの外国人はJBの外国人選手よりレベルが低い、とも言う。だがはっきり言って、ほとんどのファンにその差はわからない。そんな比較も、コート上にたった一人しか外国人が立たないのなら意味がないだろう。

 中村ヘッドはこう言った、

 「ぼくは長くバスケをやってるけども、僕らのやるバスケ(JBL)はバスケをやっている人か、あるいは会社の人が見に来るんですよ。bjはバスケは関係のない人が見に来るんですよ。子どもとか。で、どっちが多いかといえば、そっちのほうが多いにきまってるんですよね。バスケをやってるひとよりもやってない人のほうが多いから」。

 ある意味、灯台下暗し、といった感じだが、そう、バスケを見に来る人のほとんどはバスケをプレイしないのだ。だからどっちのリーグのレベルがどうのこうのということはさして問題ではない。むしろ問題というか大事なのは、どこのバスケが面白いか、ということになる。
 ではあまりバスケを知らない人が企業名のついたチームの応援に来たいかと言えば、なかなか足を運びにくいだろう。

 それに、外国人に話を戻せば、レベルが低いと言っても日本人よりはレベルが高い(身体的優位も含めて)。
 実践こそが最高の練習の場だと考えれば、屈強で身体能力の高い外国人(とくにアメリカ人)に囲まれてプレーできるbjリーグのほうが、日本のバスケの未来を担っているようにも思える。
 もちろん、今すぐに日本代表レベルの選手が出てくるわけではないだろうが、日本バスケ協会やJBLが今のように窮屈な環境しか生み出せないのならば、そう遠くない将来によりレベルの高い日本人選手が出てくるのではないだろうか。

 冒頭に出した、bjリーグファイナル。舞台となった有明コロシアムの雰囲気は数年前の日本では考えられないような素晴らしい空間があった。すり鉢状のアリーナに、コートの真上に設置されたNBAのような得点板、リプレイ等を流す映像スクリーン、コートサイドとスタンド上部の電光広告板、etc....。ファンは企業名ではなく、「東京」「大阪」と、フランチャイズの名前で応援する。
 3年にしてこれだけのステージを創り出した同リーグは、もはや無視できない存在になった。

I've experienced the emotions at the game, cheerleaders cheering for both team cheering, and just watching the fans, from all the different clubs, getting excited about the teams -- this is a wonderful experience. I don't see this in many other countries, outside the NBA, and we're doing this here in Japan thanks to Mr. Kawachi and his vision for the bj-league. (ファイナルではみんなが本当に興奮しているのを感じたし、チアリーダーが互いのチームも応援したり、あとはファンを見ていても自分たちのチームを本当に熱心に応援する―—こんな後継はNBA以外でお目にかかることはまずできないが、それがここ日本で見られるのは、河内コミッショナーと彼のbjリーグに対するビジョンのおかげだ)

 これは、フェニックスとともに来季参戦する滋賀レイクスターズのロバート・ピアースヘッドコーチのコメントだ。同氏も以前、JBLの日立サンロッカーズのヘッドコーチをしていたからJBLとbjリーグの比較ができる人なのだが、bjの理念と将来性を買って同職に就いたというところだろう。

 前JBLのフェニックスがbjに転籍してきたり、元JBLコーチのピアース氏がコーチに就いたりと、また新たな動きを見せるbj。いずれトップクラスのJBLの選手が移ってくるのではないか。

 たしかに、JBLとbjのレベルの違いがわかる人はいる。だがそれは全体からしたら割合は多くはない。それに、アジアで8位に終わる日本の現状で、「どっちのレベルが高い」を張り合ってもむなしいし、井の中のナントカ、というものではないか。

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2008年05月08日

ダルビッシュ 今季初の敗戦

 7日の西武戦、日ハムのダルビッシュが今季初の敗戦―しかもサヨナラーを喫したが、どうも本調子ではなかったように思えた。
 僕はキャッチャー後方の記者席という“特等席”から見ることができたのだが、なんというか、結果論ではなく、試合全体を通じて集中力に欠けていたように感じた。2回に与えた中村への0−3からの本塁打や5回の細川への本塁打はいずれも不用意なボールで、調子のいいときのダルビッシュには考えられないようなボールだった。
 少し風邪気味だったというからベストのコンディションでなかったのは明らかだが、日ハムとしては3タテだけはどうしても避けたかっただろうし、これ以上西武にゲーム差を広げられたくなかっただけに、ここでエースのダルビッシュで負けたのは大きかった。
 ダルビッシュは、今回もそうだったが毎回登板するときはほぼいつも完投する。ちょうど今頃は少し疲れがでるころなのかもしれない。今回は今季ワーストの4失点、前回4月30日の千葉ロッテ戦では3失点とややスローダウンしている。この2試合で2本塁打ずつ許しているのもダルビッシュらしくない。
 ロッテ戦も西武戦も適地での試合だったが、アウェーでも勝てるのがエースだし、クライマックスシリーズを見据えると札幌ドーム以外でも勝てるようでないと、苦しくなる。
 また、毎試合で完投するというのもどうなのだろうか。今はよくてもシーズン終盤に疲れが襲ってこないだろうか。実際7日の試合でも、150キロは出ていても思い切り投げている感があって体が開き気味に感じられたし、スライダーもいつもほどのキレではなかった。
 日ハムには武田久、マイケルという絶対的な中継ぎ、抑えがいるが、ダルビッシュが完投するのは登板機会の多い彼らを休ませるためという意味もある。だが、それでダルビッシュ自身の調子が崩れては元も子もない。
 あいにくダルビッシュ以外の先発の調子がそれほどよくないし、武田勝が先日のロッテ戦の試合前に指を骨折するというアクシデントもあって、ハムの投手事情が極端に好転するとは考えにくい。これからもダルビッシュにかかる負担は大きい。
 7日の試合はダルビッシュ攻略のヒントを与えた試合でもあった。西武の渡辺監督は選手に「ボール球になる変化球を振らず、ストレートを待て」という指示を出した。たしかに、ボールになる球を振るよりは、たとえ豪速球でもストライクを振るほうが当然ヒットになる確率は高くなる。ある意味、当たり前のことを西武は実践したということだ。
 ただし、体調等が万全であればダルビッシュを打ち崩すのはやはり難しい。本当にキレのあるボールを投げるときは渡辺監督の言う「ボールになる変化球」も振らされてしまうからだ。またストレートもほとんど低く抑えられるので長打されることも少ない。
 となれば、ダルビッシュについての懸念はやはり疲労ということになる。月間MVPを受賞した4月のような調子はすぐに戻るだろうか。

 
 

posted by southernmiss |13:03 | トラックバック(0)
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