2008年05月11日

日本のバスケ界の将来を担うのは……

 先日のbjリーグファイナル後に行われた会見で、来季から同リーグに加わる浜松・東三河フェニックスの中村和雄ヘッドコーチがこんなことを言っていた。

「彼ら(JBLでプレイする日本人選手)からすれば、彼ら(外人)と一緒にやると出番がなくなるんじゃないかと。bjの外人のほうがパワーもあるし経験もあるから。でも、彼らとやりあってやっつけないかぎりは、日本(のバスケ界)はないと思うんですよ。どっかで、誰かが冒険して入ってこないかぎり、僕はないと思うんですよ。だって、今度中国がオリンピック予選に出てきたら、すくなくとも俺の目の黒いうちは五輪は難しい。そうなるとどうやればいけないか考えないといけない。それは五輪出るために強化を考えるんじゃなくて、日本のバスケを盛んにするには何をすべきかと考えると、それはこのbjのお客さんのなかでどうやって盛り上がるかを考えることで、方向付けがはっきりするんじゃないかと思うんですよ」。

 本当にそう思う。ここ10年ほどで世界全体のバスケのレベルアップと比べると、日本のレベルはとてもではないが上がったとはいいがたいのではないだろうか。それは世界選手権での結果やアジア選手権での成績を見れば明白だろう。
 だが、現状の、特にJBLの状況を見れば国際舞台での競争力を上げるのは至極難しいと言わざるを得ない。
 bjリーグへの移籍の可能性もあるのではないかと言われたある選手は外国人の制限のない同リーグをさして、「外国人のプレイばかりで面白いと思わない」というようなことを言った。
 しかしJBLのことを言えばこうも言えまいか、「JBLは日本人ばかりで面白くない」と。しかも、来季からJBLはこれまでのオンザコート2からオンザコート1、つまり外国人選手がコート上に立てる人数はたったの1人になってしまう。その傾向はますます強まるということだ。

 やはりbjリーグに批判的な知人は、bjリーグの外国人はJBの外国人選手よりレベルが低い、とも言う。だがはっきり言って、ほとんどのファンにその差はわからない。そんな比較も、コート上にたった一人しか外国人が立たないのなら意味がないだろう。

 中村ヘッドはこう言った、

 「ぼくは長くバスケをやってるけども、僕らのやるバスケ(JBL)はバスケをやっている人か、あるいは会社の人が見に来るんですよ。bjはバスケは関係のない人が見に来るんですよ。子どもとか。で、どっちが多いかといえば、そっちのほうが多いにきまってるんですよね。バスケをやってるひとよりもやってない人のほうが多いから」。

 ある意味、灯台下暗し、といった感じだが、そう、バスケを見に来る人のほとんどはバスケをプレイしないのだ。だからどっちのリーグのレベルがどうのこうのということはさして問題ではない。むしろ問題というか大事なのは、どこのバスケが面白いか、ということになる。
 ではあまりバスケを知らない人が企業名のついたチームの応援に来たいかと言えば、なかなか足を運びにくいだろう。

 それに、外国人に話を戻せば、レベルが低いと言っても日本人よりはレベルが高い(身体的優位も含めて)。
 実践こそが最高の練習の場だと考えれば、屈強で身体能力の高い外国人(とくにアメリカ人)に囲まれてプレーできるbjリーグのほうが、日本のバスケの未来を担っているようにも思える。
 もちろん、今すぐに日本代表レベルの選手が出てくるわけではないだろうが、日本バスケ協会やJBLが今のように窮屈な環境しか生み出せないのならば、そう遠くない将来によりレベルの高い日本人選手が出てくるのではないだろうか。

 冒頭に出した、bjリーグファイナル。舞台となった有明コロシアムの雰囲気は数年前の日本では考えられないような素晴らしい空間があった。すり鉢状のアリーナに、コートの真上に設置されたNBAのような得点板、リプレイ等を流す映像スクリーン、コートサイドとスタンド上部の電光広告板、etc....。ファンは企業名ではなく、「東京」「大阪」と、フランチャイズの名前で応援する。
 3年にしてこれだけのステージを創り出した同リーグは、もはや無視できない存在になった。

I've experienced the emotions at the game, cheerleaders cheering for both team cheering, and just watching the fans, from all the different clubs, getting excited about the teams -- this is a wonderful experience. I don't see this in many other countries, outside the NBA, and we're doing this here in Japan thanks to Mr. Kawachi and his vision for the bj-league. (ファイナルではみんなが本当に興奮しているのを感じたし、チアリーダーが互いのチームも応援したり、あとはファンを見ていても自分たちのチームを本当に熱心に応援する―—こんな後継はNBA以外でお目にかかることはまずできないが、それがここ日本で見られるのは、河内コミッショナーと彼のbjリーグに対するビジョンのおかげだ)

 これは、フェニックスとともに来季参戦する滋賀レイクスターズのロバート・ピアースヘッドコーチのコメントだ。同氏も以前、JBLの日立サンロッカーズのヘッドコーチをしていたからJBLとbjリーグの比較ができる人なのだが、bjの理念と将来性を買って同職に就いたというところだろう。

 前JBLのフェニックスがbjに転籍してきたり、元JBLコーチのピアース氏がコーチに就いたりと、また新たな動きを見せるbj。いずれトップクラスのJBLの選手が移ってくるのではないか。

 たしかに、JBLとbjのレベルの違いがわかる人はいる。だがそれは全体からしたら割合は多くはない。それに、アジアで8位に終わる日本の現状で、「どっちのレベルが高い」を張り合ってもむなしいし、井の中のナントカ、というものではないか。

posted by southernmiss |02:25 | トラックバック(0)
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この記事に対するコメント一覧
日本のバスケ界の将来を担うのは……

学校のチームではなくて完全にクラブチーム化にしてより才能のある人材を早いうちに高いレベルでプレーさせるシステムが今の日本にはないですよね。

NBAではなくてユーロリーグをみならってリッキー・ルビオみたいな人材が早くからプロの世界で揉まれて経験をつめる環境が日本にあればいいんですが・・・

一番大事なのはサイズのあるSFとSGを育てること。中学くらいからそういう選手を育てないと身長がでかいってだけでCとかにされてしまって、非常に勿体ないです。

そこらへんのポジが育てば、ある程度DFは捨ててもサンズやウォーリアーズのようなひたすらOFF重視のアプッテンポなゲームが可能になると思います。

そういった意味では元能代工業の加藤監督のスタイルは共感できるし、それにもう少しのサイズを加えれるような育成環境を誰かがしないといけないですね。

posted by 完全クラブチーム化 | 2008-05-11 06:24

日本のバスケ界の将来を担うのは……

間違いない。おっしゃるとーり。新しい会長さんが早くJBLとbjを交流させてくれないかと期待します。ヨーロッパやアルゼンチンはNBAに踏み込んで10年でアメリカに追いついた。まだ日本からNBAには入れないなら、せめて国内の外国人ともっともっと競える環境を作るべきでしょう。その方が絶対盛り上がるし、アジアでの復活も見えてくる。

posted by ミニバスコーチM | 2008-05-11 06:25

日本のバスケ界の将来を担うのは……

なるほど。とても興味深いですね。そう考えるに北海道や栃木のようなJBLのプロチームという存在が最も良い位置づけだと思います。そういう意味では、今回の川村君の選択は的を得ているような気がします。

posted by 日本のバスケファン | 2008-05-11 18:17

日本のバスケ界の将来を担うのは……

とても興味深いお話です. 大変勉強になりました.

ただ,
「ある意味、灯台下暗し、といった感じだが、そう、バスケを見に来る人のほとんどはバスケをプレイしないのだ。だからどっちのリーグのレベルがどうのこうのということはさして問題ではない。」
これは違うんじゃないかと思いました. やはりプレーのレベルはとても重要でしょう.
ただ, お客さんの数も含めて良い環境がレベルの向上をもたらす, ということなんじゃないでしょうか.
今現在 JBL のレベルが bj リーグのレベルを上回っているとしても, bj リーグの環境に JBL を追い抜くことができるだけの潜在力を感じた人達がたくさんいることが JBL から bj リーグへの転籍, 移籍につながっているということではないでしょうか.
と私は思いました.

posted by 通りすがり | 2008-05-11 20:52

Re:日本のバスケ界の将来を担うのは……

そうなんですよね…JBLの言っていることは理想論、机上の空論というか…ていうか、単純にbjのがレベルも高いし、会場の雰囲気もいいですよ、やっぱり。観客にしてもJBLは動員ばっかりだから、純粋にバスケを楽しんでる感じの人が少ないんですよね。
例のファイナルなんか雰囲気は最高ですよ。もし日本のバスケ界全体があの雰囲気になればレベルアップにも繋がると思うんですけど…
いつの日か、bjとJBLが手を結ぶ日を期待したいです。

posted by iv | 2008-05-11 20:56

日本のバスケ界の将来を担うのは……

国際舞台。
この言葉が「NBA」と「代表チームの飛躍」のどちらを指しているのか?これらはイコールじゃないですよね。

bjは個人スキル、1on1の能力が磨かれると思います。
いずれはNBAレベルの選手も出てくるかもしれない。
そう考えるとbjの方が世界舞台=NBAに近い気がします。
しかし、生まれ持った身体能力で劣る日本人が、アメリカ、特に黒人選手と同じスタイルでいいのでしょうか?
そのアメリカですら、最近は世界の頂点に立てていない。

そう考えると 国際舞台=代表チームの飛躍 ではない。

その足りない面をJBLでは培われるのかというと、そうではないのが、悲しい現状ではありますが。。。

ただ、日本代表が目指すスタイルとしては、近いのはJBL所属のチームになるでしょうね。

世界舞台=NBA=ナショナルチーム

こうなる日が来てくれるのでしょうか。

posted by bjに感服しているJBLファン | 2008-05-12 03:16

日本のバスケ界の将来を担うのは……

まったくおっしゃる通りです。レベルうんぬん以前より、bjファイナルの観客動員数の結果がすべてです。職業バスケは観客がいてなんぼです。まだ小さい子供がJBLとbjのレベルの違いなんか分かるわけ無いんだから、盛り上がって楽しいバスケを見て、バスケをやりたいいう子供が増えてくる方が日本にとってはプラスです。あとbjだとJBLのようなバスケが出来ないという訳ではないと思います。戦術のオプションとして個々の能力を生かしたプレーを選択しているのであって、超ディフェンシブにいけばbjファイナルのような内容的には盛り上がらない試合になってしまう可能性があって、その辺は確か中村監督も指摘していました。NBAの選手でも、NBAでは派手なプレーをして盛り上げていますが、代表となると組織的なバスケをやっています。日本だけがずっと時代に遅れているような気がしているのですが・・。

posted by 三十路 | 2008-05-12 12:22

日本のバスケ界の将来を担うのは……

「JBLは日本人ばかりで面白くない」
「外国人に話を戻せば、レベルが低いと言っても日本人よりはレベルが高い」

自分が優劣つけようとしてない?


「あまりバスケを知らない人が企業名のついたチームの応援に来たいかと言えば、なかなか足を運びにくいだろう。」

そんな事無いでしょ。企業名がついてるかついてないかなんてあんまり重要じゃないと思うよ。大事なのはバスケが面白いかどうかなんでしょ?

posted by nns | 2008-05-12 15:44

日本のバスケ界の将来を担うのは……

難しい問題だと思いますが、bjはバスケ経験のないブースターの獲得やKBLやCBAなどの各国との交流は素晴らしいと思いますし高く評価しています。単純に考えてもチーム数が増えたので日本バスケ界にとってプラスである事は間違いありません。そんなbjを妨げている一部協会の方々は論外です。
ただ個人的に競技レベルを真剣に考えるとJBLの方が上ですし、見ている方としてもJBLの方が面白いのが現状です。
bjは外国人が多いため、毎シーズン入れ替わりも激しくその度にケミストリーの構築やオフェンスやディフェンスのオプションも平凡なものになりオフェンスは1on1主体になりディフェンス軽視のバスケになってしまっています。
チームとしては3連覇の大阪エヴェッサは外国人選手のレベルも高くほぼ入れ替わりもないですから高いレベルでバスケットをしていると思います。
ただ大阪は特別でほとんどのチームが外国人の入れ替わりの度にチームを作り直すという感じですからアメリカの独立リーグを見ている感はいなめません。
だから僕はbjにはチームとしてよりも個人として注目して楽しんでいます。
JBLに関してはチーム数は最低10チーム、試合数も最低45試合は必要です。賛否両論ありますが外国人オンコート1になり勝負所での日本人が絡む機会が増え、日本人インサイドの活躍の場が増え、これまで選手の出てこなかったSFのポジションも台頭してくると思います。逆にインサイドの競争は弱まるため竹内兄弟にはオフにアメリカに行くか欧州の2部リーグへ行けばバスケ界は変わっていきます。それを協会が支援する体制が求められます。逆にNCAAで活躍しているKJ松井や伊藤、更には田臥などが日本に来て当たりの強さなどを示せば自ずと日本にいる選手も海外へといった感じで活性化に繋がっていくと思います。
そういった協力体制が今の日本には必要だしJBLだのbjだのといった話をしていては前には進みません。

posted by CB | 2008-05-12 19:24

日本のバスケ界の将来を担うのは……

批判覚悟でのコメントです。どうにも気になることがあるのですが、JBLとbjのどちらがレベルが上だという話が出てくると、bjはまだまだでJBLの方が完成されているという意見が専らです。ほんとうにそうでしょうか?どうみても日本人といま日本に来ている外国人では、個人能力は外国人の方が圧倒的に上だと思います。JBLでも外国人の出来不出来で成績は変わってきます。JBLとbjを日本人の数を多くして全く同じ条件でやれば、JBLの方が今は勝つでしょう。ただ、お互いのスタイルでやれば外国人の多いbjチームの方が勝つでしょう。とにかく2つをレベル的に比較することはナンセンスだと思います。ただ、外国人プレイヤーに対して日本人プレイヤーの方が平均的に劣っているのは現実です。では、どちらが面白いかは見ている人のそれぞれの好みです。でも、観客動員数は圧倒的にbjというのも事実です。それと、日本人プレイヤーの出場機会の確保の為にオンザコートワンになるのですが、あれは表向きはそういう言い訳していますが、実際は人件費削減です。ほとんどのチームが経営的に苦しいのが現状です。プロ化出来なかったのも、人件費の問題です。日本バスケ界のうんぬんという前にJBLには経営面で大きな爆弾を抱えています。お金を集めるには、バスケ人気を高めてスポンサーにとってバスケを魅力あるものにしなきゃいけないんです。商業的に成功しなければ、実力がうんぬんとかいう以前に、発展はしません。アマチュアチームだけで世界に勝てるほど甘くないと思います。少なくともそれに対して対応しているbjの方が、方向性は正しいと思っています。といっても反発していてもしょうがないので、JBLとbjの協力っていうのが理想でしょうが、JBLの存在自体が危うくなってくるので今の体制のままの協力関係は絶対無理でしょう。もし融合があるとすれば、bjに外国人制限を設けて、サラリーキャップの上限の引き上げ、日本協会公認になった上で、バスケ界のトップにbjのプロ、その下にJBLのアマチュアリーグっていうのが現実的に残された手段なんでしょうが、まぁ無理でしょう。

posted by 三十路 | 2008-05-13 09:58

日本のバスケ界の将来を担うのは……

あーっはっはっはー。これ本当に中村さんのコメントですか?
だとしたら、「どの口で言ってんだ?」と言ってやりたいですよ。

毎年OSGは外人中心のチームに仕上げてきて、オールジャパンのたびに
「うちは外人中心のチームなので(日本人だけでは負けて当然)」、
「アイシンには(帰化選手がいるので)勝てない」などと試合が始まる前から言い訳し、
レギュラーシーズンでは川村や朝山をシューターとしてしか働かせず、
日本人選手たちを飼い殺して、育てることもできなかった人が言うことでしょうか。

笑っちゃいますよ。笑止千万です。

まぁ、OSGが来シーズン日本人選手を多く起用するのであれば話は別ですけどね。
実際は安い外国人選手をたくさん買ってくるんでしょう。
1年目はどうかわかりませんが2年目以降は間違いないでしょうね。
それがわかっているから、みんな出て行くんですよ。

posted by ウォッチャー | 2008-05-13 18:47

日本のバスケ界の将来を担うのは……

>bjはバスケは関係のない人が見に来るんですよ。子どもとか。
>バスケをやってるひとよりもやってない人のほうが多いから
このコメントって暗に、JBLのファンに比べてbjのファンが、バスケを見る目が劣っていると認めているのと同じですね。目の肥えたファンとルールも良くわからないファンの、どちらがリーグのレベルを上げることに貢献するかということを考えると、中村監督の言っていることはこの時点ですでに矛盾してますね。

で、一番びっくりしたのはこの記事を書いている人がプロとして活動していることでした。脱字もあるしてっきり素人が書いているものとばかり思っていたので。書くならこれまでの経緯など、もう少し勉強した方がいいですよ。

posted by 。 | 2008-05-14 23:10

日本のバスケ界の将来を担うのは……

「お金だけがすべてか? -bjリーグプレイオフを終えて-」
(http://www.plus-blog.sportsnavi.com/southernmiss/monthly/200704)
(略)・・・もし見間違いでなければ、OSGの川村卓也選手も22日の決勝日に来場しているのを見た。JBLでは現役選手にbjへの来場を禁止する御触れを出しているというから、これは驚くべきことになる。

以前も、実際には「JBLでは現役選手にbjへの来場を禁止する御触れを出している」などという事実はなかったにも関わらず、噂レベルの情報をあたかも真実のように書かれていましたよね。
この記事は当時けっこう反響を呼んで、JBLの悪役イメージを大いに高める働きをしました。
プロのライターの方の書いたものならば本当だろうと、皆信じてしまいます。
無意識で、御自身の先入観を補完するための情報だけ取り入れていませんか?
プロならば、もう少し慎重に書いていただきたいものです。

posted by nns | 2008-05-15 18:07

日本のバスケ界の将来を担うのは……

なあんだ。何の裏付けも取材も無く記事を書く人だったのですね。

プロフィールから雑誌名を外した方が良いんじゃないですか?

雑誌の記事の信憑性がなくなりそうですから。

posted by へぇ~ | 2008-05-16 02:33