2008年07月05日

「王座」を見て思うこと [立命館vs山梨学院]

Match No.050 2008.6.30
<ホッケー>
第27回全日本大学ホッケー王座決定戦男子準決勝
立命館大学vs山梨学院大学
@長居球技場 
 
ハイペースで年間100試合に向けて突っ走っていましたが、
Jの中断があり、野球以外のスポーツが乏しいこの時節柄もあり、
節目の50試合目をちょっとじらしてみました。
とかいって、アメフトのパールボウルやラグビーの代表戦を、 
行けたのに逃したという情けない男です。
ともあれ節目の試合はちょうど1年の半分となる6月末。そして愛するホッケー。
いいんじゃないでしょうか。 



 
学生王座決定戦は、秋の全日本学生選手権と並んで(だよね?)、
学生日本一を決める大事な大会だ。
準々決勝で慶應を6-0で粉砕した立命館は2年連続の決勝を目指し、
山梨学院大は初優勝を果たした2年前の再現を目指す。
この大会19回の優勝を誇る天理大に決勝で挑むチームを決める戦い。
学生ホッケーを見るのは、4年ぶりかもしれない。
 だから山梨学院は僕にとっては新興勢力なんだけど、いまやすっかり関東の優だ。
春の関東リーグで優勝した山梨だが、
試合は完全に立命館のペース。
 
山梨は全員が自陣に引いてカウンターでチャンスを伺った。
とはいえ、スクープで陣地を稼ぐのが当たり前になってからは、
FWが前線からガツガツプレッシャーをかける戦法はあまり取られなくなったようだ。
 
立命館は(印象としては)7割近いボール保持率を続けながらも点が取れないでいたが、
前半26分、伝統の武器(らしい)ペナルティコーナーから太田のフリックシュート
(おれのときは「プッシュアップ」と呼んでたんだけどな)でついに先制点を挙げた。
ボールをスティックで強く押し出しながら引っ掛けるように浮かせるシュートだ。
 
4月の五輪予選(特にドイツの試合)を岐阜で見たときは、
ホッケーが僕の知っているスポーツからかなり変わっていたとびっくりしたが、
日本の大学ホッケーに関しては驚きはなかった。
確かに個人技レベルは上がったと思う。戦術も変化した。
だが全体的にはあまり変わっていなかった。
 
そういう意味では「世界」に近かったのは、最終予選に2人の代表を送り込んだ
立命館のほうだったかもしれない。
山梨の攻撃が右からの個人技頼みだったのに対し、
中央や左からも攻撃があった立命館は、ライン際に追い込まれる状態は
少なかったように思う。
 
その山梨の「右」。
熊本・小国高校出身の25番北里と、滋賀・伊吹高校出身の27番大橋。ともに1年生。ウマい。スティックさばき、密集に飛び込む勇気も素晴らしい。
2年後くらいにもう一度チェックしてみようかな。
 
後半も立命館の攻勢は続いた。
開始まもなく、センタリングをブロックされたこぼれ球を白和が空中で叩いて強烈なシュート。
これは山梨学院GK国兼がファインセーブ。
直後の6分。セットプレーのクリアボールを25ヤードライン(いまは呼び方違うよな)あたりで高橋が受け、
スウィープでど真ん中を通すロングパス。これに先制点の太田がリバースハンドの
美しいタッチシュートで合わせて、追加点を決めた。
日本代表太田がFBながらもさすがの2得点。
立命館はサッカー五輪代表のようにカメハメ波のパフォーマンスを見せた。 

カメハメ波


後半15分頃から、山梨学院はPCを立て続けに5本獲得したが、
どうも「あ、これは入るな」という雰囲気を感じさせずすべて失敗した。
後半の中盤は膠着状態が続き、山梨のFB陣に凡ミスが出るなど、
いよいよ立命館の完勝に近づいていた。
しかし残り9分、立命館が歩んでいた「完勝」ペースの道は突如として薄い氷の道になった。
2-0の怖さがあるのはサッカーだけではない。      
 
ドリブル突破で得た左45度くらいのフリーヒット。
三澤がサークル内に打ち込み、これにFW竹田が飛び込んでタッチシュート。見事に決まった。
リバースサイドに来たボールに対し、体ごと前に飛び込むことによって
フォアハンドで合わせた、ファインゴールだった。
 
さぁ、わからなくなった。 
立命館は無理な攻めを止め、守り切るモードに。
しかし山梨には個人技がある。
ドリブルと、右でのテンポのよいパス交換。
日本ホッケーの教科書のような攻撃で、立命館を追い詰める。
 
残り5分。山梨学院はPCをゲット。お~、という声が会場から上がり、
同校女子部の応援の熱気も上がる。
立命館はしかし、このピンチを凌ぐ。
残り3分。山梨は再び右を攻めて得たFHのチャンス。
ファーへ流れたボールを角度のないところからシュートするが、GKがセーブ。
 
長い球技場の時計は0になった。
ホッケーにロスタイムはないが、GK交代の時などに審判が時計を止めた時間を、
電工掲示が反映していないという(人手不足的な)現象のため、
あと何秒残っているのかわからない。
 
本当のラストチャンスに思われた山梨のFHも、立命館が防ぎ、
試合終了のホーンが鳴った。
 
右を攻めても囲まれて…


地力では立命館が確実に上だったが、山梨学院も紙一重のところまで追い詰めた。
しかし後半再三訪れたPCのチャンスを逃したのが大きかったように思う。
でもあそこで1点差になっていたら、立命館はまた再覚醒して猛攻に転じていたと思うけど。
 
=====

ホッケーは良くも悪くも大学が中心であり(ほぼ)頂点。
しかし相変わらず、スタンドにいる顔ぶれは、
いわゆる「関係者」ばっかり。

とにかく、「おぉすげー!」とか「いまのは反則だろ!」とかが
各人の胸の内で消化されてゆく。
盛り上がらない。応援指導部も来ない。
 
いろんな涙ぐましい努力は見られた。
関西の女子選手とマネージャーがアイドルユニットみたいなものを結成して
競技アピールに励んだり、キッズスクールを開催したり。
ミクシィの活用もしている。
それに球技場の電光掲示板が阪和線から見えることも活用していた。
 
しかし。がんばっているのは学生ばかりじゃないか?

学連の学生たちの努力にも、やはり限界がある。

日本ホッケーは、誰が引っ張るんだ?
このまま低予算の学生たちが寝る間を削って走り回ることだけで
なんとか運営してゆくのだろうか。

これまでのホッケーの広まり方は、いかにも日本的だ。
乱暴に言うと、国体が広めてきたのだ。
国体開催地の高校が強化され、各地に強豪校ができ、
各地の強豪校から関東と関西の大学に進学してくる、という流れ。

圧倒的に、「地方」のスポーツといえるだろう。
業界には盟主がいない。

ホッケーが日本に伝わってから百余年。
しかし歴史の長さに対し、知名度は見事に低い。

たとえば、日本における競技発祥校を自任する某校は、
その事実に対し、まったく責任がないと言えるだろうか。
財力や発言力は、競技全体のために生かされているだろうか。
よもや自分達が強くなることが業界活性化に繋がるなどと読売巨人軍のようなことは
考えてはいないだろうが・・・。


ホッケーは国内でも人工芝で行われるのが当たり前になってきて、
それは逆に全国に裾野を広げるには難しい環境と言えなくもない。

好きな人だけが携わる、コアなスポーツでいいのなら、その道を選んでもいいと思う。
本当に、それでいいならね。
本当に、それでいいのかな。


立命館大 2-1 山梨学院大


posted by sot-escape |01:36 | ホッケー | コメント(0) | トラックバック(0)
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2008年07月05日

ザ・マジックアワー [東京vs大分]

Match No.051 2008.7.2
<サッカー>
2008ヤマザキナビスコカップ準々決勝第1戦
FC東京vs大分トリニータ
@味の素スタジアム

勝てば「城福マジック」、負ければ「采配ミス」になるというのは
試合前からわかっていたことだ。
前日のトーチュウの記事(今日のスタメンをある程度予想したもの)を読んだ時点での
私の感想は「意味不明」だったが。
だって私はナビスコカップが3度のメシより好きだから。
「ユーロよりナビスコ」がこの1ヶ月の口癖だった。
この大分戦が今年1番大事な試合だと思っていたんだよ私は。
(それに、石川にはもっと優しいシチュエーションで復活をアピールしてほしかった。)
 
今野が出場停止、羽生、エメルソン、カボレ、藤山をベンチに置いて、
CBには茂庭と吉本を起用、石川・栗澤が中盤で久々のスタメン、
右SBに椋原、左SBに徳永が入った。前線には平山と赤嶺だった。
 
アウェイゴールを2つ決められ、
準決勝進出が限りなく苦しくなったこの要因を
「ターンオーバー制(笑)」を敷いた采配に求めるべきなのかどうかは、正直わからない。
だが、「学園長の突然の思いつき」のような城福さんの選手起用が成功しなかったのは確かだ。
 
切ったカード(つまりカボレ)のていたらくは城福さんにとっては不運だったが、
別のカードを切れなくなったのは、無駄な交代枠を使っていた、すなわち、
彼自身が登用した茂庭を見切らざるをえなかったためでもある。
 
試合運びを含めて、いろいろ中途半端だった気がする。
というか、メンバー大幅入れ替えの時点で、
ナビスコカップに対する監督のスタンスが周りから見て不明瞭になってしまったのかなと思う。
 
想像するに、チームの雰囲気が少し緩んでいたんだろう。
そこで石川をはじめ控えに甘んじているメンバーの奮起にかけた。
そう考えれば理解はできる。
ただ、ナビスコとは、そんな冒険をする大会なのだろうか。
監督がリスクを負う覚悟をするのは勝手だが、大会には1億円がかかっており、
ファンには国立での歓喜がかかっているのだ。
 
8月の大分で2点差で勝つのは、チョー難しい。

 
よかったシーンも回想しておこう。
前半終了間際の、足元で平山・梶山がつないで石川が同点ゴールを流し込んだシーンは、
ちょっとしびれるくらい素敵だった。
先制を許してからのゴール裏の声も、選手の背中を押したと思う。
今日起用された「結果を残さないといけない選手」は、
第一次原政権で喜びを共にし、またその後の苦しみを共にした仲間でもある。
茂庭、石川、栗澤も。
ユース出身組の吉本・椋原もサポーターにとっては特別な存在といえる。
何度も繰り返される「LA EDOGAWA」は熱かった。
 
そう。みんな彼らが好きだ。
だからこそ、「失敗した試合のメンバー」で括られてしまわないことを、切に祈るのである。


東京 1-2 大分
 

posted by sot-escape |00:50 | FC東京 | コメント(0) | トラックバック(0)
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