2010年07月26日

撃ち合い、これぞJ [名古屋vs清水]

2010.7.24
<サッカー>
J1リーグ第14節
名古屋グランパスvs清水エスパルス
@名古屋市瑞穂陸上競技場

今節最大の大一番。2位・清水と3位・名古屋の直接対決。
鹿島に首位を明け渡した清水にとっても、
前節退場者を出しながらも大宮を下して良い形でリーグ戦を再開させた名古屋にとっても、
勝ち点3が欲しい試合。

気温がなかなか下がらない瑞穂陸上競技場の入口には、
チケット完売のお知らせが。

昼間の高校野球の合間(前記事参照)に
サークルKで券を確保しておいてよかった。

残っていた中でいちばん安かったのが、なんと5500円のカテゴリー2席。
Jの試合でこんな大金払ったことない。
さっき600円で東邦と中京、2試合も見てきたのに…。

そう。チケットが高かったから、というのがひとつ。
さらに、大きな箱で新しい、味スタというホームに通っていて贅沢になっているのがひとつ。
前提条件はたしかにあった。

しかしそれでも僕は宣言する。
このスタジアムが、嫌いだ。

ビール1杯買うのに20分も並ばなければならないスタジアムなど、
先進国に存在してはならない。
店員さんは頑張っていた。
客の入りが多く、暑かったせいで列が長くなったという事情もあるだろう。
でも満員になったことが言い訳になるなんて本末転倒なので却下。
2万人を満足させられる準備をしてください。

コンコースが狭く、売店の出店数に限界があるのは理解できる。
それにしても、売り子はいないしビールは650円だし(缶からドボドボやってこの値段はないわー)、
もう少し当方の気を鎮める努力が垣間見られてもいいのでは。

要は、「国体流用」のスタジアムは、やっぱりしんどいのです。
いや、でも、愛媛なんて割り切って「ビールは外の露店に買いに行ってくれ」というスタンスだったし
川崎もホスピタリティに関してはJ髄一だ。やっぱりもうちょっと…。

それにね、この狭っ苦しく背もたれのない席で
よく5500円なんて値段設定ができるよなぁ。

そして、チケット完売なんてよう言いまっせ。
けっこう空席あったやないかー。実カウント1万7千ちょいってことは、
まだ数千人は入れたってことでしょう。
配ってるねースポンサーに。来ないんだねーその人たち。

名古屋好きの方、ごめんなさい。
「おまえんとこだって、東京駅から飛田給まで、どんだけ電車に乗せるんだコラ!」
と罵ってくださって構いませんので、
僕の言い分も少しは理解してください。

======

試合自体は、シーズンベストに近かった。
ありがとう名古屋!(必死のフォロー)
いやでもほんと、よかったです。

売店の列で死んだ目をしている間に玉田がどうやらゴール。

清水も、ケネディが倒され足を痛めている間に(ノーホイッスル)
藤本がチャンスを作り、最後はヨンセンが押し込んで同点。

流行りつつある4-3-3同士のマッチアップは、
攻守の切り替えも早く、中盤・前線に豊富なタレントを擁する両軍の戦いだけあって
非常に見ごたえがあった。
(名古屋は中村の位置が下がり気味だったので4-4-2、あるいは4-2-3-1だったかもしれない)

小野君は相変わらずサッカーがうますぎ。
しかし今季まだ得点だけがない。
清水はすでに11人の選手が得点を挙げているが、その中に
この稀代の司令塔が含まれていないのだ。
前半少なくとも2回の好機があったが、決めきれず。

名古屋は金崎がキレキレで、右サイドを突破してチャンスを作ることしばしば。
本田のスーパーゴールラインクリアがなければ、清水は危なかった。

名古屋の勝ち越し弾は前半終了間際。
清水がマギヌンに引き付けられたところを、追い抜いた玉田が左からシュート。
これがゴールに吸い込まれた。

後半、足の状態が悪いケネディに代えて小川を投入した名古屋。
玉田と金崎の2トップのような形にして敵を撹乱させる。
ピクシー監督は、意外とこういうホワイトボードの戦いが好きだよね。

そして後半15分、願ってもないPK獲得。蹴るのは玉田。
しかしハットトリックになるはずだったシュートは、「バッジョ方面」へフライアウェイ。
その代償は高くついた。

68分、エリア外正面から、岡崎が右足を振りぬくと、ボールは右サイドネットへ。
前半のダイビングヘッド機を決められなかった岡崎が、
なんだそういうのも持ってるんじゃーん、というファインゴールを見せてくれた。

しかしこのシュートが霞んでしまうほど、名古屋の3点目は素敵だった。
金崎夢生。ハーフライン付近でボールを奪うと、独走。
大人しい瑞穂のメインスタンドすら立ち上がらせる。
追いかけてきた味方へのパスコースを探すかのように一旦スピードを緩め、
しかし鋭くDFを交わして右足一閃。外を巻いて右隅に収める、美しすぎるゴールだった。

マンオブザマッチは決まりだった。
だから名古屋にとっては、ボスナーに許したCKからの同点弾は悔やまれるだろう。

このときピクシーは三都主を入れたばかりで、彼はまだワンプレーもしていなかった。
逃げ切りの交代だったのかはわからない。
ボールキープも視野にあったかもしれない。
アレックスはあまり新味を出せず、その前に入っていた杉本も
持ち味を生かしきれなかった。
ただ名古屋としては、3度追いつかれたことによるストレスで
前がかりになりすぎて4点目を食らう、というようなことがなかったのは収穫ではないだろうか。

この気温でこの展開。このサッカー。
なんともJリーグらしい面白い試合だった。
さすがに疲れた両軍はロスタイムでもとどめは刺せず、
勝ち点1を分け合う形となった。

名古屋の課題といわれていた連動性。
玉田・金崎の捕まえづらい動きに、ケネディの安定したポストプレー、マギヌンというアクセント。
今後、アンストッパブルになる可能性を十分に秘めている。

清水も、粘り強さが本物になった感がある(ナビスコで当たるんだよなぁ)。
ヨンセン、本田、兵働の献身には目を瞠るものがある。


第三者としては、どっちでもいいから、お願い、鹿島を叩いて。
川崎はちと頼りなくてさ…。


名古屋 3-3 清水


posted by sot-escape |21:53 | Jリーグ | コメント(1) | トラックバック(0)
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2008年11月10日

犬将軍の愚策 [大分・千葉の処分報道について]

現場主義を掲げる小生ですが、今日はついつい試合観戦以外の記事を。

既報のとおり、
例のメンバー入れ替え問題について、大分と千葉に処分検討だって。
(この日刊の記事、カギカッコが少ないので、記者が先走った可能性もありますので要注意ですけど)



内政干渉です。僕はそう思います。

殺人的な日程を強要しておきながら、
しょうもない規定作って、キレイごと並べて。
川崎と広島に長崎で試合させといて(ヴェルディかもしれなかった)、
何言ってるんだよ…と呆れてしまいます。

大金に目がくらんでスカパーと契約して
(まぁこれは犬飼氏の仕業ではないかもしれないですけど)、
露出が減ってスポンサーに逃げられて、
今度はスポンサーにゴマするみたいな。

他ブログでの会長批判に僕はほぼ同意です。
http://www.plus-blog.sportsnavi.com/gialli-bandiera/article/19

さらに、私は根本的に二つの大問題があるかなと。

(1)
犬飼氏があまりに喋りすぎ男であること。
トップに立った人が、思慮なしに思ったことを全部口に出す軽薄さ。
前任者の意を継いでいるのでしょうか。
さらに問題は、それをメディアがノーフィルタで(もしくは誇張して)
報じてしまうことです。メディアが機能していない。
それどころか、彼の権威欲を満たす絶好の機関になってしまっています。
特に問題なのは、一般紙がベタ記事で発言を載せる、
ということは危険な行為(既成事実になってしまう)なのに、
そういう報じ方しかしない。警察発表の垂れ流しと一緒で、これは危ない。
まだ、あえて議論を煽るような書き方をするスポーツ紙のほうがマシです。

(2)
天皇杯の、「全国に一流のサッカーを見せる」的な
中途半端な大義名分と、県協会・日本協会の関係も、問題なのではないでしょうか。
このへんのことは僕は詳しくないのですが、
新潟とFC東京がわざわざ鳥取で戦って無駄に疲弊させられる理由は、
きっとここにあります。
ばら撒かれるタダ券、集まるのは役員さんの教え子中学生(大げさな例かな)。
これを解決する前に、「全試合ベストメンバーでやれ」って、
そりゃないぜ。
ベストメンバー云々の前に、あなたたちのせいで、
僕らは好きなチームの試合を見られないんですよ。
鳥取?丸亀?そう簡単に行けるかーい。
(浦和の山には埼スタがありますよね、毎年。なぜでしょうね、犬飼さん)



天皇杯の「権威」にこだわるなら、
欧州の国内カップではいちばん「真面目に」取り組まれている
FAカップを参考にしてはどうでしょう。

たしか、どちらのクラブのスタジアムでやるか、
くじ引きで使用会場決めるんですよね?それでいいじゃん。

ビッグクラブはメンバー落とします、平気で。
そして下部リーグに負けます、平気で。
それもひっくるめて、十分理解されています。
メンバー落としたのが悪かったね、ちゃんちゃん、おしまい。
各クラブが勝手に反省しますから、それを協会がとやかく言うことはないです。
少なくとも僕は聞いたことないです。采配批判はメディアがすることです。

とにかく、処分されたら、サポーターの皆さんには戦ってほしいです。

犬飼さんへのメッセージってテーマでゲーフラ選手権やってくれないかな、どっか。

posted by sot-escape |23:49 | Jリーグ | コメント(8) | トラックバック(2)
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2008年11月08日

戦国Jとは言うけれど [大宮vs川崎]

Match No.087 2008.11.8
<サッカー>
J1リーグ第31節
大宮アルディージャvs川崎フロンターレ
@NACK5スタジアム大宮

首位をうかがうフロンターレと、残留争いど真ん中にある大宮。
どっちが上位かわからない試合だった。

川崎が攻め、大宮が守る、という基本展開は予想通り。
しかし大宮はベタ引きというよりは前線から仕掛けた。
ブラジル人3人+鄭大世のカルテットは、
ボールの推進力は抜群、シュートにも持っていける。
しかし連携という意味では、今日はほとんどなかった。

速い攻め、というよりむしろ、大宮のプレスを受けて
攻め急がされているように見えた。
それでも個人技一発で試合を動かしてしまうのが川崎なのだが、
26分、中盤でのパスカットから内田が運び、ラフリッチがシュート。
跳ね返りを藤本主税が大きな口を開けたゴールに流し込み、大宮が先制した。
300試合おめでとう


そもそものパスミスもさることながら、
一旦内田のスピードを殺したにもかかわらずシュートを許し、
リバウンドにも対応できなかったのは情けなかったと思う。

このプレーに象徴されるように、川崎は守備での寄せが甘かった。
中盤での体のぶつけ合いでも、完全に大宮が優っていた。
さらに今日の川崎にはパスミスが多く
(ブラジリアンたちは不必要に高難易度のコンビプレーを試みては
オレンジ色のソックスにボールをぶつけていた)、
リズムが非常に悪かった。

同点に追いついた森のゴールも事故の類だった。
(このゴール自体はかなり興奮ものだったけど)
髪…いや、なんでもない。


後半に入り、川崎のピストル攻撃を凌ぐと、
完全に大宮の試合になった。
川崎はバイタルエリアを空けることが多くなった。

藤本のオーバーヘッド、片岡の鋭いミドル。
そして、再三センタリングをミスっていた塚本のクロスに、
ラフリッチが上手いトラップからの振り向きシュート。
これが美しい軌道でゴールに吸い込まれた。

レナチーニョ、ビトールジュニオールを諦め、
大橋、黒津の投入で「去年までの川崎」を引き出そうとしたが全く不発。
最後まで躍動した大宮に、呑み込まれたようだ。

と、同僚に川崎サポがいるので平気で辛い当たり方をしているが、
まぁとにかく、優勝争いをしているチームが、この期に及んで
そんなサッカーしちゃうかなー、という感想を持った。

大宮は、尻に火がついた中で結束を強めていた。
川崎はチグハグというか、「気合が空回り」という表現にも届いていなかった。

どうも最近、順位表を見ると首をかしげてしまう。
負けても負けても浦和が落ちない。
1ヶ月以上勝てなくても名古屋は2位。

そして今日の川崎についても、
一昨年や去年に比べたら、強さも熱さも感じないが、
首位はすぐそこだ。負けてもなお。

基本的には、僕は混戦大歓迎なんだけど、
セルジオさんが口を酸っぱく言っていることにも頷けるようになってきた。
リーグのレベルが、今年はやっぱり低いと言わざるをえないと思う。
残り3試合で、勝ち点50そこそこの争いというのは、
ゾクゾクする混戦とは言い難いだろう。

暫定とはいえ東京が首位に勝ち点差2なんてのを見てしまうと、
申し訳なさすら感じてしまう。
ここまで低い勝ち点の中での混戦だと、
いまさら東京が突っ込んでいって優勝なんかしても
記者がシーズンのまとめに困るだけで
リーグにとっては何も良いことはないんじゃないか、なんて引いた見方をしてしまうのだ。
(まかり間違って優勝したら全部忘れて喜んじゃうけどさ…)

シーズンを俯瞰してみて、
まぁあえて言うならいちばん安定していたよね、という
鹿島が優勝するのが、いちばん自然だな、と思ったのでした。
ゴール裏ドーン


それにしても、大宮サッカー場、
増築してからは初めて行ったけど、やっぱりいいスタジアムですねー。

大宮 2-1 川崎


posted by sot-escape |21:37 | Jリーグ | コメント(6) | トラックバック(0)
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2008年11月03日

一点の曇りなく [大分vs清水]

遅いアップになって恐縮です。いまさらながら、ナ杯決勝。

Match No.085 2008.11.1
<サッカー>
2008Jリーグヤマザキナビスコカップ決勝
大分トリニータvs清水エスパルス
@国立霞ヶ丘競技場


素敵!


決勝の翌日の某全国紙のコラムが、
堅守速攻サッカーどうよ、という内容だった。
もちろん批判記事ではないし、
混戦の中で進化を見せられない上位チームの奮起を促すのが
論旨だったということは僕だってわかる。

でも文中の
「退屈な試合に引きずり込んだ時点で大分のリズムだった」の一節は納得しかねる。

大分の試合は退屈だろうか。
この決勝戦は退屈な試合だっただろうか。
否。中立ファンの僕にとっても、決勝戦は見ごたえがあった。

確かに、しっかり守って手数をかけずに攻める、
という大分のペースにはまった試合ではあった。

戦前の予想と違う展開になるとすれば、
清水が早い段階で先制した場合だろう、と思っていた。
それは裏を返せば、早い時間の先制さえ許さなければ、
大分のプランは崩れないということだ。

そして着実にプランは遂行された。

ここまで確固たるチームスタイルを持ち、
ゲームプランを遂げられるチームがほかにあるだろうか。
それを見ることは、決して退屈ではい。

さらに、以前の記事に書いたように、
大分の攻撃もまた、「堅守速攻」で片付けてしまうのは惜しい。
金崎のテクニックをや見るのは楽しいし、
ホベルト、エジミウソンの尋常でない運動量と
奪ってからの攻撃の姿勢には感心させられる。

退屈なのはウェズレイくらいだ(笑)

大分の選手は当たりも激しい。
時に不評も買うほどだが、「ファウルすれすれ」はファウルではない。

この試合で素晴らしかったのは、その激しい当たりに対し、
清水の選手が気色ばんで冷静さを失うことがなかったことだ。
おかげで試合は荒れず、無闇にカードを出さない審判もそれに貢献した。

好ゲームだったと僕は純粋に思う。

この大会の素晴らしさは、
天皇杯と違って決勝までの期間を両サポーターが堪能できることだ。

そんなワクワク感を、快晴の空が出迎える。

毎年、何人もの選手が足を痙攣させながら死力を尽くす。
ファンが毎年この試合に求めているのは、
華麗なるパスサッカーの応酬ではなく、
タイトルをかけた選手たちの頑張りや、
国立の秋空と2色のサポーターが作り出す舞台そのものの暖かさなのだ。

そうでなければ、特段スターがいるわけでもない
地方クラブどうしの対戦が完売するはずがない。

何度も言うが、断じて退屈でなんかなかった。

ナビスコの決勝には秋の青空がよく似合う。
同じように、新王者の戦い方には、迷いもブレも、一点の曇りもなかった。

きれい!



競技場の6割を占めた清水のサポーターは大舞台慣れしており、
いつもの力強いラテンチックな応援を見せてくれた。
逆に、あくまでバックスタンドからの印象ではあるが、
大分サポーターの声は最初、やや迫力に欠けていた。
声が空に飛んでいってしまう国立のスタンドに戸惑ったのか。
なにしろ初の国立だ。J1にまだそんなチームがあったことに驚く。

試合の、そして観客のスイッチを入れるのは、カードかシュート。
たとえば、ジャーンが退場したり、エメルソンがフリーで抜け出したり。
(ついつい思い出話に浸りがちだ)

最初のビッグチャンスは後半20分の大分。
CKから高松のヘッド、山本海人のファインセーブでこぼれた球を
ホベルトが思い切り蹴るがポスト。
ちょっと押し込むだけでよかったのだが…。
これでようやく大分側のバックスタンドもだいぶ蠢きだした。
清水もCKのこぼれ球をゴール正面の高木和道がシュート。わずか左。
この後も清水はセットプレーからいくつかのチャンスを得るが、枠に飛ばない。

岡崎の突破は活力を与えていたが、中盤を含めたパスの連携は抑えられ、
そこにサイドバックが絡んでくるいつものダイナミズムもなかった。
大分は、出場停止の鈴木慎吾の代わりに入った便利屋藤田が
ほとんど上がらずにスペースを消す。
それだけに、ハナから左サイドからのチャンスメイクは考えていなかった大分に
思い通りに右サイド(清水の左)から崩されてしまったこと、
そして試合中にそれを修正できなかったことは清水にとって痛かった。

高橋や金崎はパス交換の中から右のスペースへ飛び出した。
ただし、強風に手を焼き、クロスの精度はいまひとつ。
ゴールには簡単には結びつかなかった。

後半23分、
ふたつの心臓のひとつ、エジミウソンから右裏へ抜け出した金崎へとパスが出る。
清水はまたしても同じパターンでやられた。
金崎は、メインスタンドから吹き続ける向かい風に乗せるように、
ファーにボールを上げた。高松の滞空時間を生かすには絶好のボールだった。
清水の堅守に抑えられていた高松だが、
今季の鬱憤を晴らすヘッドを叩きつけ、ゴールを決めた。

大分というチームは、1点取ったあとのほうが引き締まる。
どこかの国の代表にはないものだ。
シュートらしいシュートをほとんど打てなかった後半の清水も、
少々情けなかった。

直近の3連勝の対戦相手が東京、川崎、G大阪だったことも、清水にとっては災いしたかもしれない。
僕としては4年前の英雄のひとり、戸田光洋に
決定的な仕事を期待したが、長谷川監督は矢島を選択した。
攻め手は少なかった。

鉄壁の3バックは集中を切らさず、
金崎も敵のスローインをカットするという(下がりながらのヘッドで、疲労した足にはきつかったはずだ)
渾身のプレーでウェズレイのダメ押し点をアシストした。

マフラーを掲げた大分サポの歓喜の歌がこだまする中、
九州勢初の王者が誕生した。


大分 2-0 清水


posted by sot-escape |01:19 | Jリーグ | コメント(2) | トラックバック(0)
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2008年10月19日

パス精度アップぷりーず [千葉vs新潟]

Match No.082 2008.10.18
<サッカー>
J1リーグ第29節
ジェフユナイテッド市原・千葉vsアルビレックス新潟
@フクダ電子アリーナ

18日ぶりの更新。みなさん風邪には気をつけましょう。ゲホゲホ。


==
5連勝の勢いを中断後も保ち、早く安全圏へと抜け出したい千葉にとっても、
このあとガンバ、鹿島、浦和との対戦を残している新潟にとっても、
どうしても取りたい一戦だったのは言うまでもない。
事実、選手たちは気持ちのこもったプレーを見せてくれたし、
ゴール前での惜しいシーンも数多く見られた。
ただ、選手の頑張りや走った距離ほどには
好ゲームに見えなかったというのが正直な感想だ。

千葉の選手の心には、どこか隙があったように思う。
まだまだ安心できる位置では決してない、というのはわかってはいるだろうが、
頭で理解しているのと、知らぬ間に心に油断が生じるのとでは回路が違う。
もしくは逆に、油断はするまい、というのを意識しすぎたのかもしれない。
中断中、メンタル面のことはだいぶ監督から言われていたらしい。

慎重になってしまったのだろうか、
ジェフは鋭さを欠く試合の入り方をしてしまい、それは結局前半ずっと続いた。

中盤省略でタテヨコに大きくボールを動かす新潟の戦法は
千葉のリズムを崩すのに効果てき面だった。
前半10分に鬼カウンターから矢野にあわやの場面を作られたシーンをはじめ、
ジェフは被カウンター時にボールと逆サイドの選手をゴール付近で
フリーにしてしまう事件が頻発した。

さらに43分には矢野が中央をぶっちぎってシュートを放つもバーの上。
直後に千葉はこの日初めて工藤浩平がスピードに乗ってエリアに進入し、
シュートを打ったが左に逸れた。

得点機は互いにあったが、ゼロゼロの前半。

矢野と池田


後半は10分を過ぎるころから、僕は両監督の采配に注目していた。
素人目には、ピッチ上の22人にどう手を加えたら拮抗した状況を
打開できるのかわからなかった。
千葉はチーム全体としてどこかチグハグだったのは確かだが、
特段ブレーキとなっている選手は見当たらなかった。
新潟にしても、あとは矢野とアレサンドロがカウンターのチャンスを決めるだけ、
という状態だったし、ベンチに決定的な切り札が控えているというわけでもなかった。

先に動いたのは本間を寺川に代えた鈴木監督だが、
陣形をいじったのは直後にミシェウ・深井を下げて
新居・レイナウドを投入したミラー監督だった。
巻のワントップから4-4-2にしてレイナウドのゴール前での仕事に期待をかけた。
いくつかのチャンスがその効果を物語ったものの、結果は出なかった。

ベンチとしては非常に動きづらいゲームだっただろう。
厄介なことに、ポゼッションは千葉に分があった。
ミシェウを下げることはその点に影響を及ぼしかねない。
その分、ミラー監督にすれば余計に難しかったかもしれない。
一方の新潟には、前半開始早々に左SBの松尾を代えざるをえなかったために
持ち札が減っていたという事情もあった。
どちらかといえば故障の不安があったのは右の内田だったのだ。

とにかく試合はスコアレスドローで終わった。

テレビ映えするハイライトシーンは、
前述の矢野のドリブル突破の場面、
後半6分にボスナーがバックパスをしくじってアレッサンドロに
ボールをさらわれシュートを打たれるも自らゴール前でブロックした場面、
後半20分に松下のクロスをアレッサンドロがドンピシャでヘディングした
ボールを至近距離で岡本がセーブした場面、
といったあたりだろうか。
どれも新潟のチャンスである。

観客としては、これらのどれかひとつでも決まっていれば、
試合はずいぶん違う動き方をしただろうな、と思ってしまう。
1失点が命取りになる試合の様相が次第に濃くなったことで、
両者にはリスクを犯すことへのためらいが見て取れた。
新潟にも千葉にも、波状攻撃の時間帯がなかった。

この試合、残酷な表現をしてしまえば、
両軍とも疲れただけの試合と言えるかもしれない。
(勝ち点1の重みはわかってはいるけれど)

その一因に、パスの精度があまりにも低かったことがある。
もちろん正確なデータは持っていないが、
白から黄色へ、黄色から白へのミスパスがため息が出るほどに多かった。
特に20m以遠へのパスや、ボールを奪った直後のスイッチオンのパスが繋がらずに、
試合は常にバタバタしていた。
さらに千葉は、ゴール前へのパスをことごとく新潟の誰かにぶつけていた。

ボールを持っていた千葉とカウンターがハマっていた新潟。
どちらかのパス精度がもう少し高ければ、
ゲームにモメンタムの変化が現れ、どちらかに先制点が入って
試合は面白くなっていただろう。

残留



以下、雑感を少々。

マルシオリシャルデスの代わりに先発した河原は、
躍動的で見ていて気持ちが良かった。勝負するし、シュート意識も高い。
楽しみな選手。

巻と深井の位置関係が遠すぎたようだ。
巻自身が千代反田と永田に厳しく付かれていたうえに、
クサビが入っても直下のミシェウに落とすしかなかった。

ミシェウが下がり中盤の枚数が減った後、舵取りは工藤に託された。
魅惑的なプレーはいくつかあったが、今日のような試合こそ決定的な
プレーをしてほしかった。それまではバランス取りに手一杯だっただけに。

遠路駆けつける新潟のサポーターには毎度頭が下がります。
そしてフクアリの雰囲気は一層良くなっている気がする。
ジェフのサポーターにも頭が下がります。

千葉 0-0 新潟



posted by sot-escape |01:35 | Jリーグ | コメント(0) | トラックバック(0)
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2008年09月09日

「家族」の守り [大分vs名古屋]

Match No.075 2008.9.7
<サッカー>
2008Jリーグヤマザキナビスコカップ 準決勝第2戦
大分トリニータvs名古屋グランパス
@九州石油ドーム

100試合男の旅日記3


試合の後、大分駅前で見ず知らずの名古屋のサポーター二人と飲みました。
彼らは彼らで初対面同士とのこと。
地方遠征ならではの、一期一会ですね。
お二人、ありがとうございました。



スポーツファンなら誰でも、
忘れられない試合、というものがいくつかあるものです。
広島での野球観戦の翌日。
ビッグアーチでの紫広島の試合や鳥栖での昇格争い生き残り合戦などの
選択肢を排除し、大分にやってきたのは、
僕が忘れられない試合(トップテンくらい)の中に、
ナビスコカップ準決勝が2つ含まれているからです。

2004年の準決勝、3-0で勝っていた東京が
退場者を出したヴェルディに追いつかれたときに味わわされた、
ビッグゲームというものへのある種の恐怖感は忘れられませんし、
2006年の準決勝第2戦、川崎との死闘を、最後に阿部勇樹が
PKを沈めて制した試合での、120分間片時も休まずに歌い続けた
千葉サポーターの姿も忘れません。

そんな経験から、準決勝にはドラマが転がっているのだと信じて、
特急ソニックで大分まで来ました。はるばる。
滅多なことでは行けないぞと思っていた九州石油ドームに、
東京の試合でもないのに来てしまいました。

それにしても、
とんでもないところにとんでもないものを作ったものですね。
ワールドカップは自治体の感覚を麻痺させるのでしょうか。
大分駅から九石ドームへ向かう直行バスは、
街を抜け、国道をしばらく走り、丘を上がりニュータウンを縫い、
この先にあるのかと思いきや丘を下り、丘より山に近い道を登り
また下りて…と、いったいどこまで連れて行かれるんや!という距離を走りました。

そして視界に現れたのは、高台に落ちている銀色の湯たんぽ。
のような“ビッグアイ”。
地中で眠る銀色の巨大怪獣の甲羅だけが地面に出ているようにも見えます。
結論から言うと、わたくしかなりこのスタジアムが気に入りました。
陸上トラックはあるものの見やすいです。



第1戦は1-1の引き分け。
アウェイゴールを挙げたことで大分有利のような論調が見られましたが、
この1点がモノを言うのは、0-0のときだけ。
これは狙ってできるスコアではありませんから、意味はそんなに
ないだろうと思いました。

大分としては、試合の入り方はチョー難しかったはずです。
点の取り合いや2点以上の勝負になると、
それこそアウェイゴールの差で敗退しかねません。
先行逃げ切りを図るにしても、スコアを早く動かしてしまうことは
自分達の足を止めてしまうリスクを高めます。
名古屋にしても、絶対に2点取らなくてはいけないわけではなかったので、
フルモードで試合に入る必要はありませんでした。

名古屋がどんな試合でも自分達のスタイルを崩さないのは有名な話です。
シャムスカ監督としては、対策は立てやすかったでしょう。
採った戦術は、シンプルすぎて笑ってしまったくらいです。
大分は両サイドにフタをしました。

ほとんど5バック。
上本、森重、深谷のDFに加え、右の高橋大輔、左の鈴木慎吾も
名古屋の攻撃スペースを消す役割を担いました。

サイドを消された名古屋は、スペースを作り出す動きにも乏しかったように思います。
5月の味スタで友人が言っていたこと、それは
真ん中があるからサイドがある、ということでした。
バーレーンに玉田を連れて行かれている名古屋は杉本を先発させましたが、
クサビを入れる気持ちそのものが少なくなってしまったようで、
玉田不在の大きさはいかんともしがたいものがありました。
裏を突く杉本のスタイルは、あまりに不向きでした。

そんな中でも前半最大のチャンスは25分。
左から入ったクロスにファーのヨンセンが右足で合わせましたが、
上本がゴール前でオーバーヘッドでクリア。
さらにもういちど左からセンタリングが入りヨンセンの頭に合ったものの
これは右に逸れました。

猟犬


大分には「守備的すぎる」の声も聞こえてきそうですが、
この戦術を採用できるのは、前線のウェズレイと森島康仁が
ターゲットとして機能し、少ない人数でも形を作れるからでしょう。

大分の攻撃は、一瞬で点火します。
29分、名古屋右SB竹内の裏にパスが1本。
金崎が追い付き、ニアへグラウンダのパス。
森島がアウトで合わせましたが、GK西村がセーブ。
32分、ウェズレイがポストプレーの瞬間にバヤリッツァと入れ替わり
攻めあがったシーンも、一気に3人がシュートシーンに関わりました。
守備のチームではありますが、今日の名古屋が単調でつまらなく見えるほど、
攻撃も形になっていました。



幻想的な空の色


前半は0-0で折り返しました。

屋根の形に切り取られた空が紫がかった色になり、
幻想的な劇場空間を作り出していました。
日没の遅い九州のゲームは、7時になってようやくナイターになります。

ユニフォームの胸にスポンサーのない大分(マルハン問題も辛いところ)。
アウェイサポーターが来にくいこの地で、
毎試合2万人近くを集めているのはすごいことだと思います。

この日も2万人を越え、95%以上が大分サポーターでした。
日曜夜の開催とはいえ、名古屋側ゴール裏は100人~200人ほど。

試合後、名古屋サポの二人は、
ウェズレイへのブーイングがすごくて殺気立っていた、と言っていました。

その時は言いませんでしたが、そのブーイングは
実はほとんど聞こえませんでした。
ウェズレイ本人には届いていたでしょうが、
完全ホームのスタジアムの空気を揺るがすものではありませんでした。

いまは大分の猟犬であるウェズレイは、
後半4分、左から鈴木慎吾のパスを受けると、
ミドルよりはロングと呼べる距離から、右足を振りぬきました。
誰もが、打った瞬間に入るとわかったのではないでしょうか。
ネットの左隅に突き刺してゴール。
青く染まったスタンドが揺れました。

瞬間的に思い出しました。
僕は学生時代に、期末試験の準備を放り出し、
ストイコビッチ監督の引退試合(味スタでのヴェルディ戦)を
この目で観ました。2001年7月のことです。
ピクシーが生涯最後に得点に絡んだプレーは、
ウェズレイへのヒールパスでした。
打てたのに、打たなかった。美しいほうを選んだ。
そういうプレーでした。

因縁めいています。
そのウェズレイに突きつけられた重い重いビハインドの1点。

ピクシーはすぐさま、吉村に代えて巻を投入します。
全てのボールはサイドから。クロス、クロス、クロス。
感心するほど、あきれるほど、サイドからボールを入れます。
しかしサイドを崩しているわけではないので、
状況は一向に打開できません。
大分のCBは危なげなくヘディングでクリアし、
GK下川も臆することなく飛び出して対処します。

20分が過ぎ、30分が過ぎます。
不思議なほど、スタジアムは落ち着いていました。
初めてなのに、わずか1点のリードなのに。
大分サポーターはもう慣れているのでしょう。
イチゼロで勝つということに。自分達のパターンに、この試合が
完全にハマっていることをわかっていたのでしょう。

吉田を前線に入れて完全にパワープレーに出る名古屋。
大分の何回かの時間稼ぎを考慮してロスタイムは「5分」。

これを見てスタジアムはようやく引き締まります。
というよりは、カウントダウンのセレモニーが始まったような感じ。
チャントに合わせて、スタジアム全体に手拍子が広がります。

46分、ゴール前の混戦から杉本(?)が足を伸ばしてシュート。
しかしこれも大分DFがゴール前でクリア。
やがて長い笛が吹かれ、試合は終わりました。

美しいサッカーを求め、ファンを惹きつけるピクシー。
戦力に見合った戦いを徹底し、結果を以ってファンを喜ばせるシャムスカ。
この日に関しては、後者のサッカーが優りました。


ハイロウズの「日曜日よりの使者」に合わせ、
手拍子が響きます。

飲み屋で会話した大分サポーターによると、選手は
トリニータのメンバーはみんな「家族」であると言っているそうです。
梅崎を奪われ、家永を故障で欠きながらも、
結束してリーグ最少失点の堅固な守備を築き、のしあがってきた大分トリニータ。

選手たちは、きっと家族の一員であるだろうサポーターの前で、
円になって飛び跳ねていました。
優勝したように



浦和レッズが地位を上げてくれたナビスコカップ。
浦和がこのタイトルをきっかけにビッグクラブになり、
千葉はオシムサッカーのひとつの結実を世に印象付けました。
東京はナビスコで優勝してからサポーターの目が厳しくなりました。

今年もまた、若いチームのひとつの成長の証が国立で
発表される機会ができました。
これが、ナビスコカップの良さなのだと思います。

決勝戦の日は、まさに「家族」みんなで東京に来てほしいものです。
J1でいちばん国立から遠いクラブの来訪を、
東京人として歓迎したいと思います。
11月のコクリツは、最高です。一生の思い出に、ぜひ。

どうぞいらっしゃい



大分 1-0 名古屋


posted by sot-escape |23:11 | Jリーグ | コメント(5) | トラックバック(0)
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2008年09月07日

未完の畑 [愛媛vs湘南]

Match No.073 2008.9.5
<サッカー>
J2リーグ第34節
愛媛FCvs湘南ベルマーレ
@ニンジニアスタジアム

100試合男の旅日記1

初めてのスタジアムに足を運ぶことこそ、
最大の喜び。
ツアー初戦は、松山です。

===

ここで問題です。
ユアスタ、ニンスタ、ベアスタ、レベスタ。
これらの略称を正式名称に直し、それぞれの所在都市を述べよ。

まぁJリーグの熱心なファンじゃないとわからんよな。
ネーミングライツも良し悪しだね。

今日はニンスタ!ニンジニアスタジアム!
みかんの名産地なのにニンジンのエンジニア!?
松山市駅からシャトルバスで30分。遠いよ…。
いたって普通の陸上競技場。ビバ公共事業。
特に場外の雰囲気(鬱蒼とした公園内に立っている)は、
本当にどこも似通っている。山形とか平塚とか。

もちろん僕は、地域発展のために、
地元の名産品テントで食べ物と飲み物を調達する。
おでん。名産品? 深く考えるのはやめる。

さて。
午後の松山プチ観光で感化されたので早速受け売りを披露しよう。

正岡子規は、自らが日本における競技普及に貢献したスポーツについてこう詠んだ。
「九つの 人九つの 場をしめて ベースボールの 始まらんとす」
なんと素敵な歌だろう。

松山は、野球の町である。
昨日の巨人広島戦@坊ちゃんスタジアムは、2万4千人を集めた。

金曜の夜、他会場からはみ出た日程。
地元クラブのホームゲームは、
3,169人という寂しい人数を前に開催された。
あらためて、J2の厳しい「下部リーグ」としての現実を認識する。

ただし、スタンドは寂しくとも、ゲームは魅力的だった。

=====

いつのまにか3位に上がっているベルマーレ。
ジャーンが東京から移籍してから密かに応援していたが、
ついに昇格のチャンスが巡ってきている。

前節から全く同じスタメンで臨んだ湘南は、
序盤から愛媛陣内で優位に試合を進める。
右MFの菊池が積極的に仕掛け、そこにボランチ、サイドバック、FWが絡んで
きれいなパス回しで愛媛の網をくぐってゆく。

愛媛が前線に納めようとしたボールには、
ジャーンが相変わらずの鋭い読みでパスカット。形を作らせない。
元気そうで、本当にうれしい。いつでも東京に帰ってきていいよ。

実力で優る湘南だが無理はしない。
カウンター1発で点を取られる空しさはJ2の場合ことのほか応える。

==
次第に攻撃のチャンスを掴み始めた愛媛は、
出場停止の赤井の代わりに左MFに入った江後がドリブルシュート、
直後には縦パスを田中俊也がヒールで落として相棒の内村がシュートと、
フィニッシュまで持ち込む回数が多くなってきた。

それだけに、もったいないと10回言っても足りないくらいの失点だった。
前半21分、愛媛DFがクリアミス、
そこへ抜け出した石原がGKと1対1。
文字通り「落ち着いて」ゴール右隅に流し込み、先制点を挙げた。

と、嘆いていたら、1分後、
CKからニアですらしたボールをを田中が押し込んで、
やっぱりだめか、という弱気の虫が出る隙もなく同点になった。

ゲームは攻撃への意志がぶつかり合う魅力的なものになった。
湘南の中盤からは、槍で突くように、しつこく愛媛DFの隙間にスルーパスのトライが続き、
それに菊池の右サイドを中心にしたサイド攻撃が混じる。
愛媛DFラインが下がったところへ坂本がドリブルを仕掛ける。
一方愛媛は、右サイドの突破に活路を見出す。
湘南の左サイド加藤望のポジショニングのせいか、
スペースを得ていた横谷は何度も仕掛けてチャンスを作った。

前半終了間際のCK、FKの連続にも体を張って耐えた愛媛は、
今季初の連勝への大いなる期待を保持したまま前半を終えた。
にんすた


===

このスタジアムは建物内に売店がない。売り子も来ない。
ハーフタイムに場外の売店郡へ赴きようやくビールを手に入れた。

後半開始直後、湘南にアクシデント。
センターバック斉藤俊秀が負傷退場し、山口貴弘に代わった。
ジャーンがの故障がようやく癒えたところだけに、次節以降が心配。

後半はやや中盤がいろんな意味で荒っぽくなり、
両者がゴール前までに要する時間が短くなってきた。
球際の競り合いもハードになって、
みんなガシガシ当たってザクザク刈る。面白い。

愛媛はボランチのキムが司令塔的役割なのだが、
後半は特に、攻められた帰りにシンプルに前線やサイドにボールを
送り込むことによって湘南のリズムを狂わせた。
交互にチャンス(それもビッグな)を作り合う。
愛媛は10分、18分に決定機を作ったが、
FWのパスミス、トラップからの判断の遅さなどで好機を潰してしまった。

ここでまず湘南の菅野監督が動いた。
後半13分、FWの原を下げ、トゥットを投入したのだ。
トゥット。いつの間に日本に戻っていたんだ…。
相変わらずトゥットはテンションが高く、思うようにパスが来ないと
チームメートに容赦なく要求する。キレている。
しかし、熱そうに見えて、ハードワーカーではない。
ゴール前でのみ仕事をするタイプのブラジリアンだ。
この選手のこの時期の獲得は、リスキーだ。僕だったら見送る。

24分、トゥットがくさびになって落としたボールが
直接愛媛にさらわれて大ピンチ。横谷が持ち込んでエリア内で倒されたが、
ノーホイッスル。疑わしい…。

2分後、今度は敵陣に進むトゥット。
自らが出した雑なスルーパスが弾かれたボールを拾い、ドリブルで仕掛ける。
ゴール左から中央に折り返したが誰も触れず。
それでも湘南はこのプレーの流れからゴール前で攻め続け、
CKを愛媛がクリア仕切れなかったところでFKを得る。ゴールやや右。

当然、鉄人加藤望の脚に目線が集まる。
しかし空気を読めないやつがいた。トゥットだ。
右足を振りぬき、スッポリとゴール左上に収めた。

なにごとか叫びながら、ベンチ前に半狂乱で走ってきたトゥットに
チームメイトが飛びかかる。ついに均衡を破った喜びはひとしおのようだ。
やはりこういうところなんだろうな。彼を獲得する意味というのは。

赤ちゃんだったころのFC東京で躍動した人々。
ジャーンがキャプテンマークを巻き、
トゥットが前線でわめいている。
なんだか不思議な感じだ。
トゥット加入のせいで阿部吉朗が弾き出されたのか?なんて想像すると
もっと微妙な心境だ。

====
愛媛は高杉のFKが湘南GK金のファインセーブに阻まれる。
さらに、キムに代わって入った関根がゴール前に飛び込んで
左からのクロスにニアで上手く合わせたヘッドは、ポストを叩いた。
運に見放された愛媛。

しかしこの日の愛媛は、食らいついた。下位に沈んでいるのが信じられない。
41分、左サイド、ワンツーで三上が縦に抜け出す。
ゴールラインを割る寸前、三上は懸命にセンタリングを上げた。
ゴール正面で、途中出場の三木良太。DFと競り合いながら、ヘディング。
ほとんど背筋のチカラで頭を振って打ったシュートは、グサっとネットにささり、
みかん色の人々に今日一番の盛り上がりを呼んだ。

ロスタイムにも際どい攻防があったが、結局2-2のドローで終わった。
湘南にとっては、今日のような苦しいゲームを取れると、
ぐっとJ1は近づいてくるのだが…。

====

松山と愛媛FC。
正直、クラブとしての基盤はまだまだだと思いました。
でも、可能性がないという意味ではもちろんありません。

松山の町を歩いて、博物館に行きや路面電車に乗って、
僕は、ここの人たちはとても地元に誇りを
持っているんだな、と感じました。

坊ちゃんを、正岡子規を、秋山兄弟を愛し続ける町。
今は苦しく、未完成ではありますが、またいつかニンスタを訪れたいと思います。

要は、道後温泉が気に入ってしまったということなんですが。
サッカーと観光地の相乗効果をもたらす。これぞ正しいファンの姿ですよね。ハッハッハ。



愛媛 2-2 湘南


posted by sot-escape |08:38 | Jリーグ | コメント(0) | トラックバック(0)
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2008年05月03日

光を。 [千葉vs柏]

Match No.041 2008.5.3
<サッカー>
J1リーグ第10節
ジェフイナイテッド市原・千葉vs柏レイソル
@フクダ電子アリーナ

東京サポがすっかり歌わなくなった「メリッサ」がこだまするフクアリ。
柏には負けられない♪と。

でもいまのジェフの状況だと、「柏には負けられない」という動機付けの
重要度は3番目にすぎません。
'
1..相手がどこであれ、もう負け続けるわけにはいかない。
2.かなり厳しいチーム状況にある柏が相手だからこそ、ここで負けるわけにはいかない。

この次にやっと出てくるのが、
3.千葉ダービーだから、負けられない。
なのです。

第8節の磐田戦は、多少なりとも「もったいない」感じの残った敗戦でしたが、
テレビで観た前節のマリノス戦は、同情の余地が・・・。


仕事場から駆けつけた直後。
柏は右サイドからアレックスのFK。
速いボールが中央に入り、古賀正紘がマークを外してヘディング。
実はこれは触れていなかったのだが、
GK岡本は飛び出しを躊躇して、ボールはそのままネットイン。

磐田戦でサイドから2点取られ、
マリノス戦で中澤を捕まえられずにセットプレーで先制された反省が
ここでも生きなかった。

前半はもう完全に、典型的な迷走チーム。
マークの受け渡しは悪い、パスの出しどころはない、足は動かない。
首を振り嘆くフクアリの人々。

柏はポポやアレックスもがんばって前線からプレスをかけ、
ジェフDF陣はバックパスを繰り返した。
雨上がりでスリッピーなピッチのせいもあり、セカンドボールをキープできず
なかなかボールが収まらなかった。
ちょっと足場が悪いくらいでトラップが覚束なくなっていいのか??

スタッツによると、前半シュート0。

しかし後半の後半、試合は変わった。
柏の運動量が落ちたせいもあるし、ジェフが選手交代で生き返ったせいでもある。
新居に代わってレイナウドが入ると、前線に基点ができた。
彼がドリブラーもパッサーもフィニッシャーも担っていたのは問題だが。

ジェフが作った、4つの決定機。
1)後半25分、レイナウドに柏の選手が3人引き付けられ、
 レイナウドの落としを谷澤はフリーでシュート。しかしゴール左。
2)30分、右に抜け出したレイナウド。中央とファーで2人のジェフっ子がフリー。
 レイナウドはGKを引き付けてファーのフルゴビッチにパス。外す。
3)32分、巻に代わった苔口がスルーパスに抜け出しGKと1対1になるも、止められる。
4)さらに37分、右からのクロスにレイナウドがフリーでヘッド。これもGKに弾かれた。

こんなに台所事情が苦しい柏なのに、
GKだけはアホみたいに層が厚い。今日マウスの前にいたのは、南でなく菅野だった。
起用は100%成功。

とはいえ、この4つの決定機はすべてシューターはフリーだった。
菅野の好セーブを不運と嘆くのは簡単だが、
残念ながら、なかったのは不運ではなく技術だと思う。

2分け8敗。あまりにも、重い。



感情的な部分はサポーターの方に任せます。

ちょっとジェフが気になる第三者である僕の心に浮かぶのは、
ゴール裏でハーフタイムも試合後も歌い続けるサポーターへの敬意と同情。

なにしろ、こんな事態になった理由があまりに明確です。
「否」だけでなく「賛」の声も見受けられたオフの動きでしたが、
今となっては失敗以外の何物でもないでしょう。

だから、簡単には選手は責められない。
シーズン前、残った選手を精一杯励ましていこうと誓ったことと思います。
一方で、ゴール裏に呼び出して吊るし上げにしたい相手である
淀川前社長はあまりにもひっそりと、「任期満了で退任」してしまっているのです。

憤懣、やる方、なし。
その気持ちを歌に代える彼らに、ちょっと感動すら覚えました。


ただし、一点だけ生意気ながら言わせていただきます。
ジェフの選手は、開幕時と比べて、レベルアップしていません。
そこに関しては、フロントのせいではありません。

サポーターに挨拶に回るとき、
坂本が真っ先に小走りで行き整列し、巻が少し後を追い、
その後ろをうつむいた残りのメンバーが歩いてくる、という光景が見られました。

ブーイングはほとんどなかった。


僕はこれを、坂本のリーダーシップを示す美談としては捉えません。
選手の間で、何かが壊れつつあるんではないだろうか。
そういう印象を受けました。

千葉 0-1 柏



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2008年04月28日

苦難は続く・・・ [千葉vs磐田]

Match No.038 2008.4.26
<サッカー>
J1リーグ第8節
ジェフユナイテッド市原・千葉vsジュビロ磐田
@フクダ電子アリーナ

谷澤のビューティフルゴールがビューティフルだと知ったのは、
大型ビジョンのリプレイを見てからだ。
遅れて来た大学生くらいの二人連れを列の奥に入れるために一瞬腰を浮かし、
ピッチから目を逸らしてしまっていたのだ。

そいつらの連れが私のビールのコップを倒して席に入っていったわずか3分後だった
(前の人に平謝りしたのは言うまでもなく私だ)。
ここが神聖なるサッカー場でなければ、我慢できなかっただろう。
遅れて来たくせにCKの最中に席に入ろうとするその神経は、
平成生まれのせいなのか、諸君!?
(しかもおまえの女、まっっったく可愛くないじゃないか!)

失礼。

1ヶ月と2週間ぶりに見たジェフは、かなり苦しんでいた。

前半は良かった。
ボールの奪いどころがはっきりしていて、闇雲に前からプレッシャーに行くのではなく、
磐田のボランチにボールが入った時点で猛然と取り囲み奪う、
という作業に4、5回成功していた。
巻の不在を感じさせなかったし、2列目3列目からの飛び出しも見られた。 

しかし1-1で後半になると、磐田にボールを支配される時間が続いた。
後半12分、左右にボールを回され、千葉は足が止まる。
磐田の左サイドで2対1を作られ、河村がフリーでクロス。
中ではこれまたマークの外れたジウシーニョが、
ヘッドでボールを叩き、ゴールに入った。

開幕してしばらくは、クルピ監督や選手のコメントには、攻撃の課題が多かった気がする。 
しかし今日の試合を見る限り、問題は守備にこそあるのでは?と思わざるをえなかった。 
もしくは攻撃の苦労が、守備にまで悪影響を及ぼしたか…。 

申し訳ないが斉藤大輔のスピードはそろそろしんどい印象だ。 
いや、それよりも今日はサイド。
3バック気味で臨んだがフルゴビッチの後ろを突かれた。
かといって、米倉を馬場に代えて下村の守備の負担が増してからは
真ん中でも劣勢だった。

馬場(おれのユウタ)は62分に入ってファーストタッチで
新居へスルーパスを通した。
後半最も惜しいシーンだった池田のヘッド(→ポスト)に合わせたのもユウタ。

東京時代から、彼をどう使うかは誰もわからなかった。
ボールにたくさん触りたいタイプなので先発で使ってリズムを掴ませるのか。
途中から投入して試合の流れを変える1本のパスに賭けるか。

いずれにしても、工藤・青木孝太・ユウタ・新居・・・と、
高さには難のある攻撃陣だ。
くさびが入らないとボールが落ち着かず、守備にも負担がかかる、というサイクルなのかな。


大物外国人を連れてきてカウンター+ズドンのチームにしたら、
(真相はわからないが「脱オシム路線」とすら言われている)今季の「人材一掃」が
一体なんだったの!?となるのは目に見えている。
だけど、そうでもしないとヤバイ、という雰囲気はすでに十分に漂っていると思う。

悪循環。


昔ジェフが毎年残留争いをしていた時代に、
「生涯J1」という横断幕を見た覚えがある。
シンプルだけど、なんだかグッとくるフレーズだった。

がんばれ。ジェフ。


千葉 1-2 磐田

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2008年04月07日

ホーム初勝利に遅刻 [東京vs札幌]

Match No. 031 2008.4.5
<サッカー>
J1リーグ第5節
FC東京vsコンサドーレ札幌
@味の素スタジアム

カボレがついに、味スタで初ゴール!

……。自転車置き場にチャリを停めていたら、
スタジアムから東京ブギウギが聞こえてきて、
直後に「カッボーレ~」のコールが。
あ、点入ったんだな、と。
そしてこのあと、両チームとも
ゴールネットを揺らすことはなかった。
要領が悪いよなぁ。
天気が良すぎて、チャリをこぐスピードが遅くなりがちだったせいだな。

味スタで半年ぶりの勝利。
この勝ちは、デカイ。
というのが前提でこの先を読んでいただきたい。

先制点後の約80分間については、
評価が難しいと思う。
ゴール裏サポが前半ずっと楽勝ムードだったのは
相手が札幌だからだろう。
事実、後半の攻め立てられた時間帯にも何となく
安心して見ていられたのは
ダヴィ不在の札幌がイマイチ迫力に欠けていたせいだ。

追加点は奪えず。札幌の守りはさすがに固かった。
セクシー東京が垣間見られたのも前半だけ。
大竹の作り出すファンタジーに
チームもファンも頼りきっている感は否めない。

まぁ、僕も自分ではわかっている。
今の段階で多くを求めすぎてはいけないのだ。
城福さんも、1年間かけてだんだん強くなっていくチームを目指している。
だから、チームの完成度が増した終盤に、
目標である優勝争いに顔を出している状態にあるためには、
勝ち点を計算できる相手に勝ち切ったことは評価していい。

ただ、今日あるいは水曜日のマリノス戦で、
開幕戦よりも内容が停滞した理由は何なのか
というところは我々ファンも問い詰めていいと思う。
エメルソンや石川の故障でベストメンバーでないことが理由なのか、
あるいは時期的に単にチームが「未熟」で波が激しいだけなのか。

城福さんは、故障者のいないポジションでも状態のいい(と彼が判断した)選手から起用し、
メンバーを「ムービング」させ続けている。
サッカーは中盤の選手だけでやるわけではなく、
監督が今のような選手の起用法をやむを得ずではなく積極的に採用している以上、
エメルソン・石川の怪我だけに苦労の原因を求めるのは理屈が通らない。
さらにリーグワーストクラスの失点の多さは、もっと説明がつかない。

センターバックが5試合で5人出てきている事実や、
状態のいい選手を登用する方針のわりには
不出来甚だしかった梶山をマリノス戦で使い続けた采配など
信念があるようでないような。

もちろん我々ファンは、
本当は城福さんがメンバー選考で模索中なのだとわかっている
(調子のいいメンバーから使うなんて、ほんとは人材豊富なチームしかできない)。
現時点でとやかく言うのが野暮だとも知っている。

でもそれは、彼の示した「ムービングフットボール」への共感と支持が根底にあるからこそ。

理念や発言が先に立ってしまう怖さを僕は感じるのだ。
理念が先に立ってしまった以上、僕のように揚げ足を取る人が出てくる。
また、彼が毎試合ベストメンバーで挑んでいると言い張るのなら、
理屈上は故障者云々に関係なくチームは進化を見せ続けないとうそになる。
言葉の裏に隠れる台所事情を察してくれる人ばかりではない。

開幕から2カ月と1週間で13試合も消化されるこのリーグは、甘くはない。 
3月29日から5月10日まで、清水戦以外すべて関東での試合だというアドバンテージと、
鹿島もガンバも浦和も6月以降の対戦だというご加護を、生かさない手はない。

GWを過ぎても今とあまり変わらないようだと、胸がざわついていまう。
実はそんなにのんびりもしていられない、と気付いてるよね、監督ぅ。


とかなんとか言って、実際は気楽に試合を見てるのに、
ついあら探しをしてしまう自分に嫌悪感。
そもそも今日の文章がぐっちゃぐちゃだしな。
ブログって、怖いよな。  

東京 1-0 札幌

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