2009年11月01日

ナビスコカップを情緒的に語る【2】

ナビスコカップを情緒的に語る

【2】ナビスコって素敵だよね

僕は、この大会の歴史への浦和レッズの貢献について、
その大きさを認めざるをえません。

金曜発売のエルゴラッソの一面には、
2000年の決勝を戦った川崎の集合写真が載っていました。
懐かしい面々が並んでいる以上に衝撃的なのは、
彼らの後ろに写り込んだ国立競技場のバックスタンドが、
空席だらけだという事実です。

当時のJリーグは、磐田と鹿島が交互に覇権を掴み、
玄人目にはひとつの黄金期ではありましたが、
観客動員についてはどこもかなり苦戦を強いられていました。

ナビスコカップも例外ではなく、
その意義はあくまでリーグ戦のおまけでしかなく、
アビスパ福岡の「ピッコリ事件」に象徴されるように、
各クラブのナビスコの位置づけについては温度差がありました。
というか、真剣度が低かったのです。

僕は1998年の決勝戦、ジュビロ磐田対ジェフ市原を
部活帰りにふらっと立ち寄る感覚で当日券を開始間際に買いだいぶ余裕のある上層スタンドであくびをしながら見た覚えがあります。
決勝とはいえナビスコなんてそんなもんでした。

98年の市原にしろ、00年の川崎にしろ、
そもそも決勝に残ってはいけないレベルのチームでした。
これは、他のクラブがナビスコを真剣に戦っていなかったひとつの証拠だと思います。

しかし、浦和レッズは、いや浦和サポーターたちは、そんなナビスコの状況を、
見事にひっくり返してしまったのです。

2002年の鹿島対浦和の決勝は、
J2という地獄を見た浦和が初めてタイトルをかけた一戦。
2003年の同カードは、
その浦和がついに初タイトルを手に入れた一戦。

のちに浦和がアジアを制するに至る過程をなぞるうえで、
この両年の決勝戦は大きな歴史的意義を有するといっても過言ではないでしょう。
そして、国立を真っ赤に染め上げ、
ほんの2000円かそこらのチケットを宝石に変えてしまった浦和サポーターは
ナビスコカップ決勝戦の価値を高め、
このタイトルがサポーターを心の底から喜ばせることができるのだと
他クラブの選手やフロントに気付かせたのです。

そしてそれ以降、
ナビスコカップ決勝はほとんど「ハズレ」のない試合を提供し続け、
それぞれに物語を残しています。
(2007年の川崎には少しがっかりしましたが…)

2004年の決勝は史上最高のスコアレスゲームと
(確か識者の誰かによって)評される好ゲームで
首都に初めてタイトルをもたらし、
2005年はオシムサッカーがひとつの結晶を残しました。
PK戦を見ずに下がってしまったお爺さんには笑ったものです。
翌年は3年ぶりに得点が決まり(笑)、思えばこれば離散前の最後の
ジェフ黄金期メンバーの勇姿でした。

そして昨年は、弱小財政の田舎クラブ、大分の初載冠。
「サポーターがどうやって国立に行くのか」からして話題になるなんて、
なかなかありえない出来事です。


とにもかくにも僕たちは、
浦和サポーターに感謝しなければなりません。
(でも、もうチケット争奪戦の相手にはならないでください。)

ナビスコカップは立派に育ちました。
「ベストメンバー使え」と言いながら、
「若手だけの大会にしてしまえ」などとのたまう某御仁は、
苦しい時代にもスポンサーを離れずにいてくれた
ヤマザキナビスコ社様に対して失礼だと思わないのでしょうかね。

代表戦のウラで1億円をかけて平日に予選を戦う「快感」。
満員の国立で1発勝負にかける「快感」。
たまりまへん。

ありがとう、オレオ。ありがとう、リッツ。


次回は、「大胆にも今年の決勝を占う」の巻。

posted by sot-escape |22:56 | FC東京 | コメント(0) | トラックバック(0)
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