2009年08月20日
他人を批判するならば。
普段、「単なる批判」めいたことは極力書かないようにしているんですが、ちょっとあまりにも気になったことがあるので特別に書いてみたいと思います。それは、記者自身の業界批判について。 まずは8月14日の「ターザンカフェ」より、元週刊プロレス/格闘技通信編集長、ターザン山本!氏のコラム、「企業スポンサーがいなくなってしまったのか、K-1のGP大会・・・」より。 「結局、格闘技団体も格闘技マスコミも、どうすれば格闘技の魅力を世の中に伝えていけばいいのか? その戦略がない。まあ、やっている人間に哲学がないので仕方ないか」 次に、今月上旬に発売された「ゴング格闘技PLUS」の中の緊急座談会「青木VSシャオリンは是か非か!?」の中の発言。 「プレスルームでは、あの試合の見方、あるいは疑問点を伝えようとすることを放棄しているような感じがしたんですよ。『分からないから面白くない』っていう空気が蔓延していたというか。今回『是か非か』がテーマなら、僕はそれこそが『非』だと思います。『分からないから面白くない』の言葉で片付けられてしまう格闘技って、大丈夫なのかなと思います」(中村拓己氏) 「『とにかく寝技に行きなさい』っていう求められ方──メディアに答えが全てあるっていう伝え方が多くないですか。その答えまでのやり取りの面白さを伝える状況じゃなくなっている。メディア自身がそういう世間を作り上げた」(高島学氏) それぞれの文章・発言が言わんとしていることは、もちろん分かります。ただ、それにしても、「格闘技マスコミ」「プレスルーム」「メディア」「世間」……。他人を批判したいにしては、その対象がぼんやりしすぎです。何かを論じたいにしては、あまりにも大掴みの「ムード」で語りすぎでは?と思います。 こんな自分でも、以前には部下を指導していた時期があって(我ながらかなり厳しい指導だったんですが・笑)、その時に気付かされて、肝に銘じていたことがあります。それは、 「何となくいいよね」はいいけど、「何となくダメ」は言ってはいけない。 ということ。誉めるとき、いい評価をするときには「理由は分からないけど、何となく」とか「うまく表現できないけど、全体のムードが」とかが存在しても構わないんですが(もちろん、いつもそれではダメですが)、批判するとき、悪い評価を下すときには、それでは言われる方は困ってしまいます。言う側は「困らせる」ことが目的ではないでしょうから、これではわざわざ労力を使って、誌面なりスペースなりを使って発言している意味がなくなってしまうと思うのです。 特に後者の座談会の主旨は、それこそ「伝える側がムードに流されてはダメ。見方の多様性、細かいポイントもしっかり伝えていくようにしなければ」ということだと思うんですが、ならば余計に、ムードに流れかねない言葉遣いには注意すべきでしょう。 以前、「桜庭和志VSケスタティス・スミルノヴァス」戦でストップのタイミングが議論されたとき、「桜庭が殴られていたとき、プレスルームでは笑いが起こってたらしい」と書かれていたのをどこかで見たことがあります。その時、自分はプレスルームにいましたが、自分もその周囲にいた人間の誰も笑ってはいませんでした。誰か、笑っていた人がいたのかもしれませんが、「プレスルームでは」という言い方は、「記者がみんなそうだった」というイメージを言外に植え付けます。 今回の「青木VSシャオリン」戦の時は、自分はプレスルームにはいませんでしたが、何十人という記者の全員がいる中で「という空気が蔓延」ではちょっと乱暴すぎるのではないか、と。もちろん、名指しにしてつるし上げろというわけではありませんが、上にも述べたとおり、批判するならその対象はしっかり定めなければ意味をなさなくなると思います。 座談会の話ばかりになってしまいましたが、山本さんの方に関しては、それこそ何に目を通して発言しているのか、と。記者でもない一般の人を引き連れての観戦で、「哲学」を云々されても困ります。それこそターザン体制の「週刊プロレス」の愛読者だった自分としては、山本さん自身にその見本を見せてほしいと、切に思います。
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posted by solitario |05:51 |
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他人を批判するならば。
コメント投稿者ID :
前後関係はともかく、俺は面白かったけどな。
プレスルームの描写とか、記者じゃないと書けない内容だし。
posted by 帰国 | 2009-08-20 15:08
他人を批判するならば。
コメント投稿者ID :
なんとなくですが、いわんとすることはわかりました。
ただ、2ちゃんねるがなぜ面白いかというと、悪口、貶し合い、妬み、が大量に書かれているからで、格闘技業界の発展を願う健全なライター達だけの健全な雑誌なんて面白くないと思います。
少なくとも今回のエントリーで個人名を出た方々は皆さん独自の視点で面白いと、僕は感じますが。
posted by たわし | 2009-08-20 20:12
他人を批判するならば。
コメント投稿者ID :
>「何となくいいよね」はいいけど、「何となくダメ」は言ってはいけない。
正論だと思います。
たしかに「批判」は「前進するためのもの」であって、批判した人間を困惑させて「立ち止まらせる」ためのものじゃありません。
たしかに感情にまかせて悪口や文句いってるのも楽しいですけど、その気持ちよさに酔って同じところでずっと立ち止まってるのもいずれつまらなくなります。
posted by kinzoh | 2009-08-20 23:41
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