2007年08月22日

再録シリーズ3 総合格闘技と打撃戦

 唐突に、再録シリーズの続きを。昨年3月3日に、「monologues of solitario」に書いた記事です。総合格闘技と打撃戦については、今でも格闘家に意見を求めることがあります。もちろん、それぞれのスタイルは尊重されるべきでしょうが…。ではどうぞ。

 先週から今週にかけて、選手へのインタビューが相次いだ。わりとキャリアのある総合格闘家たちだ。そこで奇妙に共通して出た話題が、「今の総合は打撃戦ばかりになっている」という話。
 確かに、最近の総合の大会は打撃戦の割合がかなり高い。打撃を売り物にしている選手も多いし、ボクシングジムに出稽古に通うのは今や当たり前。大会によってはルール的な制約によって、どちらかというと寝技よりもスタンドでの打撃に展開しやすいように誘導している感もある。
 今回、話をしたのは、いずれもスタンドと寝技のバランスが取れている選手たち。彼らは長くやっていることもあって、「総合らしい試合を」と口をそろえる。総合らしい、とは、もちろん打撃や寝技、どちらかに偏ることなく、局面によってどうにでも対応できるような試合のことだ。
 ある選手とも話したが、これだけ打撃全盛となっている背景には、エメリヤーエンコ・ヒョードルやミルコ・クロコップに始まり、つい最近では五味隆典や山本“KID”徳郁の活躍が影響していることは想像に難くない。主催者側も、どんなお客さんでも沸くことのできる打撃戦を歓迎しているフシもある。
 ある選手は言った。「ディフェンスもろくにしないで、あの薄いグローブで至近距離で殴り合ってたら、選手たちはすぐ潰れてしまいますよ」と。他の選手は言った。「せっかく総合で、組み技も投げ技も寝技もできるんだから、打撃も合わせてどれも10点満点になりたい」と。そして、正面からの殴り合いに出ては結果が出せず、最近、スタイルチェンジして関節技で勝利を重ねだしたある選手はこう言った。「アマチュアと違うことをしなきゃいけないと思いこんで、派手イコール殴り合いになってた。単純すぎました(笑)。今は、もともとやってた柔道やサンボの技じゃなければ勝てないことが分かりましたね」。
 勝つことはもちろん大事。お客さんを沸かせることも、プロなら大事。だが、選手生命を維持しながら長くやっていくということも、同じぐらい大事だ。われわれは選手のやりたいスタイルや目指したい方向を否定することはできないが、捨て身の選手を手放しで誉めるのはそれなりの危険も伴う。打撃偏重の傾向にはかねてから疑問もあっただけに、彼らの言葉には頷かされることばかりだった。
 たまに、総合の試合で打撃オンリーの展開になると、客席から「キックボクシングじゃねーぞ!」と野次が飛ぶことがある。それは極端にしても、やっぱり「総合らしく」はまった試合の楽しさは格別なものがある。今回取材した彼らには、他の選手たちがもっとグラウンドや関節技をやりたくなるような、「総合の見本」となるような試合を見せてほしいと思う(いや、すでに十分すぎるほど見せてくれてる選手たちなんですけどね)。


 今後も機会があれば、たまに再録シリーズやっていきます。
 ま、そんなわけで。


※こちらもどうぞ。
「ソリタリオの格闘技PRESS!」(もう一つの格闘技ブログ!)
http://blog.olga.to/solitario/
「monologues of solitario」(身の回りのことなど、私的な内容です)
http://solitario.exblog.jp/


posted by solitario |11:10 | 格闘技雑感 | コメント(1) | トラックバック(0)
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この記事に対するコメント一覧
Re:再録シリーズ3 総合格闘技と打撃戦

こんばんは。確かに最近の総合格闘技の試合では、勝敗を決するパターンが決まっているような気がします。
どうしても、早い段階で決着をつけるには,立ったままでの打撃中心になるし、寝技になると、腕ひしぎ十字固め、あるいは、マウントからのパンチで決まることが多いと思います。
観客側としては、あまり勝負が早くつくのも物足りないと思うし、同じ攻撃ばかりでは面白くない感じがします。
総合らしい試合で、観客を湧かせるとなると、プロレスのような形(失礼)にならざるおえないかもしれませんね。
確かに、あまりにも勝敗だけにこだわると、選手生命が危うくなるから、心配な面もあるのは否めません。
むずかしい問題ですね。

posted by 空手の達人 | 2007-08-22 22:52

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