2006年07月23日

選手は実験台ではない!

「真王杯」終了しました。全10試合、内容的には文句なく面白かったのではないでしょうか? いやー、面白かった。細かいことはいくつかなくもないですが、20選手が見せてくれた、まさしく“キックボクシング”という闘いの前には吹っ飛んでしまうほど。自分の予想は9勝1敗。大熱戦となったラスカル・タカVSアトム山田だけ外しました。しかしラスカル選手も、あの延長戦(6ラウンド目)になってからKOで決めるとは! 気力で立ち続けたアトム選手もすごかったですね。まあ全体的にはほぼ順当に終わったという感じですが、終了後の抽選では次回、国崇VS藤原あらし、桜井洋平VS大宮司進という2大カードが決まってビックリ。このトーナメント、一回戦から「くじ引きマジック」を何度も見せられています。次も盛り上がりそうだ。今回、見られなかった人はぜひ!

 さて、例の「MARS ATTACK」について書きたいと思います。総合ルールにロストポイント制を導入した新ルールが、マスコミに発表されたのが前日の計量の時。「内部でのリハーサルや場内での周知の努力はできているのかな?」というのが、第一の疑問でした。実際に前日会見の際、MIKU選手はルールのことを聞かされてなかったですし。一昨日、「みんなが把握できてるかがカギ」と書いたのもそのためです。
 で、その疑問は悪い方に当たってしまいました。今までとは違う、新しくて複雑なルールです。いくつか不備が出たり、予期せぬ事態が起こるのはある程度仕方ないと思います。ただ、明らかに事前に防げていたであろうことが、あまりにも多く起こりました。二人のレフェリーの間で見解が食い違ったり、連絡がうまくいかず試合後に勝敗を入れ替えることになったり。主催者は「内部でリハーサルはしていた」と語っていましたが、だとすれば圧倒的に足りない、としか言いようがない。少なくともレフェリー同士があんなにモメていた(しかも小さな会場だからそれがすべて伝わる)大会は初めて見ました。
 まあこれも正直に言いますが、MARSにも仕事として少し関わっています。協力・お手伝いできることはしたいというスタンスでいます。第1試合の「審査員」をさせてもらったのも、そういう事情です(これは数人の関係者から冷やかされましたが)。ですがこの新ルールに関しては、自分も知ったのは前日。正直、過去、総合でこういった新要素を入れて、成功した例はないと言っていいでしょう。ですがとりあえず、一回目の様子を見てみることにしていました。
 そんなわけで自分は、新ルールがどのように決まり、どうやって大会初日を迎えたかはほとんど知りません(ちなみに会見資料や当日のプログラムの文章なども、自分は一切関わってないですからね、一部関係者の方々!)。
 ロストポイント制そのものや、各ポイントの大小などについては、これから改良・整備していけばいいことと思います。ただ、ほとんどリハーサルのないまま「とりあえずこの大会で見てみて…」と思っていたのだとすれば、残念ながらそれは間違った考えだと言わざるを得ません。
 なぜか? その大会で試合をする選手が置いてけぼりだからです。選手とのルールミーティングも当日の夕方だったと聞きます。「一本やKOで勝てばいい」といっても、ポイントはやはり重要な要素です。すぐに把握できるものではなかったと思います。この大会で様子を見て…となると、選手は実験台ということになります。それでいいわけがない!
 観客への周知も不十分でした。基本的に、パンフレットのルールコーナーは、よほどの工夫をしない限り読んでもらえないと思った方がいいでしょう。ましてや全く新しいルールです。開始直後に時間をかけて、ポイントを分かりやすく説明して、なおかつ実演してみせることは必須でしょう。そもそも、総合ルールにも初めて接すると思われる観客も多そうでした。映像なり実演なりで示すことはやはり不可欠と思いました。
 細かいことをあまりあげつらってもしょうがないので、以上にしておきます。実際に選手に気の毒なことになってしまった試合もいくつかあり、その対応、そして次に向けてこのルールをどうするか。新体制になったばかりらしいMARSですが、ここが一番の考えどころだと思います。

posted by solitario |09:38 | 取材記(総合) | コメント(0) | トラックバック(0)
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