2006年07月09日
あと2時間寝られたら…
多くの方には「初めまして」だと思います。ライターや何かをやっています高崎計三と申します。今日からこのスポーツナビ+でブログを書かせていただくことになりました。もともと自分の書いているブログでは「くだらないことやどうでもいいことの中に、思い出したように格闘技ネタ」という感じで、読者の方の支持もひじょうに少なかったのです が(苦笑)、こちらでは日々、取材している格闘技の話題を中心にお送りしたいと思います。よろしくお願いします。 さて、第1回の今回は迷うことなく、 「今までで一番、心に残った格闘家の言葉」を。 これまでいろんな選手にインタビューなどで話を聞いてきた中で、一番、印象深いのは、2003年12月、翌月の修斗・後楽園ホール大会でブラジルの強豪マルコ・ロウロとの試合を控えた勝村周一朗選手の一言でした。 「あとちょっと…あと2時間寝られたら、もっと強くなれる気がするんだけどなあ」 最近はZSTを主戦場にして、所英男選手の盟友としても知られる勝村選手。5月のZST「GT-F2」トーナメントでは、準決勝でその所選手を下し、準優勝の成績を残しました。彼は当時、鎌倉の養護施設で働きながら修斗参戦を続けていて、ついたニックネームが「リアル・タイガーマスク」。もちろん、自らが育った「ちびっこハウス」の子供たちのために闘い続けた漫画・アニメのタイガーマスク=伊達直人からとられたものです。 現在は格闘技に専念するためにその仕事を離れた勝村選手ですが、当時は選手活動と仕事の両立に、頭を悩ませていた時期でした。格闘家としても、上に行けそうな手応えがあったからこそ、でしょう。ですが、仕事も中途半端にはできない。彼の仕事ぶりは、今でも試合を応援に来る子供たちの必死の声援ぶりからも分かります。ああ、こんなに慕われ ているんだな、と。仕事としては離れましたが、今も「勝村道場」として、子供たちに格闘技(グラップリング)を教えていることからもその熱意は伝わります。 この時期の勝村選手には、仕事と格闘技、どちらも大事だったに違いありません。だからこそ、「もっと時間があれば…」ということになったのでしょう。 結局、そのマルコ・ロウロ戦は判定負けに終わり、これが現在までのところ、彼の修斗での最後の試合となっています。そして10ヵ月ほどのブランクの後、ZSTに初参戦。今ではZSTになくてはならない存在になりました。 今でも、多くの格闘家が仕事やバイトと両立させながら、練習や試合に臨んでいます。格闘技だけで生計を立てられている選手は、残念ながら一握りと言っていいかもしれません。だから、同じ悩みを抱える選手も多いことと思います。中にはその折り合いがつかずに志半ばで引退する選手も。我々の立場からは、「仕事をやめて格闘技に専念すれば?」なんて言えるものではありません。できることならすべての選手が、より満足のいく状態で、格闘技に打ち込める状況になれば、と思うしかありません。
posted by solitario |14:28 |
格闘家のこと |
コメント(0) |
トラックバック(0)


