2008年03月07日
名作野球マンガ探し・・・壱 【クロカン】
数多くある野球マンガの中で、独断と偏見で採点する<野球マンガ名作度>。不定期連載かな? 【クロカン】![]()
第一回は、文字通り存在感が大きい『クロカン』。通常のコミックの1.5倍はある厚みは、確かに読み応えがある。手に持っていると、腕が疲れてくるくらいだ(そんな事ないって)。作者は『ドラゴン桜』で有名になった三田紀房。出世作はこっちのクロカンだったように思う。 名も無き田舎の公立高校が舞台。母校の野球部の指導者をしていたが、保護者や学校とのトラブルで辞めた後、再び名も無き学校の指導者を引き受ける。それも金銭を要求して。その学校では、指導にお金を払えという。この設定がこのマンガの根幹。指導してもらう事がタダで当たり前と思い込んでいる部員。もちろん誰でもそう思っている。主人公の黒木監督は、お金を貰う対価として、それに見合うだけの指導を施すが、もちろん軋轢も多い。それを彼なりの理屈で乗り越えていくが、共感するところも多い。 作者は,もともと漫画家を志望していなかっただけあって、迫力があって味はあるもののその絵は下手・・・・。ストーリーもだが、私はやはりマンガとなるとその絵も評価の対象にしたい。しかし、そんな事を忘れさせるくらいこのマンガは奥が深い。水島高校野球マンガの遥か上を行く。ドカベンなど足元にも及ばない。これを読んだ後にドカベンを読む事は勧めない。 部員一人ひとりの心の描写や、甲子園に出場したクロカンの行動や仕草は、主人公だけあって面白い。野球の深層心理をしっかりと掴む表現が、今までに無かった野球マンガ。 「そんなに簡単に甲子園にいけるものか」 「坂本のような大投手が居たから」 などと突っ込みたくなるが、型破りなキャラクターはそれを成し遂げるパワーを感じさせる。大胆かつ繊細なのだ、見た目に似合わず。そして、自分で考える事がどれだけ重要なのかを教えてくれる。 そして、高校野球が故に起こりうる難問や障害。それを乗り越えて掴んだ栄冠。きれい事など排除した高校野球の姿がここにある。そして、甲子園に出るためなら何でもありの高校球界に対するメッセージも多い。今までに無かった作風が、新鮮な感じを与えるのが心地よいです。 作者のプロフィールからは、野球経験の有無は分からない。しかし、まったくの素人ではないことは、このマンガを読むと分かる。多くのプロ野球選手が絶賛するのも分かる。みなこんな指導者に憧れるのだろう。野球を経験した多くの球児が憧れる高校野球の監督と言うポジション。その理想に一番近いのがこのクロカン、黒木竜次なのだろう。 名作度★★★★★★★★★☆・・・・・★9個
posted by 蒼洲 |10:33 |
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