2009年06月12日

ROOKIE-卒業-・・・より泣けるドラマのあるところ。 

 ROOKIES-卒業-


 興行収入ダントツのトップ。
 
 この映画のブログのレビューを見てみると、その多くが大絶賛の嵐。しかし、YAHOO映画には☆一つしか与えていないレビューも目立つ。賛否が激しいということか。

 お酒も異性も映画も嗜好品だ。

 私が嫌いでも他の人の感想までとやかく言うつもりはない。

 
 しかし、あそこで☆五つをつけている人は、どこまで高校野球の良さを知っているのだろう。テレビ受けするイケメンたちばかりではない高校野球の良さを。


 そう言うと、多くの人は夏の甲子園での戦いを言うだろう。しかし、そこを目指して一生懸命に戦う地方予選の方が私は好きだ。


 ばかばかしいほどの設備と選手層の厚さの違いに挑むチーム。木っ端微塵に敗退することもあれば、たまにはそんな弱小チームがそれを食ったりすることもある。その多くは弱小公立校対強大私立校と言う構図だ。

 そんな戦いを目の当たりにする醍醐味。

 根が捻くれているせいか、こんな事が快感になる。


 そして、一番琴線を刺激するシーンが試合後に見られる。エールの交換をするシーンでは、その作法を知っている有力私立校の応援団と、にわか仕立ての部員による応援団しか居ない学校。上手い下手の問題ではない。

 試合で精一杯応援した事で枯れた声を出して更に叫ぶ。自分たちの思いも一緒に相手チームに声に乗せて送る。もう二度と来ないこの夏のこの一瞬。

 にわか仕立ての応援団は、その作法を知らない。しかし、相手の応援団はそれを温かく見守ってくれている。それは、応援していた相手チームの父兄やOB達も一緒だ。温かい拍手がそれを語っている。

 ベンチを出て来る高校球児。

 大きなタオルで顔を覆う彼ら。


 この日にかけてきた思いはそれぞれ違うが、それを失ってぽっかりと空いた虚を埋める術は、今は誰も知らないし教えてくれない。悔いが残らない球児なんて居ない。しかし、それを流れる涙が流してくれる。間違いなく彼らが生きてきた中で、一番熱い涙だろう。

 その涙を、監督からの言葉やチームメイトの表情がまた熱くさせる。


 
 私事で恐縮だが、かつてこの大会で敗れたベンチの中で、小さなドラマがあった。

 最後の相手は私立のシード校。コールド負けも充分あり得た試合だったが、結果0-4に終わった。圧倒的な力の差からすると、ひとまず善戦したと言うスコアだろう。

 帰り支度で道具を手に持ちながら、下を向いて嗚咽しているチームメイトも居た。しかし、私は冷静だった。いろんな思いが交錯して、涙腺には何の反応もなかったのだが、ここで部長の一言が効いた。


「こんな良い試合をして泣く奴があるか!」



 

 球場の外で、さっきまで戦っていたチームのキャプテンを探す。

 何をしたいのか。

 同級生が折ってくれた甲子園行きの思いをこめた鶴を渡すため。

 それと一緒に、預かったほかのチームの千羽鶴も渡す事もある。甲子園のベンチで見られる千羽鶴。そのチームが戦った、甲子園を目指した同じ高校球児のものだ。

 関わりのあった子の試合でこのシーンをカメラに収めようとしても、もういけない。オートフォーカスならば、シャッターを押せばいいことだが、ファインダーすら覗けない。

 今年は息子がその舞台に挑む。



 夢や奇跡と言う言葉の響きは心地よい。

 この映画でもそれはふんだんに出て来る。

 しかし、その言葉の美しさの裏にはどんな努力があるのかが描かれていない点が残念でならない。高校球児に品行方正を求める気もないし、たまに起こる不祥事にも目くじらを立てる気もない。まだまだ人として未熟なのだから。フィクションだから、あの髪型もユニフォームの着こなしも許せる。

 夢を叶えるために、奇跡を起こすために本物の高校球児がしている努力を描かなければ、ただのイケメン青春ウスッペラミーハー映画でしかない。


 あの映画で感動したと言う人。

 もっと感動したいのなら、夏の高校野球の地方予選に行ってみてください。あの映画を上回る感動シーンが随所で見られます。

 夏の炎天下に、スタンドで何時間も観戦する覚悟があればですが。

 試合が終わって、球場から出て来る球児を見れば、彼らの真摯な高校野球に対する思いが分かると思います。

posted by sohsyu |08:27 | アマ野球 | コメント(5) | トラックバック(0)
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ROOKIE-卒業-・・・より泣けるドラマのあるところ。 

コメント投稿者ID :

甲子園を目指していた身からすればなんともいいようのない作品で
呆れてしまう部分も多々ありますが、
どんな事がキッカケでも野球、高校野球というものに興味を
持ってくれる人が一人でも増えてくれれば私は嬉しいです。
最初はみんなニワカですからね。

息子さんの健闘を祈ります。

posted by コメ | 2009-06-12 11:33

Re:ROOKIE-卒業-・・・より泣けるドラマのあるところ。

コメント投稿者ID :

あの映画は野球映画では無いと思います。
不良が熱血教師に出会い大人になって行く青春コメディーです。

ドラマを見て映画を見に行った人達は野球映画を見に行ったのでは無くて青春コメディーを見に行ったのです。

青春コメディーとして見ればなかなか楽しめましたが、それでもドラマのクオリティですね。

お金を取って見せるにはちょっと造り込みがあまかったかな。

ドラマスペシャルだと☆五つ、青春コメディー映画だと☆三つ、野球映画だと☆一つかなー。

でも役者達は頑張ってたので、問題は監督ですね。

posted by hannyan | 2009-06-12 12:07

ROOKIE-卒業-・・・より泣けるドラマのあるところ。 

コメント投稿者ID :

見てないけど・・・ドラマとしてはいいけど、野球としてはどうしても楽しめなかった。野球ドラマって、役者が本気で演技をしているせいで、野球をやっている感じがしない。hannyanさんの言うとおり、あれは野球ドラマというよりは、青春ドラマといった方が良い作品。

甲子園・・・もう少しで、予選大会が始まりますね。僕も母校の後輩たちの練習を手伝いにいきますよ。

posted by YUKI | 2009-06-13 00:56

Re:ROOKIE-卒業-・・・より泣けるドラマのあるところ。

コメント投稿者ID :

先日東京新聞に読者からあの過剰な宣伝が正当化されそうで口惜しいと投書されていました。
改めて高校野球は現実に勝るものはありませんね。繰り返しになりますが、ホント長髪球児を乱発している作者は高校野球をちゃんと見ているの?と問い質したいです。

posted by sakaetyauai | 2009-06-19 08:49

ROOKIE-卒業-・・・より泣けるドラマのあるところ。 

コメント投稿者ID :

あくまでも漫画が原作なんだし、あんなもんでしょ。
実際の高校野球と真面目に比べるのもどうでしょう?

キャプテン翼やスラムダンクなんて、明らかに日本代表より強いし。



ドラゴンボールのキャラと格闘技比べたりしますか?

posted by れん | 2009-06-29 23:05

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