2009年06月20日

岡田JAPANチェック2

もう前のことになりますが、横浜で行われたワールドカップ予選・カタール戦を取材に行くことができました。

TVで見ていたウズベキスタン戦。(手元で)前半の35分くらいから試合終了までほぼ一方的に圧力をかけられ、攻めこまれた日本。かなり精度の高いチームであれば、3、4点は決められていてもおかしくはなかったです。
実際ウズベキスタンの決定的なチャンスはそれ以上か同等にありましたから。


全体が間延びし、中盤はぽっかりと穴があいたようになっている。


カタール戦に向かった理由は、なぜそのようになったのかを実際にグラウンド全体で見て確かめてみたかったというのもありました。



ウズベキスタン戦からのメンバー変更は、左右のサイドバック(内田、今野)。
ボランチの2人(橋本、阿部)。
そして攻撃的選手では大久保に代わって玉田。





気になった中盤の構成は、中村(俊)、岡崎が左右に。これは流動的。トップ下には中村(憲)。
ボランチは橋本と阿部。

ウズベキスタン戦とメンバーも異なるので、同じ目線での比較はできませんが、実際にグラウンドでの日本代表の戦いを目の当たりにして感じたこと。
結論から言うと〝集散のバランス〟でした。






岡田監督が掲げるサッカーは、ポゼッションを志向しつつ、ボールを奪われたら果敢に前から取り返しにいって攻撃につなげる。そしてそれを90分通して続けるハイテンションなサッカー。
…で、いいんですよね?

そしてシステムは、4-2-3-1もしくは4-4-2の変則型。

しかし、ワールドカップ出場を決めた試合、カタール戦で見たものはほぼ90分通して4-2-4に近いものでした。4-2-3-1の3の両ワイド、4-4-2の真ん中の4の両ワイドは、タッチラインとは言わないまでもパンパンにふくらんだ状態で、真ん中を留守にする状態が続いていました。
結果的に前からボールを奪う、いわゆるプレスに入っても----というかそれでは入れず----、相手の縦パス一本でCB、もしくはボランチとCBの間に簡単にパスを入れられ、人の侵入を許しています。


結果、両ボランチはジリジリと下がらざるを得ず、自動的にDFラインも深いポジションを取らざるを得なくなります。



中村(俊)選手は、岡崎選手、玉田選手とポジションチェンジをくり返していて一見能動的に見えましたが、実は〝人が代わっただけ〟ということでした。つまりパンパンに張った4-2-4を延々にくり返していたことになります。




それでも試合開始直後はDFラインも高く『縦にコンパクト』の状況をわずかに続けていましたが…。
ウズベキスタン戦の岡崎選手のゴールはまさに試合開始直後の縦にコンパクトで圧倒し、相手のウラを付く攻撃で得点できたわけです。
そうやってみると、2試合ともゲームの入り方という面では過去と比べると成長の跡が見受けられました。(後半スタート時も得点こそありませんでしたが、2試合ともまずまず)
ウズベキスタン戦の得点は前半9分。
カタール戦の得点は前半2分。

数字が実証しています。



つまり、岡田監督が意図する戦術(と言えるかどうかは別にして)的な部分を選手たちはある程度理解できているということになります。


では何が足りないから試合中盤から終了にかけてあのような事態に陥るか?





僕が個人的に思うのは、先ほども書いた集散のバランスの悪さでした。
要するに、いわゆるプレスを意識しての『縦へのコンパクト』は多少できるが、『横のコンパクト』さがまったく欠けているということです。

前からを意識しすぎるあまりワイドの選手は縦を意識し張り出し、トップ下の選手はウラへの一発をひたすら狙い続ける。
ゲーム開始直後こそ効果的だと思いますが、10分もやれば、例えアジアレベルとはいえ、単純にひいて待ってカウンターを狙うはずです。


日本代表の陣形をグラウンド上空から眺めた場合、縦の長さが短く、横の長さがゴールラインくらいの長方形(縦にコンパクト時)とちょうどグラウンドくらいの長方形(間延びした状態)を延々に作りだしていました。
当然のようにフィールド内は11人と決まっています。長方形内の上と下に人数がかかっていれば中はスカスカになるのは当たり前。中盤の守備は実質ボランチの2人が相手を見ていました。
カタール戦の阿部、橋本両選手のバテ方は記者席から見ていてもひどかったです。
前半から。



グラウンド上に正方形を描くことができない……『横にコンパクト』が全くない。
そんな印象でした。

守る側からすれば、縦にだけくるチームは、相手のスピードにさえ対処してしまえば楽なはずです。体を横に動かすこともなく、首を左右に振られることもないわけですから。
実際日本がサイドチェンジ(らしきもの)をやってもカタール、ウズベキスタンの選手が横に大きく揺さぶられる光景はほとんど見られませんでした。

(レベルがはるかに違うので人によってはお叱りをうけるかもしれませんが)今年のチャンピオンズリーグ決勝でのマンチェスター・ユナイテッドもなぜだかこの現象に陥っていたように見えました。





グラウンド上に正方形を作る……『横にコンパクト』が左右に揺さぶり、縦にも変形する。
つまり集散、拡大、縮小の使い分け、バランスを著しくなくしているのが、今の日本代表の欠点のひとつではないかと。
実直にプレスとサイド攻撃を守り続ける姿勢……。
それが生んだ縦のみの意識。


これでは決定機も迎えられないし、得点も入らない。さらに相手にどんどん踏みこまれる現象が起きるのは当然……。


ということで、またかなり長くなってしまったので。




続きます。

posted by まさのり |17:30 | プロサッカー(国内) | コメント(2) | トラックバック(0)
このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加