2009年06月07日

■日本サッカー12年の歩み ~日本×ウズベキスタン~ 【プレミアF】

■Uzbekistan 0-1 Japan

今回の結果における感想はさまざまなものがあるだろう。

アウェイの劣悪な環境の中つかんだ切符に対する歓喜。W杯ベスト4を目指すには物足りない内容に対する怒り。レフェリングも含めて不可解な点が多かった“アジアの試合”に対する呆れ。どれも正直な感想だと思う。どちらにしても、もちろん試合から教訓を得て反省するのは必要だ。しかし長く厳しい戦いが終わり一区切りついた今、少しは浮かれても許されるのではないだろうか。

そんな私の正直な感想は、ホッとしているといったところだろうか。


私にとって今回の予選は、過去を見返しても“最も熱くなれない予選”だった。

理由は大きく分けて2つ。信頼と、経験である。

岡田監督が目標としているW杯ベスト4に値する強さかは別として、アジアにおける日本の位置づけはトップ、控え目に言ってもトップクラスだと思う。個々のレベルの高さはもちろんのこと、過去3度W杯に出場している経験、監督の技量etc…。トライアルのキリンカップでのパフォーマンスは、もちろん課題も多かったが十分に及第点を与えられるものだった。何より相手の強行日程や無気力を差し引いても、同じ条件でチリとベルギーに内容的にも数字の面でも勝利を収められる国が他にいくつあるだろうか。

W杯で勝てるかはまだわからない。しかしアジアを勝ち抜くだけの実力は備わっている。もちろん厳しい戦いになるだろうが、最終予選とはどんな時でもどんな地域でもどんなレベルでも死闘が繰り広げられるもの。死闘を制すための経験と実力を日本は持っている。

これが日本に対する“私なりの”正当な評価だった。“信頼”と言い換えることができる類の評価である。


そして日本がW杯に出場するための条件が、難しいものではなかったゆえに、「なんだかんだで出場できるだろう」との楽観があったのも事実だと思う。そして多くのファンの方も同様の思いだったのではないだろうか。

私のW杯への戦いは1993年から始まった。当時、日本はまだW杯へ出場したことがなかった。実力が明らかに劣っていたわけではないが、韓国や中東勢に比べて勝った経験がなかった。そして当時、アジアに与えられた出場枠はわずかに2。本当に厳しい戦いだったのだ。結局日本は最後の最後で出場権を逃す。世にいう“ドーハの悲劇”である。しかし4年後、迎えたフランスW杯予選も同様に厳しい戦いだったが、第3代表決定戦にてイランに競り勝ち、“ジョホールバルの歓喜”を演じた。2002年には自国開催のW杯を経験し、2006年ドイツへの道も勝ち抜いてみせた。

もちろん、今回の予選も厳しかった。特にこの試合では、息の詰まる思いをされた方も多かっただろう。しかし選手たちには、監督には、そして少なくない我々ファンには勝った経験があった。アジアを勝ち抜いた経験があった。

自信と経験。

つい12年前、W杯は文字通り夢舞台だった。日本人は誰一人としてW杯のピッチに立ったことはなかったし、W杯に出場することが最大の目標だった。クライマックスの舞台はフランスではなく、ジョホールバルにあった。

しかし、12年経った今、決して過信や慢心ではなく、我々は自信と経験という2つの大きな武器を持っている。W杯に出場することが目標と語っていた指揮官は、W杯でベスト4に入ると豪語している。我々が期待するクライマックスの舞台は、ウズベキスタンではなく、南アフリカにある。

これは間違いなく進歩であり、素晴らしいことだと思う。

それがわかったことが、私は何よりもうれしかった。だから今回は、大喜びするわけでもなく、怒りをあらわにするわけでもなく、日本が“順当に”夢舞台への切符を手にしたことに、ただただホッとしている。


さて、本当の闘いはこれから。

アジアで勝てることは十分わかった。だから喜びもほどほどに、来年の本番に目を向けよう。

世界で戦える自信を、世界に勝った経験を、是非とも手にするために。本大会で熱くなろうではないか。

posted by so-ma |23:19 | ■日本代表 | コメント(0) | トラックバック(0)
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