2008年07月21日

■今期のフラムは一味違う! ~フラム×セルティック~ 【プレミア】

久しぶりに感じたスタジアムにおけるフットボールという空間は、今更ながら魅力的なものだった。芝生の匂いとボールを追う選手たち。彼らを温かくも厳しく見守るファンたち。

08-09シーズンの幕開けは、刻一刻と近づいている。

そんなことを感じさせてくれるクレイブンコテージでの時間だった。


■プレミア最下位と、スコットランド王者

これは非常に興味深い対戦である。まだ両クラブ共に2試合目のフレンドリーマッチであり、新シーズンに向けた準備を始めたばかりなのは承知の上だ。だがこのカードは昨期17位に終わり、プレミア残留組の中では最下位のフラムとスコットランドを制しCLでもベスト16に進出したセルティック。

“2強”を除き、決してレベルが高いとはいえず、数年前には(今も?)“プレミアシップへの参入”という動きがあったスコットランドの雄はプレミアの下位クラブ相手にどこまで戦えるのか。逆に、CLベスト16どころか、ベスト8以上に残っているプレミアのビック4と年中対戦しているフラムはセルティックをどのように迎え撃つのか。繰り返すが興味のそそられる、面白いカードである。


■セルティックパークと化したクレイブンコテージ

スコットランドのファンは恐ろしい。その表情はもちろんだが(笑)、クラブへ注ぐ愛情の度合いが、である。遠く離れたグラスゴーに本拠地を構えるクラブであるにもかかわらず、この日、クレイブンコテージに足を運んだ人間の多くはセルティックファンだった。

事実、セルティックファンにはゴール裏だけでなく、バックスタンドも開放されており、これはフラムサポーターのシートがゴール裏だけなことを考えると異常事態といえる。(メインスタンドはニュートラル。)試合前のチャントも当然セルティック側からのものが大半。まさにテムズ川のほとりに位置する小さなスタジアムはセルティックパーク、ロンドン支部と化していたわけだ。


■今期のフラムは一味違う!

だが、試合はセルティックファンが歓喜するものとはならなかった。そう、フラムのフットボールがスコットランド王者を凌駕したのである。

Fulham 

David Stockdale, Paul Konchesky, John Pantsil, Brede Hangeland, Andranik, Erik Nevland, Zoltan Gera, Aaron Hughes (C), Jimmy Bullard, Simon Davies, Bobby Zamora

スタメンはご覧のとおり。前々から的確ないい補強をすると思っていたが、ピッチ上でもこの補強が正解だったことを証明してくれた。

まず魅せてくれたのは、WBAから移籍してきたゾルタン・ゲラ。右サイドに入った彼は正確で鋭いクロスをゴール前に提供し、ネヴランドのゴールをアシストしたのだ。昨期、攻撃力でチャンピオンシップを制したWBAで攻撃のタクトを振るっていたゲラの加入は、フラムの攻撃力を一段と上げてくれることだろう。2シーズン前の活躍を見てもプレミアで通用することはほぼ間違いないだけに、どれだけチームに馴染むことができるかがひとつの鍵である。

そして得点だけではない。試合をコントロールしていたのはセルティックではなく、フラムである。それもそのはず、セルティックが攻撃の柱である中村俊輔を欠いていることを差し引いてもフラムは相手を圧倒するだけの想像力を備えている。

ジミー・ブラード、サイモン・デイビスにゾルタン・ゲラが加わった中盤…。彼らが攻撃を組み立て、前線でネヴランドが素早く動き回り彼らをサポートする。さらにポール・コンチェスキーとジョン・ペントツィルの両SBは積極的に攻め上がり、攻撃を流動化に導く。一方で守備面ではアーロン・ヒューズが目を光らせ、的確にボールを奪取しては上手くボールを捌く。

どうだろうか。目に浮かぶのでは?事実、彼らの展開したフットボールはなかなかに魅力的で、人をひきつけるものを持っていた。

さらにである。フラムのマーケットでの評価が高い要因のひとつが、仕事をやってのけた。ボビー・ザモラである。フラムの絶対的エースだったマクブライドがクラブを去ったことにより、補強が必須だったポジションは他でもないFWだった。ザモラはプレミアでの実績があり、しかもマクブライドとタイプも似ている。これ以上ない…といっては言いすぎかもしれないが、かなりのはまり役なのだ。

後方からのスルーパスに反応したネヴランドの折り返しを、ザモラが豪快なボレーで叩き、ゴールネットを揺らす。連携面ではまだ課題のあるザモラだが、求められている得点という結果を早くも奪って見せた。上々のフラムデビューを飾ったわけである。


前半終了間際、FKから失点し、後半はフレンドリーマッチにありがちな交代のオンパレードで試合云々というレベルの話ではなくなってしまったが、前半を見る限り、今シーズンのフラムが躍進する要素は、少なくないと私は予想する。(頑張れ、ハマーズ、サウスウエスト支部!笑)


■スコットランド王者は…

Celtic 

Mark Brown, Andreas Hinkel, Lee Naylor, Stephen McManus (C), Gary Caldwell, Scott MacDonald, Scott Brown, Massimo Donati, Barrry Robson, Chris Killen, Aiden McGeady 

一方のセルティックは得点機は何度かあったものの、内容的には寂しいものとなってしまった。歓声が上がったのは、特にマッキーディが個人技で魅せたシーンと得点を含めた決定機ぐらいだっただろうか。個人的には、リー・ネイラーのクロスは芸術的だなぁと思ったが。

(毎度のことだが)攻撃には形がなく、全体的に個人の力に頼っている面が大きい。中盤の攻防に関してはスカスカだったというよりもフラムのパス回しを褒めるべきだろうが、それにしてもCLで戦うチームとしては物足りない。中村俊輔の存在の大きさを感じさせると共に、彼に代わるプレイヤーの不在がなんとも不安である。ちなみに水野晃樹は後半70分過ぎに登場するもほとんどボールを触ることが出来ず。こちらも新シーズンに向けた準備が万全なものになるのか、少々心配である。


■新シーズンへの期待

約2ヶ月ぶりにスタジアムへ着てみて、やっぱりフットボールが好きなんだなぁと実感することが出来た。私は明日、日本へ帰国するが、それでもフットボールは変わらない。人生は続いていく。

新シーズンは我々に、どんな希望と落胆と歓喜と失望を与えてくれるのだろうか。

今からうずうずして、楽しみでたまらない。

posted by so-ma |07:17 | ■08-09 英国フットボール | コメント(3) | トラックバック(0)
みんトピに投稿 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをはてなブックマークに登録 newsing it! このエントリを Buzzurl に追加