2008年05月12日

プレミアシップ、運命の最終節 【プレミアF】

2008年5月11日は、大晦日であり、元旦である。

長かった07-08シーズンがこの日をもって幕を閉じるのだから、イングランド・フットボール・シーズンにおける大晦日と言い換えられるだろう。

そして、この日からファンたちの1年は始まる。王者に輝いた者はこの日から約1年間王者の称号を手にし、ライバルたちは苦虫を噛み潰してこれからも日々を過ごさなければならない。残留した者は歓喜に沸き、来シーズンへの想いを馳せられるが、降格した者にとってはこれから1年間、悔しさを胸にとどめて厳しい下部ディヴィジョンでの戦いに挑まなければならない。太陽が燦燦と輝いているプレミアシップという舞台を経験した者にとって、日陰で肌寒さすら感じるチャンピオンシップへと気持ちを切り替えることは容易ではない。

そんな運命の1日を振り返ってみることにしよう。

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(左から順位、チーム名、試合数、得失点差、勝点)

1 Man Utd 38 58 87 
2 Chelsea 38 39 85 
3 Arsenal 38 43 83 
4 Liverpool 38 39 76 
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5 Everton 38 22 65 
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6 Aston Villa 38 20 60 
7 Blackburn 38 2 58 
8 Portsmouth 38 8 57 
9 Man City 38 -8 55 
10 West Ham 38 -8 49 
11 Tottenham 38 5 46 
12 Newcastle 38 -20 43 
13 Middlesbrough 38 -10 42 
14 Wigan 38 -17 40 
15 Sunderland 38 -23 39 
16 Bolton 38 -18 37 
17 Fulham 38 -22 36 
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18 Reading 38 -25 36 
19 Birmingham 38 -16 35 
20 Derby 38 -69 11 


■ユナイテッド2連覇達成

Man Utd take Premier League title
Chelsea 1-1 Bolton

結局、メイクドラマは起こらなかった。

やはりユナイテッドは強い。今期ユナイテッド以外の4強と引き分けているウィガン相手だったが勝利を取りこぼすことなく2-0で完勝した。スタメンには今期のベストメンバーと考えられる面子が揃い、しかも得点を決めたのは今期ユナイテッドを引っ張ってきたロナウドと、ユナイテッドを築き上げてきた功労者であるギグスというのだから、スコアボードにすらユナイテッドの強さが反映する結果となっている。

対するチェルシーは、怒涛の追い上げ空しく、ボルトンの前に力尽きた。前回、いつ得点を決めたのか思い出すのに苦労するほどの時間、ゴールを決めていなかったシェフチェンコのゴールで先制するもロスタイムにCKからデイビスに決められ万事休す。

ある意味、今期を象徴するような結末だったといえる。ユナイテッドは先制し、しっかりと追加点を決めたのに対して、チェルシーは追加点を奪えずに、最後の最後で失点。チェルシーはこういった脇の甘さが無ければウィガンからも勝点3を奪えただろうし、数字上では優勝も可能だっただけに悔やまれる。(スタンフォードブリッジでのウィガン戦もロスタイムに失点し、勝点2を失った。)ただ終盤の追い上げは見事だったし、アーセナル戦やユナイテッド戦、CLリバプール戦など重要な試合に勝利してきている勝負強さには目を見張るものがあった。この悔しさは、5月21日、モスクワの地で是非とも晴らしてもらいたい。


そして、チェルシーの甘さとは対照的にしっかりと勝点を積み重ねてきたユナイテッドの優勝は至極順当な結果だったといえるだろう。

得点王に輝いたポルトガルの若きドリブラーを筆頭に、素晴らしいプレイヤーが揃っており、若さと老獪さが融合したチームは時に憎らしいほどの強さを見せた。エンターテイメント的な観点からみても高いポイントをつけることが出来るのではないか。安定した守備陣と構成力の高い中盤、運動量のテヴェスとパクチソン、そしてチームの柱であるルーニーとロナウドが絡む攻撃には胸を躍らされた。

まだCL決勝が残っているとはいえ、とりあえず2連覇を祝福したい。本当に、おめでとう!


■エバートン、再び欧州へ

Everton 3-1 Newcastle
West Ham 2-2 Aston Villa

こちらも妥当な結果に終わった。エバートンは難敵ニューカッスルをホームで見事粉砕したのに対して、ヴィラはモチベーションが無かったといって等しいウエストハムを相手に終盤までリードするも結局ドロー。この結果、勝点3を上積みしたエバートンがUEFAカップ出場権を手にした。

終盤、強豪との対戦が続き、やや息切れしてしまった感のあるマージーサイドの青だがシーズン半ばに見せていた堅守速攻は、これぞエバートン、と思わせる出来だった。選手層がそれほど厚くないエバートンだけに、シーズン通して高いパフォーマンスを維持することは難しいだろうが、来季に向けて戦力を整えてほしい。「プレミアは4強以外大したことない」と裏口を叩かれないためにもそろそろ欧州での結果がほしいところだ。

ちなみにこの日、筆者はアプトンパークを訪れていたわけだが、久しぶりにホームでいい空気を感じることが出来て満足している。内容的にはヴィラに押され、ハマーズは攻撃の形を持たずになんとなく試合を進めていたが最後にディーン・アシュトンの素晴らしいゴールが決まり、ドローに持ち込んだ。今期は怪我人が多く、満足のいくシーズンではなかったが、最終的にはトップ10でフィニッシュできたわけだから合格点を与えられるだろう。ただどうにかチームとしての形を来期は作り上げてほしい。メンバー的には欧州行きを争ってもおかしくないだけに、カービッシュリー監督の手腕が問われるところだろう。


■生き残ったのはフラム!

Fulham pull off great escape 
Reading sink Rams but go down 
Birmingham relegated despite win

個人的には優勝争いなどよりよほど気になっていた残留争いの行方だが、フラムがポンピーに競り勝ち、自力で残留を決めた。この結果、バーミンガムとレディングは共に大勝を収めたものの、わずかに及ばず。2クラブ共にチャンピオンシップへの降格が決定した。

シーズン序盤は北アイルランドコネクションが振るわず、サンチェス監督が解任されるなど不振に喘いだフラムだったが、怪我により戦列を離れていたジミー・ブラードやマクブライドといった核の選手が戻ってきたことで息を吹き返す。そして終盤戦の残留に向けた重要な試合で勝点3を積み重ねられたことが結果へと繋がったといえる。特にバーミンガムとの残留争い直接対決での勝利は様々な意味で大きなものだった。サンダーランドにホームで敗れたときには降格を覚悟したものだが、今となってはいい思い出である。

レディングはフラムとは対照的に、シーズン中盤まではまずまず悪くないポジションに位置していたものの、完全に失速してしまった。特に残留へ向けて士気が上がるであろう終盤戦に攻撃陣が振るわず、ダービー戦を除くここ6試合ノーゴールというのだから降格という結果は仕方ないといえる。チャールトンにレンタルしていたリタを呼び戻すなどやれることはやった印象だが力及ばずといったところか。

バーミンガムはシーズン途中にスティーブ・ブルース監督がウィガンに引き抜かれるなど激動のシーズンを過ごしたといえる。その後、マクリーシュ氏が後任として監督の座につき、冬の市場でエバートンから獲得したマクファーデンが完全にエースとして君臨。得点を重ねるなど明るい要素は少なくなかったが報われなかった。何よりバーミンガムダービーやライバルとの直接対決でことぼとく敗れたことがこのような結果に繋がってしまったといえる。(相手はレディング、ウィガン、フラム。後ダービーにも引き分けたは響いた。)


フラムは残り、レディングとバーミンガムは降格した。3チームの間に大きな差があったとは思えない。気持ちの問題、あるいは運といった要素がクラブの命運を分けたのではないか。そういう意味ではこれ以上なく人間的で、これ以上なく残酷で、まさに人生な様なものが、この残留争いから見えてきた気がする。


さて、07-08シーズンは今日をもって幕を閉じました。総括は次回以降に書くとして、まずは素晴らしい戦いを我々に見せてくれた選手や監督、各クラブの方々にお礼を申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。選手はしっかり休み、クラブ関係者は夏に命をかけて、来シーズンへ挑んでください。

そして各クラブを応援していたファンの皆様、本当にお疲れ様でした。
08-09シーズン、プレミアシップも白熱した、人々を惹きつけてやまない魅力に溢れたものになることを心より願っています。

posted by so-ma |02:15 | ■07-08 英国フットボール | コメント(20) | トラックバック(2)
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