2008年04月23日

勝負師の誤算 ~リバプール×チェルシー~ 【プレミアF】

■Liverpool 1-1 Chelsea

いくら“勝負師”ラファ・ベニテスであろうともオウンゴールという結末で試合が締めくくられようとは考えもしなかったことだろう。後30秒、いやあのクロスをクリア出来てさえいれば主審の笛は終了を告げていたはずなのに…。


■スリリングな試合展開。そして…

リバプール、チェルシー共に、主力選手の何人かが欠場するのではないかと報道されたいたのとは裏腹に、両チームともベストメンバーを組んできた。一概に情報戦とは言い切れないとはいえ、警戒しあっている姿が刻銘に表れている出来事とも読み取ることが出来る。それほどに彼らのライバル意識とCLセミファイナルという舞台は大きいのだろう。

試合としてはなかなかスリリングな展開だった。序盤、20分ほどはチェルシーがペースを握り、リバプールの弱点であるセットプレーからゴールを脅かそうとしたものの、赤い壁は集中力を切らさず。1度、物議を醸す要素を含んだシーン(ドログバに対するキャラガーのタックル)があったものの、この日のリバプールの守備陣は安定しており、チェルシーがゴールを脅かしたシーンは限られていた。

対してリバプールは43分のカイトの先制ゴール以外にもフェルナンド・トーレスがラインの裏へ抜け出し、1対1になったシーンやジェラードのミドルシュートなど得点するチャンスは多くあった。だがいずれもツェフのグッドセーブにあい、チェルシーに致命傷を負わすことは出来ず。逆に終了間際、カルーのなんでもないクロスの対応をリーセが誤り、自陣ゴールにボールをクリアしてしまったのだから…アンフィールドのファンはさぞかし不満を抱え、あるいは呆然として帰路についたことだろう。


■ラファの誤算

正直、いつもの典型的リバプール対チェルシーを予想していた者としてはゴール前でのシーンが少なくなかった試合にワクワクさせられた。過去2回とは違い、ファーストレグの会場がアンフィールドだった影響かもしれない。あるいは、決して守備が得意とはいえないF・アウレリオを左サイドバックに起用した点を見れば分かるとおり、ラファの攻撃的な姿勢がゲームに影響したといえる。

それだけに、93分までほぼプラン通りに試合を運んでいたであろうリバプールにとっては残酷な結果となってしまった。キャラガーは魂のディフェンスでドログバをほぼ完封し、マスチェラーノ、アロンソ、ジェラードの中盤はテンポ良くボールを回し、ゲームにリズムを与え、攻撃陣もある程度形を作り出していたというのに…。一発勝負においては絶対の自信を持つのがラファ・ベニテスであり、多くの選択肢から絞り込んだのが今日のイレブンだったというのに、予定外の事態によりF・アウレリオを失い、急遽送り込んだリーセがオウンゴールというプレゼントをチェルシーに謙譲してしまったのだから皮肉な話である。

ただチームのパフォーマンスとしてはチェルシーを上回っていたように思うし、第2レグがアウェイとはいえ、まだまだ可能性は残されている。それだけに気持ちを建て直し、勝負に挑んでもらいたい。おそらくリーセは召集から漏れるだろうが……。


■アウェイゴールを奪ったものの…

一方のチェルシーはスタートは良かったものの徐々に試合の主導権をリバプールに譲るとちぐはぐな場面が目立ってしまった。特に攻撃面ではドログバが孤立し、いつものようにマルダは何も出来ず、いつもとは違い、今日のJ・コールは精彩を欠いていた。ランプスも試合感が多少鈍っていたのか、いつもなら豪快にミドルシュートを狙う場面でもこの日はパスを選択することが多く、その性で決定機を逃してしまっていた。このあたりは週末のユナイテッド戦やレッズとの第2レグに向けて、変えていかなければならない部分であるように思う。

また、安定性のないグラントの采配だが今日も不満の声が上がるような采配だったのではないだろうか。上記したとおり、不調だったJ・コールがカルーに代えられたシーンはまだ理解できたし、さほど驚きはしなかったが、アネルカの投入が残り5分を切ってからになるなど、動きが遅かったのはなんとも…。1-0というスコア自体は決して悪いものではないし、このままでOKというのなら分かるが点を狙うのであればもう少し早い時間帯に投入すべきではなかったか、と個人的には考えてしまう。結果的に同点ゴールがもたらされたため、大きな問題には発展しないだろうが、今後を考えるとやはり不安が残ってしまう。

それにしてもいいGKがいるということは本当に重要なのだと改めて実感させられた。GKがツェフでなければ、ジェラードがチェルシーに引導を渡していてもおかしくはなかったし、大差での敗北すら考えられたのだから、それを救ったツェフは賞賛に値するだろう。


■舞台はスタンフォード・ブリッジへ

さて、スコア的にはチェルシーが一歩リードした感は否めない。ただ内容的には互角かリバプールの方が上だと私はみる。チェルシーは週末に大一番が控えており気を抜くことは出来ない。その緊張感がいい具合にミッドウィークまで続いてくれればいいが一歩間違えれば疲弊したり、糸が切れてしまうこともありえる。リバプールは敵地というハンデがあるにせよ、トーナメントに強い伝統がある。一概に、レッズが不利であるとは思わない。ただ、チェルシーには運があるようだし、何よりホームでは負けない。このあたりの要素を含めると…う~ん、五分五分としか言いようがない…か。


ちなみにこの試合が始まる前、引き分け6割、リバプール勝利3割、チェルシー勝利1割と予想していたが結果は引き分けに終わった。また当たらない予想をさせていただくならば、現時点で第2レグの結果は、チェルシー3割、リバプール5割、引き分け(延長突入)2割、とみるが皆さんはいかがだろうか。

posted by so-ma |07:06 | ■07-08 欧州カップ戦 | コメント(17) | トラックバック(6)
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