2008年04月16日

失意 ~チェルシー×ウィガン~ 【プレミアF】

■Chelsea 1-1 Wigan

こんなことをしているからサポーターから「ジョゼ・モウリーニョ」のチャントが起こるのだ。自分で自分の首を絞めているのだからかける言葉がない。せっかく優勝のチャンスが目の前にあったというのに、ほとんど自力で手繰り寄せることのできる距離にあったというのに見す見す見逃すとは…。

簡単に、本当に簡単に試合を説明しよう。

チェルシーは木曜のエバートン戦に備えて主力を温存させた。ドログバとランパード、マケレレはベンチにすら入らず完全休養を与えられ、J・コールもスタメンから外れた。

その影響から前半はグダグダのまま終了。

見かねて後半の頭から頼みのJ・コールを投入せざるを得なくなり、1点は奪ったものの、試合の終わらせ方が中途半端になり、相手にチャンスを与え、仕舞いにはエミール・ヘスキーのヘディングでチェルシーは沈められた。

負けに等しい引き分け。いや、今シーズンの終わりを告げる終了のホイッスルだったといっても過言ではない。この試合に勝てば首位ユナイテッドとの差は3のままで、プレッシャーをかけることができたのにもかかわらず、5まで広がってしまった。


■やはりグラントは、モウリーニョではない

確かに主力を休めるという判断は悪いとは思わないが、それにしても余裕を持ちすぎていたし、控えメンバーのモチベーションとパフォーマンスが低すぎた気がしてならない。マルダは覇気がなく45分でベンチへと下がり、ミケルも少なくないミスパスを相手に謙譲した。控えメンバーでローマに完勝したユナイテッドとは雲泥の差である。

これで言わずもがなグラントへの批判はさらに大きくなることだろう。エバートン戦へ集中したかったのは分かるが、仮にも残留争いに必死となっているチームとの対戦であり、中位に落ち着き、モチベーションの落ちているチームと対戦するよりよほど恐いチームだったはずだ。今シーズン、リバプールとアーセナルからは勝点を奪っている。あまりにも相手をなめ過ぎていたといわざるを得ない。あるいは控え組のモチベーションを管理する能力が低いことがこの結果を招いたといってもいいだろう。前任者が偉大すぎたことはグラントにとって不運だが、それでもファンは「モウリーニョだったら」と考えてしまう。

そして、この引き分けはグラントの進退だけに影響した結果ではないと私は思う。退団が濃厚といわれているドログバはもちろんのこと、ランパードはこの結果をどのように受け止めているのだろうか。自分が出場しなかった試合で、事実上ユナイテッドに王座を明け渡してしまったのだ。公のコメントでは当たり障りのない発言をするかもしれないが、心中穏やかでないことは間違いないだろう。

あるいは選手はもちろん、オーナーのアブラモビッチが悲願としている欧州制覇が達成されたなら、その結果いかんで変わってくるのかもしれないがファンや何人かのプレイヤーたちはグラントを許すことができるのだろうか。私はネガティブな方向に進むような気がしてならない。

もちろん、プレーするのは選手であって、監督だけの責任ではない。だが、プレイヤーを管理するのは監督であって、やはり舵取りがしっかりしないとクラブは安定しないのである。そういった点では、チェルシーにおけるグラントの地位が危うくなったことは間違いない。

いや、それ以前に…別にチェルシーファンではないのだがこんなに不甲斐ない試合を見せられて本当に残念だ。この日は比較的チャントが響いており、ファンも頑張っていたのに…。


■消化試合にはしてほしくないが…

残念ながら、“優勝決定戦”と銘打たれて白熱するはずだったチェルシー対ユナイテッドの対戦は、前者の失態により冷めてしまうことが濃厚のようだ。今後、チェルシーはまだしも、ユナイテッドが簡単にポイントを落とすことは考えにくい。勝敗に関わらず、勝点の上でユナイテッドがチェルシーの上を行くのはほぼ確実なのだから。

「ユナイテッドファンの方、優勝おめでとう」

とまではまだ言えないが、こんなことを書けてしまうほどレッドデビルズの2連覇は濃厚となった。本当に残念な、残念すぎるロスタイムのドラマだった。

そしてユナイテッドファンの方は、ウィガンファンの友人に、賛辞を送ることを忘れないでほしい。この試合の主役はチェルシーだったが、ヒーローはヘスキーであり、ウィガンのイレブンなのだから。

posted by so-ma |05:42 | ■07-08 英国フットボール | コメント(6) | トラックバック(1)
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