2008年04月12日

人間臭さ溢れるUEFAカップという舞台 【プレミアF】

なんという残酷な結末か。

火曜日にリバプール対アーセナルという激戦を目撃したばかりだったというのに、まさかその2日後に、その激戦に勝るとも劣らない死闘を目にすることになるとは…。UEFAカップ準々決勝、ヘタフェ対バイエルンの第2レグは極上のドラマと信じられないほどの残酷さが入り混じった、最高の試合だった。


■賞賛されるヘタフェ

試合をざっと振り返ると、まず最大のハイライトのひとつとなるであろうシーンは開始早々に訪れた。6分にヘタフェの要であるデ・ラ・レッドがレッドカードにより一発退場。ヘタフェはほぼ一試合まるまる、10人で戦うことを余儀なくされた。だが果敢なスペインの雄はブンデスリーガで首位を走るチームに真っ向から向かい合い、2度の、最大2点のリードを奪い、歴史的快挙を成し遂げる寸前までこぎつけた。しかし44分に奪った虎の子の1点を守りきれずに、試合終了間際にリベリーに同点弾を許すと、延長で2点のリードを奪いながらもこれまた試合終了間際にトニに起死回生の逆転弾を決められ万事休す。アウェイゴールによりバイエルンがセミファイナル進出を決めるに至った。

だが一夜明けたスペインではヘタフェを絶賛する声が相次いでいる。ファンからは「感動した」とのメッセージが多く届き、この日観戦に訪れていたレアル・マドリードのキャプテンであるラウールですら「彼らを誇りに思うべきだ」とのコメントを残してた。それほどまでに、彼らの戦いはスペイン人の心を打ったのだろう。

ヘタフェの例に限らず、UEFAカップという舞台においてはドラマティックな試合が少なくない。もはや勝利至上主義に犯されているといっても過言ではないCLでは起こりえないようなとびっきりの浮世話。いや、むしろ人間臭さ溢れる舞台だと私は思っている。

例えば思い出されるのは05-06シーズン、UEFAカップにおけるボロの躍進だ。


■ボロの演じた快進撃

このシーズン、ミドルスブラは劇的な、ほとんど映画といっても過言ではない逆転劇を演じ、決勝へと駒を進めた。惜しくも決勝では力尽き、準優勝に終わったものの、そこまで歩んできた彼らの道筋を本当に信じられないものだった。

準々決勝バーゼル戦、アウェイで0-2の敗戦を喫し、後がないボロだったがホームでもバーゼルに先制され、さらに絶体絶命に。しかしそこから怒涛の反撃を繰り広げ、ロスタイムにはマッカローネが値千金の逆転ゴールを決め、トータルスコア4-3でボロが劇的な逆転勝利を収めた。しかも物語りは終わらない。

準決勝ステアウア・ブカレフト戦のアウェイを0-1で落とし迎えたリバーサイドスタジアムでの第2戦、2点を先攻され、またも窮地に追い込まれた。しかしマッカローネ投入をキッカケにチームは奮起。4得点を奪い、土壇場で逆転に成功したのだ。おそらくサポーターたちはこの日のことを棺に入れられても忘れることはないだろう。わたしもまたしかり。

現ボロの監督で、当時主将だったサウスゲイトは「(決勝戦では)ファンを少しがっかりさせてしまった。しかし、UEFAカップで見せた快進撃は、忘れられない夜をファンにプレゼントできたと思う。(中略)決勝での敗戦は受け入れがたい。しかし、ミドルズブラが欧州カップ戦の決勝に進出することなど、5年前、いや5ヶ月前でも考えられなかった。我々のようなクラブにとっては大きな進歩だ。信じられない快挙だ。」と恥じることなく語っている。


■UEFAにも注目を!

最近はCLやら“ヨーロッパスーパーリーグ”やらといった話に関心が集まる傾向にあるような気がする。これらは(後者は実現すれば)世界最高峰の大会であり、魅力のあるプレイヤーたちの集いだということに疑いの余地はない。

だが、世界最高峰の戦いが最も魅力的な試合であるとは限らない。UEFAカップはもちろん、チャンピオンシップやJリーグにしても侮ることはできないし、そういった目でものを見るのは愚かなことであると思う。特にUEFAカップは「CLの下のカテゴリー」という認識がなされているため、注目されないことが多い。

だから私は言いたい。ヘタフェやボロの例のように、UEFAカップにも多くのドラマが存在する。それもCLよりもより人間臭いドラマが。CLなどだけではなく、UEFAカップにも注目すれば、より多くの楽しみを得ることができるかもしれない。

posted by so-ma |07:53 | ■渾身コラム | コメント(7) | トラックバック(0)
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