2008年03月11日
3×4以上の失望 ~泥沼のウエストハム~
■失意のハンマーズ 落胆、失望、激高。こんな言葉では片付けられないほどウエストハムのサポーターたちはストレスを溜め込んでいる。それもそのはず。ご存知のとおり、このロンドン第4のクラブは現在3連敗中…しかも3戦して得点はゼロ、失点はなんと12に上っている。 対Chelsea戦 0-4 対Liverpool戦 0-4 対Spurs戦 0-4 ここまで来ると、もはや呆れて笑がこみ上げてくる。まさに泥沼と表現するに相応しい事態といえるだろう。そもそも前兆はあった。攻撃に関してはフレディー・リュングベリの突破や前線への放り込みを多用するなど、個人単位での踏ん張りや運に頼るしかなく、チームとしての形を持っていないのだから。 事実、年が明けてからの12試合で6点しか挙げておらず、しかも私の覚えているかぎり、その内の3点はセットプレー絡み、そして1点はファールだった。つまり、流れからのクリーンな得点は2点のみ。さらに言えばその2点にしても1点はリュングベリの突破からディーン・アシュトンのヘディング、そしてもう1点もカールトン・コールのオーバーヘッドという個人の力に依存した得点といえるだろう。つまりチームとして相手の守備陣を崩して奪った得点は(あくまでも私の主観ではあるが)まだない。 前線が停滞すれば、守備にしわ寄せが来るのは至極当然だ。ここ3試合を除けば9試合中、3試合をシャットアウト、5試合を1失点に抑えるという素晴らしい成果を挙げていただけに悔やまれる。 ■問題点 問題がどこにあるのか突き止めることは非常に難しいが私は以下の3つが問題であると思っている。 1.怪我人の続出~攻撃の連携面を確立できず~ 序盤戦から怪我人が続出し、新加入メンバーも多い中、連携を確立できなかったというのが大きな痛手だった。次に挙げるが、カービッシュリー監督は戦術練習をほとんど行わず、トレーニングは紅白戦が中心となる。にもかかわらず、ボビー・ザモラ、ジュリアン・フォベールをはじめ、スコット・パーカー、フレディー・リュングベリ、クレイブ・ベラミー、ディーン・アシュトンといった主力級の選手たちが相次いで離脱し、戻ってきてもちょくちょく怪我をしてトップチームに合流できない状態が続いた。これでは攻撃の連携が確立できるはずなく、現在に至っているわけだ。 2.戦術なきカービッシュリー 少し前、ジュリアン・フォベールが「戦術練習をほとんど行わない」と監督批判とも取れる発言をしていたが、これが大きな問題となっていることは明らかだろう。戦術練習を行わないということは、選手の能力に依存する面が大きくなってくる。ある程度の決まりごとがなければ選手がイメージを共有することは難しい。紅白戦でそのイメージを掴めれば別だが、上記したように怪我人が続出し、同じメンバーで長い時間練習を行えない状態なのだから、それは難しいだろう。 カービッシュリー監督といえば、弱小クラブのチャールトンをプレミアシップに定着させた名将である。だが、一方でチャールトンの特徴はシーズン中(そう、時期的には今頃だ)必ずどこかで調子を大きく崩すことだった。チャールトンに比べれば戦力が充実しているウエストハムにおいても同じような現象が起きているということは彼のやり方に問題があると言わざるを得ないだろう。この辺りがイングランド監督の限界といわれてしまうゆえんか。残留で満足するならば別だが、クラブの方針や現戦力を考えればヨーロッパを視界に入れなければならない。そういう意味において、カービッシュリーの手腕にはやや疑問符が付く。 3.守備陣の疲労とリーダーの欠如 これが現在最も問題となっていることだろうか。基本的に今期、ウエストハムの4バックは左からジョージ・マッカートニー、マシュー・アプソン、アントン・ファーディナンド、ルーカス・ニールで固定されている。特にマッカートニーは出ずっぱりで、ニールやアプソン(リバプール戦で負傷)にしても疲労がたまってくる時期だろう。しかも守備に負担がかかっている今期なのだから余計に。 加えて、真のリーダーといえるプレイヤーの不在がこの負のスパイラルを止められずにいる原因となっている。どんなに疲労していてもある程度は精神面で補えるもの。連敗したところで、そのムードを払拭してくれるリーダーが強いチームに入る。だが精神面を支える者がウエストハムにはいない。キャプテンのニールは誰よりもやる気を失っており、最近の軽さは批判されてしかるべきである。アプソンやグリーン、アントンは実力者だがそういったタイプの選手ではなく、生え抜きの熱血漢ノーブルにしてもまだ荷が重い。現在はリーダーのいない船で、フラフラと漂う航海が続いているのである。 ■今後へ向けて… 怪我人が戻ってきたことは明るい材料だが、根本的な問題が解消されるわけではない。正直な話、もはやヨーロッパ行きの可能性は消えたに等しく、降格争いとも縁がない位置にいるだけに、のらりくらりのままシーズンが幕を閉じてしまうのではないかと危惧している。だが、まずは上記した3つの問題がどのような変化を見せていくのかに注目したい。ただ、もし…特に2つ目と3つ目の問題解消が難しいのであれば…早めに手を打ってしまったほうが来期のためはないか。 今後の判断に注目したい。そして次節、ブラックバーン戦に全力を注いでくれることを祈る。
posted by so-ma |03:40 |
■07-08 英国フットボール |
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