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文化としての高校野球

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愛され続けることが、文化を生む。


はじめまして。「けん」と申します。
これから不定期ではありますが、日米両方のスポーツの視点を持つ人間の一人として、思うところをお話ししていきたいと思っています。
気長にお付き合いいただけたら幸いです。


さて、今年も春の選抜高校野球が終わりました。
沖縄・興南が自校初の、県勢としても3回目の選抜優勝を成し遂げました。

春のみならず夏の大会も含めて、この国で「高校野球」が一つの文化として認知されていることに、異を唱える方は少ないでしょう。

それでは、この単なる高校生の一スポーツの全国大会がここまでの文化になった理由は何でしょうか。歴史や球場の持つ魅力など、いくつも考えられる要因はありますが、経営学的な観点から見ると、「ブランド・ロイヤルティの蓄積」という要因が大きいと思います。

ウィキペディアによると、ブランド・ロイヤルティとは、『消費者がある特定のブランドを繰り返し購買し、かつ他の代替となるブランドがあるにもかかわらず必然的にそのある特定のブランドを購買し続けること』を指します。その銘柄あるいは特定の商品に愛着を覚え、継続的に消費を続けることで、そのブランドに対するロイヤルティ(すなわち忠誠心)が醸成されるわけです。

では、高校野球のブランド・ロイヤルティはどのような要因によって形成されてきたのでしょうか。換言すれば、高校野球が人々に愛着を覚えさせたものは、①郷土の代表であること、②アマチュアリズム、③野球という競技の持つ魅力…であると思います。

高校野球のチームは、基本的にその都道府県の代表です。
どこの国でもそうかもしれませんが、自分の生まれた場所を離れて暮らしている人はいます。そのような人にとって、故郷を思い出させてくれる、郷愁を誘うものには心惹かれるものです。

加えて、「高校生であること」は高校野球を文化たりえた大きな理由であるでしょう。日本のスポーツがアマチュアリズムを基盤として発展してきたことは周知の事実です。ただの高校生たちが、見返りも求めずに、力の限りプレーする。そして、「負けたら終わり」の緊張感と儚さ。そういったアマチュアならではのひたむきさが、人々を惹き付けてやまないのでしょう。

そして最大の要因は、何と言っても野球というスポーツの持つ魅力でしょう。日本人はこのスポーツを、何だかんだ言っても、愛しているのです。それは恐らく、チームスポーツでありながら、個の力が求められるところが、人々の心を捉えて離さないからなのでしょう。

自分の生まれた場所の選手たちが、一生懸命にプレーする。
一人はチームのために、チームは一人のために、白球を追う。
そういったものに、人々は愛着を持ち続け、それが高校野球を一つの「文化」として成り立たせたのだと思います。


皆様のご意見をお待ちしています。



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文化としての高校野球

>のり

>高校、プロは上手く行くのに、大学がそんなに上手く行って
ない。何でだと思う?

恐らくそれは、アメリカのcollege sportsの役割を高校が担っているからだと思うな。
アメリカだと、プロに行く選手はほぼ大卒じゃん。それは、大学になって初めて全国規模の大会があって、そこで活躍することがプロへの道になってるんだと思う。
日本だと、高校レベルでも全国大会がたくさんあるからね。野球のみならず、サッカー、バレーなんかの全国大会もTV放映されるし。だから、「プロになりたい」と思ってる子はそこで頑張ればダイレクトにプロに行ける。だから、プロ選手になりたいと思っている多くの子供にとって最短の道は、高校で頑張ることなんだと思う。
だからこそ、大学は「高校以上、プロ未満」の選手の受け皿でしかないのが現状なんだと思う。いわば、プロになりたいけどなれない選手たちが鍛錬を重ねるために4年間通う場なんだろうね。

>スターがいないって言っても、ドラフト一年目で活躍する人達のほとんどは、大学生、社会人じゃん?何でここまで甲子園はにぎわうの?

その通り。プロになるために大学や社会人で2年ないし4年プレーしてきたんだから、即戦力となるのは当たり前。
それでも甲子園が廃れないのは、それが「高校生の野球」であるからだろうね。高校生の持つ純粋さ、ひたむきさ。そしてそんな少年たちがチームのために全力を尽くすこと。負けたら野球をやめなきゃいけない緊張感。そういうものが、観る人の心を鷲掴みにしているんじゃないかな。

>kimiさん

はじめまして。
メディアの役割については仰る通りだと思います。あれだけのスポーツイベントですから、新聞やTV、ラジオも報道せざるを得ません。メディアが「文化」の形成に一役買ったということは否定できないと思います。
ただ、メディアが流す大量の情報は、「ブーム」こそ生めどもそれを永続化させて「文化」たらしめるには至りません。(高校野球で言うならば、「ハンカチ王子」フィーバーがよい例です。あの時斉藤投手を追っかけていたおばさん達の何人がその後も高校野球を見続けているでしょうか。)
やはりそこに、コンテンツとしての魅力がなければならないのでしょう。

「地元が意外と盛り上がらない」というご指摘ですが、私はそれには学校のあり方が影響してると思ってます。学校というのは基本的に生徒とその保護者、家族、親類、そして教員とその家族で成り立つ非常に小さいコミュニティです。従って、今までは「閉ざされた学校」だったと言えます。ですから、例えばある高校の野球部が甲子園に出場したとしても、盛り上がるのはその学校の直接の関係者だけで、地域社会の人々はいまいち盛り上がらないという傾向があったことは否めません。
現在は、学校のあり方を開かれたものに転換していこうという流れになってきています。地域社会と連携することで、教育効果を上げようというのが第一の目的なのですが、私は「高校スポーツ」という視点から、これが地域社会と学校との感情的つながり(あるいは絆)を生むよい要因になりえると思ってます。つまり、学校が地域社会の人々や学校のステークホルダーとネットワークを構築する上で、その中心に学校のスポーツを位置づける。言い換えれば、高校のスポーツは、学校が地域社会の一員となりひいてはその中心となるための重要な役割を担うことができるはずです。

文化としての高校野球

高校野球の発展はテレビ局や新聞社など、メディアの果たした役割が非常に大きいかと思います。僕もテレビや新聞に大きく取り上げられる甲子園に憧れて野球を始め、いつかはあそこでプレーしたいなと思い続けていたものです。結局その夢はかなわないまま、いい「おっさん」になってしまいましたが、今でも甲子園に対しては特別な思いがあります。つい先日のセンバツ大会も海外からインターネットを通じて試合を見ていたほどです。こうしたメディアをつうじていわゆる「文化」が形成されたのではないでしょうか?

ただ僕は高校野球(甲子園)が必ずしも文化だとは思わないんですよね。僕の考える野球文化っていうのはもっと人々の生活に根付いたものであってほしいんですよ。例えば僕の地元の高校がたまに甲子園に出場するのですが、意外に地元は盛り上がらない。田舎の高校が甲子園に出場ってものすごく誇らしいことなのに、なんで地元はもっと盛り上がらないんだろう?なんかもったいないなと思っていました。知名度の低い田舎であればなおさらのこと、甲子園出場は全国的に地元をアピールするいい機会になるんじゃないかなって思うんですよ。でもそんなことはしない、いやなんらかの理由によってできないのかもしれません。それが政治的な理由なのか、金銭的な理由なのか、法的な理由なのか、教育的な理由なのかはわかりませんが、選手や学校だけ盛り上がるのではなく地元の人もより深くかかわれてこそ文化だと思うのですがどうでしょうか?

そうなると学校というくくりでは解決しがたいですかね。そうであれば地域スポーツクラブなんていう発想が生まれて成功するチャンスもあるのではないでしょうか(個人的希望です、はい)。

文化としての高校野球

けんちゃん、投稿ありがとう!!
日本人って不思議だよね。高校、プロは上手く行くのに、大学がそんなに上手く行ってない。何でだと思う?
スターがいないって言っても、ドラフト一年目で活躍する人達のほとんどは、大学生、社会人じゃん?何でここまで甲子園はにぎわうの?

のり

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高校2年の時にアメリカに留学。昨年9月に、マスターを3つ取って、卒業。New Hampshire Fisher Cats(2A)、Boston Bruins(NHL)でインターンを経験。現在はPittsburgh Piratesでインターン中。

質問がある方は、snhusports@gmail.comに連絡ください
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(09月25日現在)

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