2006年09月06日

「スポーツ・ビジネス知的武装講座」第4回

質問者:福井盛太(『SMR』編集長)
【Q】「昨年、東北楽天イーグルスは年間敗戦新記録を打ち立てましたが、
球団経営に目を転じると、1年目から経営黒字を達成しました。
なぜ、チームが弱くても黒字化できたのでしょうか?」

回答者:相原正道
(筑波大学大学院スポーツプロモーション研究会代表)

スポーツクラブのマネジメントには、「ビジネスマネジメント」と「チームマネジメント」が存在します。

東北楽天イーグルスは、初年度からビジネスマネジメントを実施したことにより、初年度から黒字化を達成したと思います。スポーツクラブのビジネスマネジメントは収入を増加させ、支出を抑制するという至極当然なことが必須となります。
 
特に、東北楽天イーグルスが収入面で際立って優れていたことは、集客とマーチャンダイジングです。集客においては、「砂かぶりシート」や「フィールドシート」という従来にない価値観をファンに提供しました。また、メールマーケティングを効果的に実施し、集客に寄与させました。
メールマーケティングは今年のメジャーリーグの観客動員数増加に大きく寄与した効果的なツールです。東北楽天イーグルスでは、50年ぶりの新球団誕生という話題生をフルに生かし、ファンクラブの会員を中心にメールアドレスを登録してもらい、メールアドレスへの配信を有効に活用し、メールマーケティングを実施しました。当日のエース対決の予告などにおいて、販売実績を残しています。
マーチャンダイジングにおいては、製造販売を直営することで、製造から在庫保管までを一括して管理し、効果的なコスト管理を実施しています。
直営のメガショップという最大の販路をスタジアム内に持つことで、販売力を強化させたことが成功の要因です。親会社である楽天の“小売りの強み”を効果的に、しかも徹底的に活かしています。

支出面においては、東北楽天イーグルスはスター選手が少ないので、プロ野球球団にとって最大の支出となる選手人件費が抑えられています。しかしその分、スター選手も少なく、スカウト等の編成スタッフは脆弱にならざるを得ません。

今後、東北楽天イーグルスが選手育成をどう捉え、チームマネジメントしていくかが急務だと考えます。チームマネジメントでは、選手の発掘がないと育成ができませんので、選手発掘ルートの獲得が最大の補強です。まず、高校野球部などの選手発掘ルートが大切です。
選手発掘ルートの獲得のためには、高校・大学・社会人との人脈を構築しなければなりません。そのためにも、まずは地元・東北で人脈構築することが大切です。
昨年、東北楽天イーグルスは東北出身の選手を数名獲得しました。今年以降のドラフトにおいても、東北楽天イーグルスが東北出身の選手をどんどん獲得すべきだと考えます。
そして、より地元に愛されるチーム作りを目指すべきです。

【回答者プロフィール】
相原正道(あいはら・まさみち)
1971年生まれ。筑波大学大学院スポーツプロモーション研究会代表。96年に大学卒業後、出版社編集部、電通パブリックリレーションズ勤務を経て、2006年3月に筑波大学大学院体育研究科修士課程スポーツ健康システム・マネジメント選考を終了し、日本初のスポーツブランドコンサルタントして独立。現在、プロ野球球団のプロジェクトメンバーとして活躍中。筑波ユナイテッドバレーボールプロ化推進委員会委員、筑波大学セカンドキャリア勉強会メンバーなどを歴任。著書に「ロハスマーケティングのスゝメ」(ソトコト新書刊)等がある。

次回の更新は9月19日を予定しております。
お楽しみに。


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posted by 『SMR』編集部 |20:13 | トラックバック(0)
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