2008年09月28日

錦織圭(にしこりけい) 9/28(日)15:00 有明に登場 (AIG Sunday:ジャパンオープン前夜祭)

全米オープンで世界のテニスファンの前で衝撃デビューを果たした錦織圭が凱旋帰国している。9/28(日)15:00にAIG Sundayというジャパンオープンの前夜祭に錦織が出場する。

有明コートは球足が速くビッグサーバー有利なコートではあるので錦織の相手がランキングが低くともビッグサーバーの場合は簡単な試合にはならないと想定される。錦織は有明は好きなコートでないと発言しているが、6月には更に球足の速い芝コートでストロークの破壊力が増して世界1位のナダルから1セットを奪取した例もあるので、今回有明コートでどうなるかは未知数だ。但しビッグサーバーからのブレーク数はこれまでのように多くは取れない可能性は高く、錦織の得意なブレーク合戦には持ち込めないだろう。結局のところサービスキープをどれだけ確実にできるかが鍵になっていくだろう。そのためにファーストサーブの入る確率が特に重要と思われる。入りさえすれば直後のストローク戦は圧倒できるだろう。全米オープンではデルポトロにだけは錦織のファーストサーブが通用しなかったが、全米オープンのコートより球足の速い有明コートの方がファーストサーブが通用する可能性は高い。だからやはりファーストサーブの入る確率が勝敗を分けるような気がする。どちらにしても、結果はともかく錦織らしさを十分に魅せて欲しいと願う。


ジャパンオープンとはどんな大会だろうか?
知らない人は大会の名前だけ聞くと世界大会とは思えず、全日本選手権ってこと?と思う人もいるかもしれない。しかしそうではない。ジャパンオープンは実際に世界トップクラスの選手が毎年出場している世界大会だ。過去の優勝者を振り返ってみるとレンドル、エドバーグ、マッケンロー、クーリエ、サンプラス、ヒューイット、フェデラー他豪華メンバーがずらりと並ぶ。ジャパンオープンは日本にいながら世界のトップ選手を生で見れる年一度の貴重な機会と言える。


ところで、スポーツの話とは少し離れるがスポーツ運営面からは影響のある話なので以下の話を書いてみたが、2007年7月金融業界での激震となったサブプライム問題の影響がなかなか収まらず、日本では今年に入って不動産・ゼネコン会社の倒産が毎日のように続き、そしてつい2週間前に150年以上の歴史を持つ世界大手金融機関のリーマンが倒産してしまった。おいおい、まさかAIGも噂通りあと72時間の命!?とジャパンオープンの行方が気になってホームページにアクセスするとアクセスが集中していて開けない。。まるでネット上の取り付け騒ぎのような状態となっていてこれは。。。と思ったが、結局米国政府による公的資金9兆円の救済が入ってジャパンオープンテニスも命拾いした。。(ジャパンオープンテニスのためにもAIGの更なる発展をお祈り致します。。)2003年のりそな銀行に日本政府が公的資金2兆円投入してその後日本株が1990年のバブル崩壊から13年もの下落後の大底をつけて2007年まで大きくリバウンドした(2007年からは米の影響でまた暴落だが。。)ことを思い出したが、、今回はどうなることやら。。ともかく来年のジャパンオープンはどうなるか全く不明だ。。スポーツ運営は常に景気の波のあおりを受ける。昔から景気が良く安定した会社がスポーツ運営のスポンサーに名乗りを上げるのだ。このまま世界恐慌に突入するならスポーツを見れる機会は減っていくだろう。見れる時に見ておきたいものだ。。

そこまで大げさに考えなくてもとりあえず、東京近郊の方はふらっと散歩がてらのぞいてみるのもいいのではないでしょうか。臨海副都心地帯は全体的に小奇麗かつ広々としているので東京のゴミゴミ状態に慣れすぎた方には心地よい風が吹くと思われます。最寄駅はりんかい線の国際展示場駅から徒歩6分、ゆりかもめの有明テニスの森駅から徒歩2分。東京駅、渋谷駅、新宿駅、池袋駅から最寄駅までそれぞれ30分強。


■チケット情報■
現在指定席は売り切れ、自由席1000円が予約販売中。
以下URLで予約チケットが買えます。
http://eplus.jp/sys/main.jsp?prm=U=14:P1=0402:P2=024202:P3=0001:P6=001
私もここで購入予約し、セブンイレブンで代金支払いとチケット受け渡しで購入しました。
予約で完売にならなければ当日券も発売されるようです。当日券を考えている方はチケットセンター0570-06-9996で確認した方が良いかもしれません。


有明テニスの森公園内に有明コロシアム(メインのセンターコート)があるが、公園内には他に多数のコートがあり、センターコート周辺の16個のコートで昨日からそれらのコートで予選に出場する選手が戦いを始めている。9月28日(日)は前夜祭でメインイベントは錦織圭、伊達公子他の練習試合の数試合だが、メインコート以外の周辺コートでも十分ハイレベルな戦いを繰り広げている。錦織以外の日本人トップ選手も数名見れるだろう。世界ランキングは150位以下の選手達だがCS席で予約無の無料で見れるのだ。センターコートのCS席より更に選手に近い位置のようにも感じる。センターコートだとよほどいい席でない限り選手とある程度距離があるが、予選では自分がテニスをしてベンチで休みながら仲間がテニスをしているところを見ているような近さで見ることができるため、様々な面を自分達と比較しやすくてプロのすごさがわかりやすくなる。その迫力や技術の高さを体感してみることを是非お勧めしたいと思う。その上でセンターコートで試合をできるような更に上位選手を見ればより上位選手のすごさを体感できるでしょう。プレイを見て予選出場選手と本選出場の違いが見えてくると本選出場選手がどれだけすごいのかが体感できるでしょう。


■9月28日(日)の予選スケジュール
1.午前10時~女子シングルス3試合(1・2・3番コート)
2.午前11時~男子シングルス3試合(4・8・9番コート)
3.午後12時~女子シングルス3試合(1・2・3番コート)
4.(男子試合終了後)~女子シングルス3試合(4・8・9番コート)
5.(女子試合終了後)~男子シングルス3試合(1・2・3番コート)
6.(男子試合終了後)~女子シングルス2試合(1・2番コート)

※以下詳細スケジュール
http://aigopen.jp/08/pdf/oop/aigopen08_oop080928.pdf

上記試合観戦の合間に15時からの錦織圭の試合を見れば充実し過ぎるテニス観戦となるでしょう。


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2008年09月03日

錦織圭(にしこりけい) 試合分析 全米テニス 4回戦(デルポトロ戦)

錦織圭の全米オープンは幕を閉じた。
18歳にしてベスト16に入り、結果でも世界テニス界を震撼させ、そのテニスの質で観客を大きく沸かせた。錦織は毎試合スーパーショットで観客席にどよめきを巻き起こすのだが世界最高峰の四大大会の全米オープンでも同じように何度もどよめきを巻き起こした。

1回戦 錦織圭○ 6-2 6-2 5-7 6-2   モナコ(世界32位)
2回戦 錦織圭○ 6-1 7-5 let     カラヌーシッチ(世界100位)
3回戦 錦織圭○ 6-4 6-4 3-6 2-6 7-5 フェレール(世界4位)
4回戦 錦織圭× 3-6 4-6 3-6     デルポトロ(世界17位)

この数日で3試合を勝ち抜き、そのうち2試合は上位シード選手だ。特に3回戦で世界4位のフェレールを5セットまでもつれ込む死闘を制した姿を見た人はどれだけいるだろうか。これまで見え隠れしていた錦織のポテンシャルが、世界最高の舞台で現実の閃光となって放たれた瞬間であった。半年前の2月にデルレイビーチで世界12位のJ.ブレークを破って優勝したことや、2ヶ月前の6月に世界1位のナダルにストロークでは打ち勝ち、1セットを奪取したのことも、やはり偶然ではないのだ。上位の選手は格下選手にはまぐれでも勝たせないからこそ上位にいるのだ。だからもともと偶然などあり得ないのだが、錦織の実績が偶然ではないことを改めて証明した大会だったといえるだろう。

しかし、18歳で全米ベスト16はとんでもない偉業とは言え、世界4位のフェレールを撃破して錦織を知った人は4回戦の相手のデルポトロが22連勝中の絶好調の選手だったとは言え、ストレートの完敗でがっくりきてしまった人も多いのではないだろうか。「そこで錦織は本当に期待できる選手なの?」との疑問に答えてみるべく、デルポトロ戦の敗戦は何を意味しているのかを分析してみようと思う。

これまでテニスの試合をたくさん見てきた人は錦織のプレイを見れば「一目でこれは只者ではない」とわかったはずだ。誰に勝って、誰に負けたなどと結果を見る必要はない。見た瞬間に「ずば抜けたセンスを持った選手」であることはわかった人も多いだろう。しかしその「ずば抜けたセンスを持った選手」が必ず勝つわけではない。

ベスト8をかけた4回戦のデルポトロ戦はスコアでも内容でも完敗であった。しかし印象としては惜敗というか、もったいない敗戦、不発の敗戦のように感じられた。いい状態であればもっと上へ行けたのではないかと思わせられたからだ。しかしこれも戦いの結果だ。3-6,4-6,3-6というスコアだけ見ると、全く通用していないのかと見えるかもしれないが、テニスではスコアを見ただけでは試合内容は全く見えないのだ。例えば3-6といっても、サービスゲームをとっても1ゲーム、レシーブゲームを取っても1ゲームであり、その1ゲームの中には、ダブルフォルト、サービスエース、リターンエース、相手のサービスゲームでのストロークエース、自分のサービスゲームでのストロークエース、ボレー、主導権を奪い合う前の段階での凡ミス、主導権を握ってからの凡ミス、主導権を握られた上のミス、主導権を握ってからのストロークウィナー、主導権を握られてからのストロークウィナーも同じ1本のポイントでしかない。これらのポイントをごちゃまぜに合計したものが3-6であり、同じ3-6でもブレーク数では、0-1(キープ合戦)、1-2、2-3(ブレーク合戦)と全く違う内容でもスコアとしては全て3-6となってしまうのだ。ポイントの取り方の組み合わせ次第で、最終スコアもころころ変わる。なので3-6を見ただけでは内容は何も見えないといっていいだろう。自分が6-3で勝てる相手が自分より強い相手に6-0で勝っても全く不思議ではない。デルポトロ戦3-6,4-6,3-6でわかることは全てのポイントを合計した結果、デルポトロの方が錦織より多くポイントを取っているということだけだ。

ではデルポトロにどのように負けたのだろう。
実際に内容を見てみよう。
(http://www.usopen.orgより抜粋)


                   Nishikori(JPN)      Del Potro(ARG) 
     
  1st 
  Serve %        52 of 93 = 56 %   46 of 81 = 57 % 
 
  Aces          3         7 
 
  Double 
 Faults         2         3 
 
  Unforced 
 Errors         36         37 
 
  Winning % 
 on 1st Serve   28 of 52 = 54 %   33 of 46 = 72 % 
 
  Winning % 
 on 2nd Serve   21 of 41 = 51 %   19 of 35 = 54 % 
 
  Winners 
 (Including 
  Service)       29         37 
 
  Receiving 
  Points Won    29 of 81 = 36 %     44 of 93 = 47 % 
 
  Break Point 
 Conversions    3 of 5 = 60 %     7 of 10 = 70 % 
 
  Net 
 Approaches    10 of 16 = 63 %    10 of 15 = 67 % 
 
  Total 
  Points Won           78          96 
 
  Fastest Serve    121 MPH       132 MPH 
 
  Average 1st 
 Serve Speed     105 MPH       121 MPH 
 
  Average 2nd 
 Serve Speed      85 MPH        95 MPH 
 



内容を見ると、自分のファーストサーブが入った後のポイント獲得率(錦織54%、デルポトロ72%)の差(=レシーブゲームで相手のファーストサーブが入った後のポイント獲得率の差)とその影響を受けるブレーク数とウィナー(エース)以外はほぼ互角であった。その結果としてブレーク数が錦織3に対しデルポトロ7となり、試合スコアが3-6、4-6、3-6となったと言える。

デルポトロはサービスゲームではサーブ1本で錦織の体勢を崩せて手数をかけず(ミスが出る前に)ウィナーを繰り出せるのに対し、錦織はサービスゲームでサーブ1本で相手を崩せないので五分五分のストロークから手数をかけて崩していくしかなかった。手数が多い分途中でミスが出やすくなる。1回戦~3回戦までのサーブが入った後のポイント獲得率は1回戦モナコ戦77%、2回戦カラヌーシッチ戦82%、3回戦フェレール戦64%と高かったが、4回戦デルポトロ戦では54%と極めて低い。結果だけ見ればセカンドサーブでのポイント獲得率51%と比較してもファーストがセカンド並にしか効いていなかったということになる。しかし実際は錦織のサービスゲームで主導権を握りながらの凡ミスが多発していたのでファーストでのポイント獲得率54%は錦織自身の凡ミスによる自滅の結果と見ていいのではないだろうか。1~3回戦までは手数をかけたストロークでも常に余裕があり、4回戦のデルポトロ戦ほどストロークの凡ミスが多発しなかった。

錦織の凡ミスが少ない時は表面化しないが、ウィナーの取り方が異なるため、デルポトロの方がポイントを取りやすかったと思われる。錦織のウィナーとデルポトロのウィナーを比較してみよう。

【攻撃力(ウィナーの取り方)】の違い

■錦織
・深さ、速度、角度、球種など様々アレンジを加えたストロークの中で徐々に相手を崩して、甘い球が来るのを待ち構えて、相手がついに甘い球を返球したところをウィナーで仕留める形(一般的な戦術だが深さ、速度、角度、球種など様々アレンジするセンスと技術が世界でも類を見ないほどずば抜けている)
・意表を突いたドロップショットやアングルショットで相手を一気に崩してウィナーで仕留める形。
・相手が安心して想定もしていないまさかという位置からスーパーショットを繰り出しウィナーにしてしまう形。

■デルポトロ
・サーブ1本、リターン1本等早い段階のパワーショットで相手の体勢を崩して、ストロークで一気に主導権を握り、錦織のリカバリーショットが来て主導権を奪われる前に手数をかけずにウィナーまで持っていく形が大半。
・五分五分のストローク戦になってからは錦織のように自分から仕掛けず、鉄壁守備的な深く威力のある球で錦織の甘い球を待って打ち込む形。


錦織がストロークで主導権を握られて負ける形はパワーショットで最初から劣勢に立たされてそのまま持っていかれる形がほとんどだ。付け入る隙がないのだ。この形になったら上位選手でもデルポトロからポイントを取るのは極めて難しいだろう。しかし、強烈サーブ、強烈リターンをを打ち込まれず、五分五分のところからスタートできている場合はウィナーを食らうことはほとんどなかった。サーブに弱点のある錦織は今後もビッグサーブ、ビッグリターンを持つタイプの選手には苦戦するだろう。ただしビッグリターンに関しては、自分のサーブを強化すれば打ち込まれずに済むのでビッグサーブ、ビッグリターンを持つ選手に対しても勝率はまだまだあげられるはずだ。



【守備力(コートカバーリング能力)】の違い

■錦織
身長177センチで手足が長くはないため前後左右上下の動きには、質を求められるが素早い反応、素早く細かいフットワークでカバーする。また追い込まれたところからでもスーパーショットを繰り出し、一気に形勢を逆転させる。

■デルポトロ
身長198センチの長い手足を生かして、長い距離を少ない歩数で素早く追いつき長い腕を伸ばしてとりあえず安全地帯へ返球する。ストライド走法のような動きで、足はのろのろ動いているように見えるが実際の移動速度は速い。球際に強く、劣勢も腕一本でごまかせる。左右に振られてもなかなか追い込まれないが、追い込まれた場合は守備に徹する。



錦織はこれまでならストロークエースもしくは返球されてもチャンスボールしか来ないと思うようなショットを打っても、デルポトロはしっかりと厳しいコースに返して来ていた。まさに手足の長さを感じさせるものであった。デルポトロからストロークエースを取ったケースは完全に崩しきった後のダメ押しのショットか、意表を突いたタイミングでのショットだけだった。錦織にも今までと違うとプレッシャーがかかっていたはずだ。

この試合の分岐点は第1セット3-1リードの場面で錦織のダメ押しのウィナー(バスケのダンクシュートを彷彿させるジャンピングフォア)をどこか思い切り悪く打ってアウトした瞬間だったように感じている。あのポイントから突然消極的になっていき、3-1までの圧倒ぶりが何だったのかという程、突然凡ミスが多発し始めた。これまでなら安心して見ていた場面での凡ミスが量産となった。主導権を握っていながらのミスも多発。一方デルポトロは「待ってました!」というかのように錦織の急落で息を吹き返し、大事な場面ではきっちりと決めてリズムを掴み、いらいらしていた表情が自信の表情に変わっていった。たった1球のミスからメンタルを崩していったようにも見えた。3-0から一気に6ゲーム連取されて3-6となってしまったのだ。しかし、随所には派手なスーパーショットを繰り出し観客を沸かしていたのは常に錦織であった。観客を沸かせた回数ではデルポトロを圧倒していた。実際はデルポトロの方がウィナーが多いのだが、予定調和的な地味なウィナー(玄人好み)のため、観客はあまり沸かない。しかし錦織は観客を味方に付けているにも関わらず凡ミス多発は変えることができず、第2セット、第3セットになっても様子が変わらないまま試合終了となってしまった。本人も試合後のコメントでは詳細を語ってはいないが、試合に入り込めておらず、心ここにあらず状態だったようだ。一方「22連勝中のことを自分でどう思っているか?」との質問に対し、「錦織を倒すことだけしか考えていなかった」と答えるデルポトロとは対照的であった。



デルポトロは錦織のような「魅せる」テニスはないが、「勝つ」テニスに徹していた。錦織は天性の才能だけで全米ベスト16に勝ち進んでしまったが、デルポトロの「勝つ」テニスの前に敗れた。

デルポトロのテニスを見て「孫子の兵法」を思い出した。以下は「孫子の兵法」からの抜粋だがデルポトロのテニスを表していると考え記載した。


**********************************************************
「孫子の兵法」より抜粋

昔から、戦上手は、まず自軍を負けないような態勢に整えてから、敵軍の態勢が崩れるのを待った。不敗の態勢を整える事は、自軍にあるが、勝機を見出す事は、敵軍の崩れにかかっている。だから、戦上手と言えども、不敗の態勢は作れるが、敵軍の態勢を必ず崩す事は出来ない。それゆえに言う、勝利の予見はできるが、必ず勝てる状態に出来るとは限らない。

勝機を見出せない時は、守りを固める。勝機を見出せた時は、攻勢に転じる。守りを固めるのは、自軍が劣っているからである。攻め込むのは、自軍に余裕があるからである。上手に守る者は、兵を隠蔽して隙を与えず、上手に攻める者は、一気に攻めて敵に余裕を与えない。
だから、自軍は無傷のままで、完全な勝利を収める。

誰にでも分かるような勝ち方は、最善の勝利とは言えない。
戦いに勝って、世間の人が賞賛する勝ち方も、最善の勝利とは言えない。
毛を一本持ち上げても、誰も力持ちとは呼ばない。太陽や月が見えても、誰も目が良いと言わない。雷の音が聞こえても、誰も耳が良いとは言わない。昔の戦上手とは、無理なく勝ちやすい敵に勝つ者である。だから、戦上手は勝っても、その知謀は人目につかず、その勇敢さを賞賛される事もない。

それゆえに、戦いの勝ち方を誤らない。誤らないから、その軍のいる所は、必ず完璧に勝つ。
それは、戦う前に負けている者に勝つからである。このように、勝利を収める者は、まず勝てる条件を作った後に戦いを始める、負ける者は、まず戦いが始まってから、慌てて勝機を掴もうとする。

・負けない態勢は自分で作れるが、必ず勝てる態勢は相手によって生じるものだから、
 まずは、自分の守りを整えてから、攻めるタイミングを待ち、攻める時は一気に攻める。
・無理をせず、勝ちやすい敵に勝つ
・本当に凄い事は、えてして多くの人に気付かれる事がない
・戦いとは、勝つために戦うのではなく、すでに勝っている事を証明する事である。



君主が軍にしてはならない事が三つある。
軍が進むべきで無い事を知らずに進めと言い、退却すべきで無い事を知らずに退けと言う。
軍の実情を知らないで、軍の規則を決めれば、兵士は混乱する。
軍の権限を知らないで、軍の人事を行えば、兵士は疑いをもつ。
軍全体が、混乱し猜疑心に満ちれば、他国がその隙に乗って攻めてくる。

勝てるかどうか知るためには、五つの条件がある。
戦うべきと、戦わざるべきを知る者は勝つ。兵力に応じた戦いを出来る者は勝つ。
君主と兵士が目標を共有する者は勝つ。態勢を固めて、相手の乱れを待つ者は勝つ。
将軍が有能で、君主が将軍の指揮権に口出ししない者は勝つ。この五つが勝つ為の方法である。

だから、敵を知り己を知れば、負ける事は無い。敵を知らずして己を知れば、半分は勝てる。
彼を知らず己を知らざれば、戦うたびに敗れる。

・戦わずに勝つのが最上の方法であり、無理に攻めるのは下策。
・戦力に応じた戦い方があり、無駄な戦いは避ける勇気が必要。
・部下に任せた所を、中途半端に口出ししてはならない。
・敵と己をしっかりと分析し、対比をする事を忘れてはならない。

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またメンタルに関してだが、気分によってプレーの質がかなり変わる。一本スーパーショットが出ると連発し始めるが、最初の一本を外すと消極的になり、ずっと出なくなる等、気分が乗っているときと乗っていない時の調子の乖離が激しいところは改善の余地があるのではないだろうか。以前は1セット目は必ず調子が悪く、2セット目が絶好調になることが多く、なぜなのだろうと思っていたが、最近はそういう傾向はなくなった。このあたりも気持ちの持ち方で結果が変わってきているのではないだろうか。



錦織は怪我さえなければ今後数年間で天性の才能に加えて、強靭な体力、確かなメンタル、確かな戦術、豊富な経験が備わっていくことだろう。

だからこそ怪我だけは試合を捨ててでも気をつけて欲しいと願う。体がやばいと思ったらすぐ棄権のスタンスでいいのではないだろうか。怪我さえなければ世界の誰も想像できないような四大大会での「快挙」が待っているかもしれないのだから。



posted by sirotona |23:29 | コメント(21) | トラックバック(2)
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