Simon's Bar

老兵の去り際

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高山善廣選手の切ないニュースを目にした。 起こってしまったことを嘆いても仕方ないのかもしれないが、それでも余りに切ない。 鈴木みのるのキャラを投げ打ってでも訴えている姿が事態の深刻さを想像させる。 いくらプロレスラーという仕事が危険と隣り合わせだとしても、その代償を己の肉体で贖う必要までは絶対にない。 三沢さんやハヤブサさんのような最悪の事態は避けられたとしても、払った犠牲は余りに大きすぎる。

物事の結果だけを捉えて、したり顔で何かを語ることは好きではない。 しかし、今回の一件は現在のプロレス界が抱える大きな問題のひとつを浮き彫りにしたと私は考える。 果たしてレスラーは何歳までリングに上がり続けなければならないのか。 もちろん生活のためだけではなく好きだから続けている選手もいるかもしれない。 それでも、藤波や長州や佐山がリングに上がり続けているのを目にする度に、喜びではなく切なさの方を強く感じる。

門外漢の私にはお金の仕組みがどうなっているのかよくわからない。 しかし、他のスポーツで還暦を過ぎてもなお現役というケースは非常に稀だろうし、舞台俳優やオペラの世界などでも年齢に見合った役回りというものは存在するだろう。 リングという魔物の放つ魅力、誰かに必要とされることへの喜び、過去の栄光への郷愁… 金銭以外の要素を思いつく限り並べ上げてみても、生命の危険を賭すまでの必要があるようには思えない。 仮に「好きだからやっている」と強く主張されたとしても、ファンにも事故を目撃したくないと願う権利はあるのだと返したい。

引退後の人生をどのように設計するのか。 無論、現在のような状況でも予めきちんと考え安泰に過ごしている人はいるのだろうし、どこまでいっても個人の問題の域を出ないのかもしれない。 それでも、プロレス業界が真に安定していくためには、セカンドキャリアの充実という課題は避けられないように思う。 それはお金を払う側の私たちにとってもしっかりと考えなければならない問題である。 プロレス界に限らず、老兵の去り際を上手く定めることが難しい時代になった。 そんな時代にあって、「無頼」はもう演出の中だけで十分だと思うのだが…



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