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亀海と野茂、その純粋な挑戦を応援する

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亀海のニュースを見ていて野茂のことを思った。

やや遠回りになるが、MLBが直近で球団を増やしたのは1990年代の前半。 1993年にはフロリダ・マーリンズとコロラド・ロッキーズ。 そして1994年にはアリゾナ・ダイヤモンドバックスとタンパベイ・デビルレイズ。 1876年にわずかナショナル・リーグ8球団でスタートした歴史は1世紀強の間に30球団を受け容れた。 球団が増えれば選手の数が増え、結果的に総体としての質は低下する。 どれだけ戦力均衡策を実施しお化粧を施しても、それは否定することができない。

野茂英雄が国内でのゴタゴタを経て海を渡り鮮烈なデビューを果たしたのが1995年。 もちろん、偉大なる成功が野茂自身の実力によるものであることに疑いはない。 だが、それを可能にした背景と球団の増設とは、決して無関係ではないだろう。 別次元のイチローを除けば、その他の日本人選手の活躍にもエクスパンションは確実に影響しているように思う。 市場拡大というビジネス的なものも含めて、純粋に選手の力以外の要素は残念ながら存在すると言わざるを得ない。 余談だが、WWEの日本人レスラー獲得や巨人の台湾市場に対する意識もまた同じような志向性の範疇にある。

そしてボクシングにおける統括団体の増加。 多くの方が触れられているように、それが世界王者の質の低下とダイレクトに結びついていることは明らかだ。 日本人の世界王者の増加を、およそ20年前に始まったメジャー流入の歴史と(全面的にではないにしても)重ねて眺めることにそれほどの無理はない。 無論、階級の複雑さとか、関係する国々の数の圧倒的な違いであるとか、他にも考慮すべき要素は多々あると理解している。 それでも、IBFとWBOを受け容れたことによって初めて挑戦が可能となったボクサーが多数存在することは事実だろうし、個々のファイターの奮闘に声援を送りつつも、事実は事実として冷静に受け止めておく必要がある。 誤解なきように言っておくが、私は純粋に挑戦する選手を素直に応援しているし、嫌いなのはニュースバリューを増やすという私利のために、選手の純粋さに(ポジティヴなものもネガティヴなものも含めて)不必要な意味を与える一部の悪しき人たちだけだ。

そんな状況の中で、改めて思うのは亀海の挑戦の素晴らしさだ。 ほとんどマスコミにも注目もされない中、本場アメリカの重量級で闘い続け、「かませ犬」であろうが何だろうが4階級王者にしてリアルレジェンドのミゲール・コットと拳を交えるところまで辿り着いたのだ。 それだけでも十分賞賛に値すると私は思う。 あとは自分自身のためだけに闘ってほしい、そう切に願う。 どのような結果になろうとも、それに対する意味付けや歴史の作成は(手のひら返し的なもの含めて)他の人たちが勝手にやってくれるから気にする必要はない。 野茂英雄でさえ「後進に道を開くために」などとは思っていなかったのだから。

そういえば、当時のマスコミは明らかに野茂の挑戦に対してネガティヴだったと記憶している…



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