2009年11月25日
決勝トーナメントの観戦記を報告しないといけないわけですが、なにせ出張続きで(熊野→伊予西条→小倉)手元に写真がない。
それにビデオを見直さないと打者ごとの記録の抜けを埋められない。
でも放っておいたら年を越してしまう…。
そんなわけで閑話休題。
今回は2009年の日本リーグ1部の投手に関するさまざまな記録のベスト(ワースト)5を。
(一部を除き投球回数20回以上の投手で)
結論から先に言ってしまうと、つまりは「堤千佳子(戸田中)の独壇場(笑)」。
その記事を小倉からアップするのも一興。
しかしそろそろ堤投手を休ませないといよいよ過労死してしまう。でも来年はもう大丈夫。力強い新人が。
【最多投球回】
137 藤原麻起子(ソフトウェア)
118 上野由岐子(ルネサス)
112.3 堤千佳子(戸田中)
107 坂井寛子(誘電)
97 ケイティ・バークハート(織機)
※今年の最多投球回は藤原。昨年は上野の141、堤の126、坂井の111の順。
【完投、完封】
<完投>
12 堤千佳子(戸田中)
12 藤原麻起子(ソフトウェア)
10 上野由岐子(ルネサス)
10 坂井寛子(誘電)
8 ケイティ・バークハート(織機)
※今年は投げに投げた藤原。堤と並んで完投王
<完封>
5 ケイティ・バークハート(織機)
3 堤千佳子(戸田中)
3 上野由岐子(ルネサス)
3 藤原麻起子(ソフトウェア)
(以下1数人)
※最多完封はリーグ1年目のケイティ・バークハート(織機)。上野、藤原と並ぶ堤の存在感。
<完投勝ち>
6 モニカ・アボット(トヨタ)
5 メーガン・ギブソン (デンソー)
5 上野由岐子(ルネサス)
4 メラニー・ローチ(佐川)
4 堤千佳子(戸田中)
※完投勝ち最多はアボットなのだが。意外や完封が少ないアボット。
<完投負け>
7 坂井寛子(誘電)
6 藤原麻起子(ソフトウェア)
5 堤千佳子(戸田中)
3 松村歩(シオノギ)
3 坂田那巳子(伊予銀)
3 伊藤美幸(誘電)
※完投王の藤原と堤を上回る坂井の完投負け数。今年は打線に全く援護されなかった悲運。
【最多対戦打者数】
513 堤千佳子(戸田中)
426 上野由岐子(ルネサス)
411 藤原麻起子(ソフトウェア)
384 坂田那巳子(伊予銀)
359 メラニー・ローチ(佐川)
※今年一番多くの打者と対戦したのは堤。しかも2位上野を100人近く上回るダントツの数字。
※昨年も堤559、上野517の順(3位は坂井435)
【最多投球数&投球数/回】
<投球数>
2223 藤原麻起子(ソフトウェア)
1878 堤千佳子(戸田中)
1633 坂井寛子(誘電)
1610 エンジェラ・ティンチャー(レオパレス)
1580 上野由岐子(ルネサス)
※最多投球数はダントツで藤原。堤も多いが3位坂井以下の標準的な球数より600球近くも多い。圧巻。
※昨年は堤2053、上野1900、坂井1659の順
<1回当たりの投球数・多い上位5>
21.6 清水美聡(伊予銀)
19.5 坂田那巳子(伊予銀)
19.3 末次夏弥(伊予銀)
18.6 武井智穂(戸田中)
18.5 金尾和美(Honda)
※やはり投手陣で苦労した伊予銀行は数字でも表れている。ワースト3を独占。
<1回当たりの投球数・少ない上位5>
13.2 露久保望美(トヨタ)
13.3 上野由岐子(ルネサス)
13.8 帰山悦子(佐川)
14.6 宮本直美(織機)
14.8 モニカ・アボット(トヨタ)
15.2 坂井寛子(誘電)
※上野やアボット、坂井はヒットを打たれないから。露久保、帰山、宮本の3人は紛れもなく技術を駆使して少ない球数で回を終わらせる。
【最多失点&失点率】
<失点>
89 堤千佳子(戸田中)
77 坂田那巳子(伊予銀)
50 松村歩(シオノギ)
46 ジーナ・オークス(Honda)
41 末次夏弥(伊予銀)
※昨年の失点数ワーストも堤で68(以下森川50、帰山45)。堤の連覇は2年間投げまくった証。ある意味勲章。
<失点率(1試合あたり失点)>
8.9 清水美聡(伊予銀)
8.5 末次夏弥(伊予銀)
8.1 武井智穂(戸田中)
7.1 坂田那巳子(伊予銀)
6.6 外山美紀(佐川)
※1試合当たりでは清水、末次、武井、坂田が7点以上。
【最多自責点&防御率】
<自責点>
67 堤千佳子(戸田中)
59 坂田那巳子(伊予銀)
42 松村歩(シオノギ)
39 ジーナ・オークス(Honda)
38 末次夏弥(伊予銀)
※昨年は堤59、森川39、安福32
<自責点率=防御率>
8.6 清水美聡(伊予銀)
8.1 武井智穂(戸田中)
7.9 末次夏弥(伊予銀)
6.0 外山美紀(佐川)
5.4 坂田那巳子(伊予銀)
※この当たりは失点率とほぼ同じ
【野手自責点率(非投手自責点率)】
(失点-自責点)/(失点) = 自責点にならない失点の割合
50% メラニー・ローチ(佐川)
46% 宮本直美(織機)
40% 江本奈穂(織機)
31% ケイティ・バークハート(織機)
31% 金尾和美(Honda)
※高い値ほど投手が野手に足を引っ張られているということ。
※佐川急便のローチ、Hondaの金尾は分かるにしても…。まさかの織機投手陣が2~4位独占(江本は投球回数12回だが)。
【最多被本塁打&最高被本塁打率】
<被本塁打数>
15 堤千佳子(戸田中)
10 藤原麻起子(ソフトウェア)
10 末次夏弥(伊予銀)
9 清水美聡(伊予銀)
9 松村歩(シオノギ)
※昨年は堤11、森川9、帰山8の順
<1試合当たり被本塁打数>
4.2 高村唯(佐川)
4.0 神山里美(戸田中)
2.3 清水美聡(伊予銀)
2.1 末次夏弥(伊予銀)
1.4 帰山悦子(佐川)
0.9 堤千佳子(戸田中)
0.9 外山美紀(佐川)
※高村、神山は投球回数20以下だが被本が多いので参考に掲載。高村3回3分の1で2本、神山は7回投げて4本被弾
【被安打&被打率】
<被安打数>
145 堤千佳子(戸田中)
113 藤原麻起子(ソフトウェア)
109 坂田那巳子(伊予銀)
104 坂井寛子(誘電)
89 松村歩(シオノギ)
<被打率ワースト5(50打者以上の対戦)>
0.491 山田莉恵(伊予銀)
0.413 末次夏弥(伊予銀)
0.412 清水美聡(伊予銀)
0.400 武井智穂(戸田中)
0.398 外山美紀(佐川)
<被打率ベスト5>
0.138 モニカ・アボット(トヨタ)
0.151 上野由岐子(ルネサス)
0.160 ケイティ・バークハート(織機)
0.163 露久保望美(トヨタ)
0.207 黒川春華(ルネサス)
※アボットはダントツ。上野とケイティに匹敵する露久保の0.163は立派。なぜ決勝トーナメントで投げさせなかったのか…。
【奪三振&奪三振率】
<奪三振数>
155 モニカ・アボット(トヨタ)
133 上野由岐子(ルネサス)
103 ケイティ・バークハート(織機)
85 エンジェラ・ティンチャー(レオパレス)
79 メーガン・ギブソン(デンソー)
※今年の奪三振王はアボット
<1試合あたり奪三振>
11.5 モニカ・アボット(トヨタ)
7.9 上野由岐子(ルネサス)
7.6 瀬川絵美(ソフトウェア)
7.4 ケイティ・バークハート(織機)
6.4 エンジェラ・ティンチャー(レオパレス)
※奪三振に関してはアボットが圧巻。瀬川もこれだけの数字を残せるのだが…
【与死球&与死球率/試合】
<与死球>
12 堤千佳子(戸田中)
11 坂田那巳子(伊予銀)
10 染谷美佳(デンソー)
10 メラニー・ローチ(佐川)
9 松村歩(シオノギ)
9 ケイティ・バークハート(織機)
※コントロールのいい染谷に意外に多い死球数。内角を厳しく攻めるからか。
<1試合あたり与死球>
2.3 高倉さやか(シオノギ)
1.8 橋爪春菜(戸田中)
1.5 清水美聡(伊予銀)
1.4 山田莉恵(伊予銀)
1.3 染谷美佳(デンソー)
※高倉、橋爪、山田は投球回数が少ないが与死球率の高さから掲載
【与四球&与四球率/試合】
<与四球>
44 藤原麻起子(ソフトウェア)
41 坂田那巳子(伊予銀)
35 エンジェラ・ティンチャー(レオパレス)
20 坂井寛子(誘電)
28 ケイティー・バークハート(織機)
<1試合あたり与四球>
11.7 瀬川絵美(ソフトウェア)
4.6 清水美聡(伊予銀)
3.3 末次
3.3 武井智穂(戸田中)
3.2 金尾(Honda)
2.8 ジーナ・オークス(Honda)
※瀬川…
【最多暴投数&最多暴投/試合】
<暴投数>
8 瀬川絵美(ソフトウェア)
6 メラニー・ローチ(佐川)
5 ケイティ・バークハート(織機)
5 エンジェラ・ティンチャー(レオパレス)
3 上野由岐子(ルネサス)
3 宮本直美(織機)
※瀬川…
<1試合あたり暴投>
6.7 瀬川絵美(ソフトウェア)
1.8 庄子麻紀(Honda)
0.6 宮本直美(織機)
0.5 メラニー・ローチ(佐川)
0.4 エンジェラ・ティンチャー(レオパレス)
※1位が6.7で2位が1.8。瀬川…
【最終結論】
堤の独壇場かと思いきや、最後は瀬川の独壇場。
--------------
以下は間違えたデータ!
--------------
【与四球&与四球率/試合】
<与四球>
73 メラニー・ローチ(佐川)
51 堤千佳子(戸田中)
49 ジーナ・オークス(Honda)
44 藤原麻起子(ソフトウェア)
39 松村歩(シオノギ)
<1試合あたり与四球>
11.7 瀬川絵美(ソフトウェア)
7.0 上村さつき(トヨタ)
6.1 メラニー・ローチ(佐川)
6.0 神山里美(戸田中)
5.1 ジーナ・オークス(Honda)
【最多暴投数&最多暴投/試合】
<暴投数>
8 瀬川絵美(ソフトウェア)
6 メラニー・ローチ(佐川)
5 ケイティ・バークハート(織機)
5 エンジェラ・ティンチャー(レオパレス)
3 上野由岐子(ルネサス)
3 宮本直美(織機)
<1試合あたり暴投>
6.7 瀬川絵美
1.4 小森愛弓
0.6 宮本直美
0.5 メラニー・ローチ
0.4 エンジェラ・ティンチャー
※1位が6.7で2位が1.4。瀬川…
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2009年11月05日
11月7日(土)から始まる決勝トーナメントについて、簡単に見どころを紹介します。
【第1試合~3位豊田自動織機v.s.4位レオパレス21】
(1)レオパレスの足攻v.s.織機内野守備
とにかくレオパレスと織機の試合において一番重要なのがここだろう。レオパレスはそのチーム設立当初から、五輪にも出た佐藤由希や三塁打数で歴代2位の渡邉潤子など、俊足のプレイヤーを数多く揃えていた(井上を除く)。そこに佐藤理恵や藤本索子が入社し、今年に至っても永吉や河野、蔭山など足を使える選手が数多くスタメンに名を連ねている(井上とティッカムを除く)。加えて、藤本や河野、小野、永吉といった小技も抜群に上手い打者を数多く揃えており、その足と小技で点を奪い取って勝利したのがまさに第8節の織機戦であった。この決勝トーナメントにおいてもここぞという場面ではとことん足を絡めてしぶとく点を奪いに行くだろう。そのキーパーソンになりそうな永吉と小野の二人の選手には特に大いに注目したい。
対する織機。内野手の顔ぶれを見ると長澤、酒井、古田、内藤と日本でもトップクラスの守備力を誇る選手が揃っているにもかかわらず、ことレオパレスのような足を使った攻めに対する守りという1点においては脆い部分を持ち合わせている。その守備のほころびの修正が出来ないまま第10節においてもシオノギ戦で守備が乱れて痛い敗戦を喫した。どこまでこの短期間で対応できるように修正できたか。元々潜在能力の高い選手の集まりなのであまり心配はしていないが、決勝トーナメントでの守備の乱れは即命取りになるのでとにかく慌てず対処したい。
<足を絡めてとことん織機を揺さぶるレオパレス。織機で1番走塁の巧い白井も、そのレオパレスの元選手だ>
(2)山根佐由里v.s.織機打線
試合巧者揃いの織機打線だが、実は山根を意外と苦手にしている。
2008年に鳴り物入りで日本リーグデビューした山根。初登板は第2節の日立ソフトウェア戦で、同じ節の対ルネサス戦でも秋元を継いで好投。強豪2チームで肩慣らしをし、満を持しての日本リーグ初先発が次の第3節、霧島大会での織機戦であった。この試合、初回に2死から田中に適時二塁打を浴びて簡単に2失点するもののその後は好投。ミッシェル・スミスと堂々と渡り合って2回以降の6回を無失点に抑えた。2度目の対織機戦の登板が今年前半の千葉大会。この試合も内藤とトッピングに1発を浴びて敗れはしたが、要所はきっちりと攻めて連打を許さず、大崩はしなかった。そして後半の第8節。2点を先制してもらった2回裏に連打を浴びて3失点するも、それ以降は無安打に抑える好投で味方の同点、逆転劇を呼び込んでいる。1試合のうちどこかでキッチリ点を取っている織機もさすがだが、それ以外は打たせて取る山根の投球に凡打を繰り返して追加点を奪えず、ある意味術中にはまってしまっている。むしろティンチャーのような投手の方が織機打線としては与しやすいかも知れない。山根が先発し、打たされて淡々と回を刻むような試合展開になってしまうと、まさにレオパレスの思い描いた結果になるだろう。
<苦手とする山根の先発は果たしてあるか。その場合、織機ではやはりこのベテラン3人(内藤、田中、トッピング)が鍵を握る>
(2008年前半)○織機2-0●レオパレス
(2008年後半)●織機5-6○レオパレス
(2009年前半)○織機4-1●レオパレス
(○バークハート v.s. ●山根、松村)
・2回にレオパレスが先制
・山根が3回まで無失点の好投
・内藤のホームランで同点
・トッピングのツーランで駄目押し
・ティンチャー登板せず
(2009年後半)●織機3-4○レオパレス
(●バークハート v.s. 山根、○ティンチャー)
・レオパレスが足を使って先制
・織機が連打で逆転
・最終回、井上のヒットのあと内野の守備の乱れで同点に
・延長8回、バントとエンドランで勝ち越される
・3回以降、山根とティンチャーにノーヒットに抑えられる
【第2試合~1位トヨタ自動車v.s.2位ルネサステクノロジー高崎事業所】
(1)モニカ・アボットv.s.上野由岐子
この対決はもはや何も説明は要らないだろう。とにかく今のソフトボール界において、世界でもトップクラスの投手が投げ合う試合である。その豪腕対決を心の底から楽しみたいと思う。
ただどちらがより勝ちたいか、よりプレッシャーが大きいかと言えば間違いなくアボットの方だろう。先の全日本総合において連投の疲れから最後はルネサス打線に捕まったように、決勝トーナメントにおいてアボットが3連投というのはどうしても避けたい。そのためには何が何でもこの試合に勝って決勝トーナメントに進みたいはずだ。逆にスタミナ抜群の上野の場合は特に連投の疲れを気にするような心配もないだろうが、もしここで勝てればアボットの疲れもありかなり優勝に近づくことが出来る。どちらにせよ、いくら試合巧者の織機とレオパレスのどちらかが下から上がってくるとはいえ、今年に関してはこの1位2位対決の試合に勝った方が優勝への確率がかなり高くなるのは間違いない。
ただ一つだけ、投手に関してはファンとして絶対にお願いしたいことがある。
“決勝トーナメントの舞台で露久保望美の投球を見たい”
<アボットと上野の投手戦。この投げ合いに説明は要らない。ただただ1ファンとして堪能したい>
(2)上野由岐子v.s.ナターシャ・ワトリー
そして対上野のもう一つの大きな注目点がこのワトリーの打席だろう。全日本総合においても上野はこのワトリー一人に3安打を浴びたのではなかったか。とにかくトヨタはなんとしてでも7回までに最低でも1点を取らないといけない。アメリカ代表の1番打者にして日本リーグデビュー年に首位打者を獲得した名実ともに今や世界一のリードオフマンにかかる期待は非常に大きいのである。ワトリーがこの決勝トーナメントの大舞台においても実力を発揮できるか、上野およびルネサス内野陣が如何にワトリーの出塁を抑えるか、そこが両軍の攻撃面での最大のポイントであろう。もちろん終盤にきて調子を上げてきた伊藤幸子や、初の決勝トーナメントに燃える坂元令奈(性格的に「燃える」なんてことはあり得ないか?笑)などがしぶとくタイムリーを放つことも考えられるし、一度は攻略したルネサス打線が再びアボットを捕まえる可能性もある。しかしとにかくこの攻撃の軸になり試合を左右するのがこのワトリーなのは間違いない。少なくとも対戦する3度の打席、その3回が、今年の日本リーグを大きく左右するだろう。
<寒い11月の西京極でも本来の力を出せるかワトリー>
posted by silvercats |22:52 |
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