2010年01月29日
長年応援してきたチームの一つであるレオパレス21が昨年の暮れ、突然廃部になった。
廃部自体は珍しくないことだが、これほど強豪で代表選手を多く抱えたチームの廃部は初めてではないだろうか。2004年のミキハウスも同じような状況であったが、今回はそれ以上の衝撃を関係者に与えたはずだ。
内部情報を知るのはあくまで当事者である関係者だけであり、選手ですら詳細が知らされることはほとんどないのではないか。それゆえ全くの部外者である自分が知り得る情報などは皆無に等しいわけであるが、マスコミを通じたりして伝わってきた情報や一連の流れをひとまずまとめておくことにした。
この件に関してはすべての選手の身の振り方が明らかになってからと思ったのだが、すでに移籍先で元気に活躍する姿がそこかしこから伝わってくるので、むしろこれからの彼女たちに期待を込める意味でもまとめることにした。
とにかく言いたいことは一つ。
「大矢留美さん、若い選手達をお願いしましたよ!」
(でも靜甲戦だけは手加減してね、ハート)
ということである(笑)
【10月】
外見的にはチームには全く変化は見られず、まさかこの明るいチームが今季限りで消滅するなどとは夢にも思わなかった。
(ただ後から思い返すに、早すぎると思われる若手選手の引退の噂が聞こえてきたり、あるチームの首脳陣がレオパの主力選手について「○○は本当にいい選手だ。うちに欲しい」というような冗談とも何ともいえないような会話をしているのを球場での地獄耳情報でキャッチはしていた。ただしそれとてその時点で「廃部が決まっていた」ことと関連づけて考える理由としてはかなり弱いであろうが)。
【11月初旬】
・11月8日
決勝トーナメント2日目のトヨタ自動車戦で敗戦。これが事実上最後の試合となる。
最後の打者:小野奈津子(7回裏、アボット相手に豪快な空振り三振)
最後のマウンド:山根佐由里(7回表、満塁から伊藤幸子に投げた1球)
最後のプレー:永吉理恵(その伊藤の打球をライト線で超ファインプレー)
【11月中旬】
会社の経営状態の悪化からチーム存続を危ぶむ噂がネット上で流れる(あるいはこの頃すでに情報を知っていた人が噂を流したか?)。
・11月19日
ネット上に“関係者からの話し”として「レオパレスが今季限りで廃部」という書き込みがなされる。個人的には半信半疑であったが、とにかく最悪の事態だけは覚悟した。
【11月下旬】
・11月24日
井上選手のブログにおいて「レオパレスの歴史」というタイトルの記事がアップされる。
この時までには確実に選手にはすでに通達されていたのであろう。
・11月25日
最終的に廃部が確実となった日と思われる。
・11月26日
この日の(会社の)役員会で、今季限りでの廃部が正式に決まる。
・11月26日
各選手の個人ブログの内容に廃部に関する内容が増える。
(正式な決定を待っていたのではないだろうか)。
・11月27日未明
日付がかわるとほぼ同じ頃、毎日新聞その他のインターネット配信記事で今シーズン限りでのレオパレス21ソフトボール部の廃部が報じられる。
・11月28日
この日のスポニチに詳しく掲載される。
内容としては正式に廃部が決まったことに加え、12月15日までに受け入れ先が見つかれば来年も1部からの参戦が可能であることが明記される。
(注)2001年の大徳廃部のあと規定が改正され、廃部したチームから10人以上の選手をそのまま受け入れ、新会社が12月15日までに登録を済ませればチームが存続したと見なされて来季も1部参戦が認められるようになったようだ(ただし個人的には未確定情報)。
※ただしそれも内々ですでに譲渡先が決まっており、一部参戦の意思表明が早々となされた場合に限られるのではないだろうか?この時点から探し出しての1部残留は事実上不可能だったのだろう。
・11月29日
日本ソフトボール協会の理事会が開かれ、レオパレス関連以外にも以下のことが正式決定された。
(1)レオパレス21の今季限りでの廃部
(2)パナソニック電工津の今季限りでの休部(昨年の時点から休部は決まっていたようで、事実上の廃部だろう)
(3)TOETECKの2部リーグ脱退(これは廃・休部ではなく、チームとしては存続し実業団大会などには出場するようだ)
(4)今季クラブ選手権で優勝した「ペヤング」の来季2部リーグ加盟
(5)レオパレスの廃部に伴い、1部12チームを維持するため、降格の決まっていた伊予銀行が来季も1部に残留する(2000年の松下電工廃部に伴うデンソーの残留と同じ立場)
(※スポニチの記事には12月15日が1部残留の期限と書かれていたが、実際には廃部の報から三日後にはすでに1部12位の伊予銀の残留が決定した。これは残る伊予銀のチーム編成や1部参戦への体制を整えるためにもできるだけ早めの決定が不可欠であること、レオパレスの譲渡先探しが難航していたことなどを考慮したものではないだろうか?)
<スポニチ>
http://www.sponichi.co.jp/sports/flash/KFullFlash20091129081.html
「日本ソフトボール協会は29日の理事会で、即席めん製造・販売の「まるか食品」(本社・群馬県伊勢崎市)が今春設立したチーム「ペヤング」の日本リーグ女子2部加盟を承認した。同チームは全日本総合選手権出場や地元協会の推薦など、2部加入条件を満たした。
一方、景気低迷や五輪の実施競技から外れた影響を受け、女子1部のレオパレス21の廃部や同2部のパナソニック電工、TOETECKの休部も報告された。来季1部のチーム数は12を維持する方針。」
<時事通信:>
http://www.jiji.com/jc/c?g=spo_30&k=2009112900087
「日本ソフトボール協会は29日、東京都内で理事会を開き、女子日本リーグのレオパレス21が今季限りで廃部することを受け、今季最下位で2部降格が決まっていた伊予銀行を1部に残留させ、12チームを維持することを決めた。レオパレス21はチームの受け入れ先を探しているが、これが決まった場合は2部からのスタートとなる。
また、まるか食品(本社・群馬県伊勢崎市)が商品ブランド名をチーム名にして今年創設したペヤングの日本リーグ2部加入を承認。同リーグ2部のパナソニック電工、TOETECKが今季限りでリーグから撤退することが報告された。」
<毎日新聞>
http://mainichi.jp/enta/sports/general/news/20091130k0000m050065000c.html
「日本ソフトボール協会:ペヤング2部昇格など承認日本ソフトボール協会は29日、東京都内で理事会を開き、まるか食品(本社・群馬県伊勢崎市)が今春創設した女子チーム「ペヤング」の日本リーグ2部昇格を承認した。9月の全日本総合選手権に出場しており、継続的な活動も見込めるなど昇格の条件を満たした。
また、今季限りで1部のレオパレス21が廃部するため、今季1部最下位で2部降格が決定していた伊予銀行の1部残留を決定。レオパレス21はチームの受け入れ先を探しているが、譲渡が成立しても来季は2部からのスタートとなる。また2部のパナソニック電工津、TOETECK、加えて男子西日本リーグの大阪ツヅキグローバルが来季はリーグから撤退することが報告された。」
【12月初旬】
表面上は主だった動きはなし。
【12月中旬】
・12月15日
「ドリーム・ワールドにレオパレス21ソフトボール部を譲渡」という報道がなされる。
この記事の中で「21人中11人が移籍し、日本代表の伊藤綾香が含まれている」ことが明記される。他の選手に関しては言及なし。
<ニッカンスポーツ>
http://www.nikkansports.com/sports/news/f-sp-tp0-20091215-576287.html
「日本ソフトボール協会は15日、今季限りで廃部となった日本リーグ女子のレオパレス21の受け入れ先として、静岡県磐田市で園芸緑化事業などを展開する「ドリーム・ワールド」にチーム譲渡が決まったと発表した。日本代表候補の伊藤綾香ら11人が移籍する形となり、来季は規定によりリーグ2部への加盟となる。
レオパレス21は日本リーグ決勝トーナメントで3位に入るなど、近年は強豪チームの一角に成長していたが、厳しい経済情勢などで廃部した。」
[2009年12月15日18時28分]
【12月下旬】
・12月26日
ベテランの藤本索子が岐阜国体のためのチーム「ミナモ・ソフトボールクラブ」に増淵まり子や伊藤良恵とともに入団することが報じられる。
<岐阜新聞>
http://www.gifu-np.co.jp/news/sports/20091226/200912260857_2338.shtml
「清流国体に向け、大垣に女子ソフトチーム発足へ 」
(2009年12月26日08:57)
「2012年のぎふ清流国体に向け、元五輪選手らを軸とした女子ソフトボールのクラブチームが来年2月、大垣市に発足する。
発足するチームは「大垣ミナモソフトボールクラブ」で、監督は、県ソフトボール協会副理事長で揖斐高校教師の栗山利宏氏が務める。活動拠点は同市の浅中公園ソフトボール場を予定する。
メンバーは、北京五輪金メダルの藤本索子(元レオパレス21)やアテネ五輪銅メダルの伊藤良恵(デンソー)、シドニー五輪銀メダルでエースを務めた増淵まり子(デンソーコーチ)ら。日本リーグ1部の佐川急便と伊予銀行からも3人が移籍するほか、来春に大学を卒業する選手も合わせ15人で活動を始める。
県A級リーグに参加するほか、日本リーグ1部のチームとの練習試合で強化を図る。」
【2010年1月】
年があけて1月、譲渡先であるドリームワールドでソフトボールのチームブログが開設され、レオパレスから移った11人の詳細が明かされる(現在、公式ブログにて個々の選手紹介が行われている)。
またソフトボールマガジンにおいても詳しく紹介される。
“ドリームワールド公式ブログ”
その他、いろいろなチームのブログや記事の中の写真の後ろの方で見切れていたり、風の便りを耳にしたりして、徐々に21人の選手の移籍先が明らかになる。
ただし、全選手の行き先や身の振り方がわかるのはもっとずっと先、シーズンに入ってからになるか、あるいは永遠にわからないこともあるかもしれない(笑)
廃部前後に関する情報はほぼ以上のようなものである。
最後に、あくまで「個人的な推測」の域を出ないことを重々承知してもらった上で、現時点での選手の移籍先をあげてみた。
河野美里(外野) → 太陽誘電(と思われる)
E・ティンチャー(投手) → 不明
N・ティッカム(捕手) → 不明
辻井晴名(内野) → ドリーム・ワールド(確定)
谷口敏子(捕手) → ドリーム・ワールド(確定)
永吉理恵(外野) → デンソー(ほぼ確定)
藤本索子(内や) → 岐阜ミナモ・ソフトボールクラブ(確定)
川上恵莉子(外野) → ドリーム・ワールド(確定)
山下美奈子外野) → ドリーム・ワールド(確定)
熊澤怜子(投手) → ドリーム・ワールド(確定)
古宇田佳愛(内野) → ドリーム・ワールド(確定)
田中梢子(内野) → 不明(引退か?とするとこんなに悲しい出来事はない…)
宮野祐子(内野) → ドリーム・ワールド(確定)
小野奈津子(外野) → ドリーム・ワールド(確定)
小西つどい(内野) → ドリーム・ワールド(確定)
松村綾菜(投手) → ドリーム・ワールド(確定)
伊藤綾香(捕手) → ドリーム・ワールド(確定)
山根佐由里(投手) → トヨタ自動車(ほぼ確定)
井上絵里奈(内野) → 不明(引退か?)
蔭山遥香(内野) → ルネサス高崎(ほぼ確定)
林舞乃(内野) → 不明(引退か?)
(順不同)
とにかく、今後のレオパ戦士達に幸あれ…
【追記】
内部の詳細はなかなか伝わってこないのであるが、やはり11月27日に廃部の報が流れてからドリームワールドに譲渡先が決まるまでの前後関係を知りたい。いつの時点で話が持ちかけられ、決定したのか。
水面下ではいろいろと打診があったのかあるいは直前だったのか。
なかなか表には出ない情報だろうが…。
posted by silvercats |23:13 |
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2010年01月15日
正月明けから始まったパソコンの分解再構築にWindows7への移行もようやく完了。今年も熊野オープンが始まるまでは昨年のデータをいじくったり、2010年シーズンの展望を眺めながらオフシーズンを乗り切ろうと思います。
まずは昨年と同様の解析、「投手の記録を解析する」から。
【解析に用いたデータ・条件】
2008年度について行ったのと同じ解析方法で2009年データも解析した。
なお解析条件は「投球回数20回以上の投手」であるが、8回と1/3の瀬川絵美のみ例外的にこれに加えた。
使用したデータは以下の通り。
(1)防御率~1試合(7回)当たりの自責点(一般的なデータ)
(2)被打率~被安打/打数(ヒットを打たれた確率)
(3)与四死球率~与四死球数/打席数(対戦打者一人当たりに四死球を与える確率)
(4)奪三振率~奪三振数/打席数(対戦打者一人に対して三振を奪う確率)
(5)投球数率~投球数/投球回数(1回を抑えるのに要した球数)
(1)防御率~上野、バークハート、アボットの順。伊予銀としては清水の8.6が誤算。もう少し抑えて欲しかったか。
(2)被打率~アボットがトップで、上野、バークハートと続く。露久保の0.163もトップクラス。
(3)与四死球率~アボット、上野は四死球も少ない。3位に誘電の伊藤。瀬川はほぼ3人に一人を四死球で出す。
(4)奪三振率~三振率もアボットがトップで2位が上野。
(5)投球数/回~球数が最も少なかったのが露久保。豪腕上野に投球術で張り合う。ベテラン帰山が3位
【その1:野手に負担をかけない投手は?】
今年も上記のデータのうち、「ヒットを打たれないこと」「四死球を与えないこと」「三振を奪うこと」の3つに着目して解析した。
★★★モニカアボット(トヨタ自動車)
記録から見る2009年の日本リーグのNo.1投手。被打率も奪三振も上野を上回った「世界一」の投手(オスターマンも日本リーグにこんかね)。
★★上野由岐子(ルネサス高崎)
その世界一アボットと匹敵はやはり世界の上野。アボットと二人で他を圧倒的に引き離す。
露久保望美(トヨタ自動車)
被打率の低さはリーグ屈指。三振は少ないが与四死球も少ない。
ケイティ・バークハート(豊田自動織機)
バークハートも他を引き離している。この4人は2009年シーズンにおいては頭一つ(アボットと上野は3つくらい)抜けていた投手だ。
その他の投手
昨年コントロール面で顕著な数字を残した山根、今年も被打率の低さと四死球の少なさでやはり他の一群の投手からは半歩リードしている。
瀬川が評価不能なのは今年も同じ。奪三振の多さと四死球の異常な多さが相殺され、且つそれでいても被打率が低い。コントロールが何割かでも改善されればかなり変わるのだろうが。
ティンチャー、ローチ、ギブソンの外国人3人が同じような成績なのも面白い。被打率はそれほど低くはないが、三振の多さで特徴付けられる。
【被打率と四死球/三振・比の関係】
さて昨年もこの二つのデータの相関関係を見たわけであるが、今年はもう少しまじめに解析してみた。
「被打率(安打/打数)」も「四死球/三振」もともに比率である。こういうデータの場合は数値を対数置換すれば直線関係に置き換えられる。
今回は2008年と2009年の2年間のデータについて、両対数グラフで表してみた。
一目瞭然、この二つの数値には明らかに相関関係が認められる。
(Ln(三振/四死球)=-4.09xLn(被打率)-5.40,相関係数=0.691,危険率1%未満で有意な相関あり)。
つまり、これらの2つのデータには相関があり、四死球の割りに三振を多く取れる投手というのは比例して被打率も低く、つまり「好投手」といえるだろう。
一つの簡単な数値で能力を表すことには懐疑的ではあるが(OPSとか)、日本リーグの投手にいてはこの「三振/四死球・比」というのは比較的有効な数値なのかもしれない。
多くの投手は投手としての能力を高めるよう、相手を抑えるよう努力することで、この回帰直線に収斂されるような方向に技術革新していくのであろうが、それでもここから離れて位置する投手もやはり存在する。
その典型が藤原麻起子で露久保望美であろう。彼女たちは三振を取るボールを持てないながらも、コントロールと変化球を磨いてある境地にまで達したような投手でる。
今回も「野手に負担をかけない」という点に絞ってみたが上記の藤原や露久保、山根といった技巧派の好投手はやはり違った評価が必要だ。
それで次回は昨年と同様に、これらのデータを使って各投手のタイプについての解析してみたいと思う。
posted by silvercats |21:37 |
日本リーグの記録と解析 |
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