2010年01月08日

【ジャンプ週間のもう一つの楽しみ方~より幸運な勝者とより不運な敗者(その2)】

~その2~ (つづき)

<<KO方式の運・不運を数値で表す>>


☆☆ラッキー・ポイント(LP)☆☆
 ラッキー・ウィナーに該当する選手について、「pts順位-30」の値を点数(ラッキー・ポイント)とする。多い方がよりラッキーとなる。数値は理論上1~だが通常は1~15くらいの範囲か。

<2009/2010ジャンプ週間>
第1戦	ヤコブセン(1)、ツルンビハイア(4)、キクル(5)、ヤンダ(10)、キュッテル(12)
第2戦	ヨケルソイ(4)、クラニエッチ(6)
第4戦	ウアマン(1)、メッツナー(2)、フラバ (4)、フラ(6)

※今年のNo.1 ラッキーはキュッテル(SUI)


▲▲アンラッキー・ポイント(UP)▼▼
 アンラッキー・ルーザーに該当する選手について、「(31-pts順位)」の値を点数(アンラッキー・ポイント)とする。より大きい方がアンラッキーで、数値は理論上1~30だが実際には1~15くらいの範囲か。

<2009/2010ジャンプ週間>
第1戦	ノイマイヤー(9)、プレビッチ(6)、コルニロフ(5)、竹内(3)、カレリン(1)
第2戦	カルペンコ(2)、キクル(1)
第4戦	ヤンダ(5)、ヨケルソイ(4)、エベンセン(3)、ワンク(2)

※今年のワーストはノイマイヤー(GER)
※ちなみにヨケルソイの場合、ラッキーptsが4だがアンラッキーptsも4あるため、今年のジャンプ週間では差し引きゼロ。


●F度とF係数(Fortunes-Degree & -Coefficient=運度、運係数)●

 「Bestラッキー・ウィナーの順位とWorstアンラッキー・ルーザーの順位の差」をその大会のF度(Fortunes Degree)、「(アンラッキールーザー全員の総得点-ラッキーウィナー全員の総得点)」をその大会のF係数とする。
 つまり「F度」は順位基準の数値で言わば「順位の逆転度」「F係数」はポイント基準の数値で「ポイントの逆転度」。

 数値が大きいほど、その大会における2回目進出において結果以上に組み合わせ運が左右したことを表す。

<2009/2010ジャンプ週間のF度>
第1戦	42-22=20
第2戦	36-29=7
第4戦	36-26=10

<2009/2010ジャンプ週間のF係数>
第1戦	47.5
第2戦	6.6
第4戦	14.0


おわり

posted by silvercats-ski-jump |18:54 | スキージャンプ・コラム | コメント(0) | トラックバック(0)
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2010年01月08日

【ジャンプ週間のもう一つの楽しみ方~より幸運な勝者とより不運な敗者(その1)】

~はじめに~

 W杯より古い歴史をもつ「伝統のジャンプ週間」では、近年「KO方式」という直接対決方式の競技が行われている。この方式では1回目の飛躍におけるマンツーマンでの対戦で勝った方が2回目に進めるわけであるが、その組み合わせの妙から選手にとっては運不運が大きく左右する結果が生まれてくる。


<<ジャンプ週間・1位決定の仕組み~KO方式>>

 まずはジャンプ週間で採用されているKO方式のルールを簡単に説明しておこう。

「予選(Qualification)」
●WC予選免除組(現時点でWCポイント総合10位以内)も含め、参加選手全員で予選飛躍を行う。
↓
●予選の結果から、ポイント上位50人が翌日の本戦に進める。10人がシードなので、予選では実質40人を選ぶことになる。

※ちなみに、予選免除されるWC総合ポイント上位10人の選手の中で、もし予選での飛躍をパスした選手がいれば、その選手は「予選50位」として扱われる。

「本戦(予選の翌日)」
●予選の結果をポイントで1位~50位まで並べ、(25位と26位)、(24位と27位)…(2位と49位)、(1位と50位)というように25組の組み合わせを作る。
↓
●1回目の飛躍はこの組になった二人のポイントを比較し、KO方式で勝者を決める。
↓
●KO方式で勝った選手25人が自動的に2回目に進める。
↓
●KO方式で負けた選手25人のうち、ポイントが上位の5人については「ラッキールーザー」として救済され、2回目に進める。
↓
●KO方式の勝者25人+ラッキールーザー5人の計30人で2回目の飛躍を行う。
↓
●KO方式で飛んだ1回目のポイントとこの2回目のポイント合計で、優勝を争う。

※悪天候などにより予選が行われなかった場合、1回目のKO方式はなしになり、全員が飛んだ後に上位30人が2回目に進める(今年のガルミッシュ-パルテンキルヘン)


~その1~

<<KO方式はより「ラッキーな勝者」とより「アンラッキーな敗者」を決める仕組み>>

 KO方式が採用された大会では、直接対決で負けてもポイントで救済される「ラッキー・ルーザー」が話題になるが、実はそれ以上にさらに幸運な選手を生み、加えて「不幸な選手」を生じさせる仕組みでもある。

(1)ラッキー・ルーザー
※繰り返しになるが、直接対決では負けたが、負けた選手25人の中でポイントが上位5人に入っているので2回目に進めた選手である。2回目に進むことが出来るのは全体で30人であり、かつKO方式の勝者は25人だけであることから、このラッキールーザーの5人のポイントは理論的には上位30人以内には必ず入っている。よく考えると実はそれほど「ラッキー」というわけでもないのだ。

(2)ラッキー・ウィナー
※ポイントから言えば上位30人の中に入っていないにもかかわらず、たまたま直接対決に勝てたおかげで2回目に進めた選手。この選手こそがまさに「ラッキー」であろう。

(3)アンラッキー・ルーザー
※負けた上にアンラッキーというのも変だが、ポイントだけなら上位30人の中に入っているにも関わらず、直接対決で負けてしまい且つ負けた25選手の中での上位5人にも入れなかったため2回目に進めなかった選手。通常の大会であればそのまま2回目に進めてWCポイントも獲得出来たことを考えるとまさに「アンラッキー」だろう。


では実際に今年のジャンプ週間第1戦での1回目の飛躍の結果から見てみよう(予選順位の上位30人が2回目に進出できる)。

選手名 	points	予選順	pts順	
コフラー	124	1	1	
モルギー	123.6	2	2	
ロイツル	122.7	3	3	
ダミヤン	115.2	4	4	
コッフ 	114.7	5	5	
エベンセン	114	6	6	
アマン 	113.1	7	7	luckyloser
ボドマー	109.8	8	8	
シュリー	109.4	9	9	
マリシュ	108	10	10	
アホネン	106.2	11	11	
ミューラー	105.3	12	12	
伊東  	104.4	13	13	
葛西  	103.4	14	14	
シュミット	102.9	15	15	luckyloser
クラニエッチ	102.5	16	16	
メッツナー	102.5	17	17	luckyloser
コロレド	102	18	18	
ケイツリ	101.3	19	19	luckyloser
キム  	100.8	20	20	luckyloser
フラバ 	99.4	21	21	
ハウタマキ	98.4	22	23	
ヨケルソイ	98.1	23	24	
マツラ 	95.4	24	28	
オリ  	94.8	25	29	
ヤコブセン	93.8	26	31	luckywinner
Tビハイヤ 	90.8	27	34	luckywinner
キクル 	89.4	28	35	luckywinner
ヤンダ 	84.3	29	40	luckywinner
キュッテル	79.4	30	42	luckywinner


ノイマイヤ	99.3	31	22	unluckyloser
プレビッチ	97.4	32	25	unluckyloser
コルニロフ	97	33	26	unluckyloser
竹内  	96.7	34	27	unluckyloser
カレリン	94.8	35	30	unluckyloser
ヒルデ 	93	36	32	
フラ  	91.2	37	33	
モラッシ	89.4	38	36	
ルメレン	88.9	39	37	
ワンク 	88.5	40	38	
ラリント	88.5	41	39	
アレキ 	81.9	42	41	
ガングネス	78.9	43	43	
シェダール	78.4	44	44	
シュンバレ	73.8	45	45	
フライタグ	72.1	46	46	
ホッケ 	67.6	47	47	
栃本  	62.1	48	48	
ミエツス	58.9	49	49	
ウアマン	53.8	50	50	

※「予選順」は直接対決勝者+ラッキールーザーの計30人をポイント順に並べ、且つ残りの20人も同じようにその20人の中でポイント順に並べたもので、これが公式記録である。
※「pts順(ポイント順)」は飛躍ポイントをそのまま順番に並べたもの。

<例>アマンラッキー・ルーザー)~直接対決では敗れたが、ポイントは全体の7位であり敗者の中ではもちろん1位。よって救済されて2回目に進出

☆キュッテルラッキー・ウィナー)~直接対決で勝ったため2回目に進めたが、ポイントから見ると全体の42位。普通なら2回目に進めていない。「幸運」。

☆ノイマイヤーアンラッキー・ルーザー)~直接対決に敗れたため2回目に進めなかったが、ポイントだけ見ると全体の22位で十分2回目に進めた飛躍。「不運」。


「その2」につづく

posted by silvercats-ski-jump |18:37 | スキージャンプ・コラム | コメント(0) | トラックバック(0)
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