2008年04月16日

THE OUTSIDERというブルーオーシャン

プロ格闘技の歴史とは、男子の妄想を具現化する歴史かもしれない。

「どの格闘技が最強なんだろう?」
「誰が史上最強なんだろう?」
それがプロ格闘技のルーツであり、
その事だけで酒場で朝まで語れる至極の話題。
僕みたいな変態に限らず、この種の妄想は男なら誰もがワクワクするはず。
漫画もゲームを見たら分かる。
「格闘技」「不良」「ヤクザ」「喧嘩」
男なら誰もが、興奮するキーワード。
 
子供が青年になり、大人になるにしたがって「常識」という鎖が人を縛る。
無理やりに誰かが縛っているのか、自分で自分を縛っているのか。
分からないが、「常識」という鎖が否応なく人を縛ってしまう。
たまに縛られない様な非常識な人間がいる。
また、縛られた鎖を断ち切る猛者もいる。
彼等が新しい価値を我々に提供する。
そして、時代は変わる。
 
この大会を今になって振り返ると、「人気が出て当然」。
そう思うが、このコンセプトを発想出来るセンス。
それを、僕は持ち合わせていなかった。
持ち合わせていたとしても、具現化する人脈もノウハウも資金もないのだが。
前田日明は、全てを持ち合わせていた。
本当に何かをプロデュースしたプロデューサーは少ない。
その数少ないプロデューサーの1人が、前田日明。
あと思いつくのは、K-1を作った石井和義。
あとは修斗を作った佐山聡。
 
子供心を失わない前田日明の凄さ。
そして、その子供心が具現化出来てしまう凄さ。
彼の人間性が一部で言われている様に、本当に問題があれば妄想で終わっただろう。
豪傑特有の「何か」はあるかもしれない。
だが様々な人間が協力しているからこそ、形になっているはずだ。
 
今のアントニオ猪木は、過去の貯金を食い潰す事しかしない。
発想が非常に安易で、夢や情熱は感じられない。
あれを愉しめるのは、相当にマニアックな人。
あるいは、猪木が絶対神な人。
体感はしていないが、全盛期に圧倒的だったのは頭では分かっている。 
しかし、今のアントニオ猪木は少なくともクリエイティブな情熱を
格闘技に対して持っているとは思えない。
永久電池には持っていそうだが。

前田日明は、HERO'Sスーパーバイザー時代というリハビリ期間を除けば、
常に貯金を使って新しい挑戦をし続けている。
贔屓目に見ているのかもしれないが、リングスの発想は「世界各地の格闘技の猛者が
世界最強を賭けて、リングで闘う」という非常識な(無論良い意味で)発想だった。
漫画の世界だけで終わりそうな世界観を、現実の世界に持ち込む。
それが、前田日明。

一時期、HERO'S後期、前田好きが災いして愛憎といった気持ちを抱いた。
それ程に、当時の前田には幻滅する事が多かった。
あの時間は戦場に帰ってくるのに、必要だったリハビリ期間だったのかもしれない。
あの程度で幻滅していては、猪木ファンに怒られるとも思う。
彼等の裏切られっぷりは、こんなものではないだろうし。

PRIDEやK-1と対抗する程には、資金が無くても始められるシステム。
知りたいが知らない身近なのに、未知な世界。
もう無いと思っていた「ブルーオーシャン」が其処に。

見事なまでの逆転戦略。
…と喜び過ぎても、OUTSIDERは始まったばかり。
過度に喜ぶと、後が怖い。

僕が依然として前田日明が好きだった事に気付きつつ、
次回大会に期待したい。


サイゾー
http://www.cyzo.com/2008/04/post_488.html
ブルーオーシャン戦略
http://www.jmrlsi.co.jp/menu/yougo/my02/my0222.html

posted by siko_yugi | 22:36 |
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2008年04月13日

「K-1 WORLD GP 2008 IN YOKOHAMA」 雑感

●澤屋敷 純一VS武  蔵

それが好きな選手であれ、嫌いな選手であれ。
ある程度の年齢を経てくると、馴染みの選手が消えていくのは寂しいかもしれない。
そんな事を、ふと思った。
プロデューサーの視点に立てば、武蔵の勝利は空気を読めていない勝利。
谷川氏としては、新陳代謝を一気に進めたかったはず。
だが、「バカ高いチケット」でもないが、バカ安い訳ではないチケット。
それを買って会場に足を運んだ観客。
多くは、それなりの年齢のはず。
K-1がメジャーになってから観始めたとしても、
佐竹から武蔵に世代交代される頃を直撃している人が多いのではないか。
そんな馴染みの武蔵が引退する。

不甲斐無い試合を観ると叩きたくなっても。
消えていくのは、寂しいという心理。
それは老いていく自分を感じるから。

35歳の武蔵がおっさんパワーという言葉を発し、喝采を浴びる。
31歳の筆者としては、複雑な心境だ。

あと、澤屋敷について。
彼が弱くないのはバンナ戦で証明されているが、華がない。
当初はそれでも良かったが、テレビ放送においてのメイン。
それにしては、あまりに垢抜けない印象。
それだけ格闘技に打ち込んでいるんだろうし、素晴らしい事ではある。
ただ、プロ興行として考えた場合、フジのこの時間を背負うのなら。
もう少し垢抜けた方がいいだろう。
武蔵の首に巻いたチェーンが良いという訳ではないけれども。


●セーム・シュルトVSマーク・ハント

強いから人気が出る訳ではなく。
3連覇もしているのだから、いい加減考えてもらいたい。
あの体格で後ろ回し蹴りをされたら、お手上げ。
仮に彼が誰かに負けても、たまたまレベル。
マイクを握って何か話していたが、訳す人もおらず。
相変わらずなんとも不思議な位置に、シュルトはいる。


●エヴェルトン・テイシェイラVS藤本 祐介

テイシェイラに関しては、
YOU TUBEで極真の試合を簡単に観たのみ。
フィリオ程の衝撃はなかったが、強い印象。

僕のトレーニングしているジムに、よく藤本が練習に来る。
真面目にトレーニングする姿には好感が持てる。
そしてフクラハギが、非常に太い。

だが、相変わらずスタミナがない。
そして武蔵に勝っても噛ませ犬にさせられてしまう悲しい立ち位置。
ルックスの問題なのか、年齢の問題なのか。

そして、極真の絶対王者。
煽りは最高だったが、実力が伴わない。
そして、藤本の意地が交差し、結果ウダウダな展開。

今後強くなる可能性はある訳で、
編集段階で、延長から流せば良かったのに。
第一印象を覆すのは、非常に難しい。
幻想は早くも壊れてしまった。
本当に勿体無い。
思ったよりも一回り身体も小さく感じられ、
今後K-1で通用するかは若干疑問。
だが、期待したい。
マンネリを打破するには、新しい血が入るしかない。

それにしても、繰り返すが煽りは良かった。
極真の試合を観ていない層にも、確実に伝わる煽り方。
佐藤Dが抜けても、流石フジテレビ。
極真のロゴの出し方が絶妙だった。
それだけに残念。


●バダ・ハリVSレイ・セフォー
バダ・ハリ強し。
打撃のスピードが速く、連打も打てる。
踏み込みもいいし、KO狙いのファイトスタイルはプロとしても申し分無し。
それにしても、成長したなという印象。
セフォーが落ちた事を割り引いて考えても、強い。
華もあるし、バダ・ハリをエースにして組み立てた方が、K-1的に良い気がする。


●グラウベ・フェイトーザVSアレックス・ロバーツ
何故に2Rからなのか。
枠の問題なら、無意味な入場シーンを削ればいいはずで。
3分ぐらい生み出せただろうに。
ブラジリアン・キック。
まさに、戦慄。
格下相手だと、フェイトーザの場合、本当に強さが引き立つ。


全体として、KO率も高く成功だったのでは。
極真ブランドに今後の展開を谷川氏は期待しただろう。
その部分は残念だろうが、バダ・ハリを推せば当面マンネリ打開出来るのでは。

posted by siko_yugi | 22:24 |
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2008年04月13日

プロレスラーの練習時間

http://d.hatena.ne.jp/furu_ringo/20080412/p1

異常なぐらいの練習をしている。
だから、レスラーは強い。
特に新日の選手は。
山本小鉄が現場に睨みをきかせていた頃の常識。
前田やらプロレスラーから漏れる練習の話。
聞いて、思った。
人間じゃない。
だから、レスラーは強いんだ。
普通じゃないんだ。

「オリンピック?」
「アマレス?」
「柔道?」

チャンチャラ可笑しいね。
だって、アマチュアでしょ。
プロレスは、プロなんだよ。

そう信じてた。
だって、前田日明が世界最強だって。
真剣に思ってたからね。

誰が潰した。
馳かな。
やっぱ、馳だね。
新日には悪い事が重なり過ぎた。
コントみたいに、有り得ない不幸が続き過ぎた。

今の圧倒的に情報の多い時代。
また、情報の漏れやすい時代。
幻想なんて抱けないのかもしれない。
誰もプロレスラーが最強だなんて思ってない。
僕だって、思ってない。
アイドルが処女だなんて。
誰も思ってない。
そんなリアリティー。
誰が望んでたんだろう。

極真もそうだけど。
情報化社会は見事に幻想を壊すね。

posted by siko_yugi | 20:04 |
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2008年03月30日

懐古主義に陥らずに「田村VS船木」を観たい

現在を見ることが出来ない事は、悲しい事だ。
現実を直視する事が出来ない、懐古主義者。
それは今を生きている人に押しつける人も、稀に存在している。
その姿は、悟り無き老人の様。
年を取ると若かった頃、熱かった頃が懐かしいのだ。
あの頃程、自分が燃えられない故に、
「あの頃が一番良かった」と思ってしまうらしい。
この種の病は自覚症状がないらしく、たちが悪い。

僕もその病に陥っていた事がある。
格闘技に限らず、音楽の好みにおいてもそう。
恥ずかしい限りだが、毎回、治ってから気付いている。

昨今のプロレスについて考えると、
「あの頃は良かった」と呟いている自分に気付く。
ハッスルを愉しめているのが救いだが、
別の懐古主義に陥っているのかもしれない。
実際に、昔のプロレスの方が面白いのかもしれない。
それが冷静な認識なのか、懐古主義な盲目な認識なのか。
正直、分からない。

ただ。
歴史は連続していている。
連続して目撃者であれば、比較的冷静な判断が出来る。
経験上、そんな気がする。

プロレスは、一時期あまりに退屈で離れていた時期がある。
故に、冷静な判断を出来ている自信がない。

前田日明が全盛期の輝きが薄れ、時にズレている感じがするのは、
前田自身があの事件後、姿を消していたからかもしれない。
格闘技界における前田という存在が連続していない。
そして、おそらく前田も格闘技界を連続して見ていなかっただろう。
ブランクを埋めるには、多少の時間が必要だ。
老人になっていなければ、いずれ感覚は戻るはず。
OUTSIDERが面白かったのかどうか。
それは観ていないだけに分からないが、ワクワク感は十分に感じられた。
結果はどうあれ、仕掛けや視点は全盛期のプロレスそのもの。
前田が前田らしくて、嬉しい。
まだ、前田は健在だといえる。

だが、連続している場合のマイナス点もある。
パンチドランカー症状になかなか気付かないのと同様。
連続しているだけに、変化になかなか気付く事が出来ない。
良かった頃の動きを覚えているだけに、その動きを引き摺ってしまう。

「田村VS船木」
この組み合わせを聞いて、そんな事を想った。

田村は連続して、格闘技シーンに存在している。
天邪鬼な行動も結果が伴ってこそ。
実際、最近は冴えない試合が続いている。
だが、連続して田村を見ているので気付きにくい。
回転体の田村、全盛期の田村の動きが戻れば。
今が調子を崩しているだけで、彼のポテンシャルなら。
そんな事を考えてしまう。
ポテンシャル自体が、落ちたかもという仮定はせずに。
それが、良いのか悪いのか。
分からないが、田村にあの頃の田村の動きを求めるのは
酷なのかもしれない。
体格が変わらない(様に見える)だけに、なかなか気付きにくい。
考えれば当たり前なのだが、僕達と同様に田村も老いている。

船木に関しては、逆。
連続していないだけに、今の彼を比較的見る事が出来る。
40を前にした男に、「21世紀の星」といわれた
若々しさを求める訳にもいかないだろう。
それは舟木一夫に高校三年生を歌わせるのと同じ。
本来、理想論だが、その時点時点でのその人を見るべき。
それが格闘技界における船木という存在が、連続していないので容易。
一度、ヒクソンに殺されて第一部は完結している。
今の船木は、これからどうなっていくのだろう。

UWFを懐かしみつつも。
彼等の過去ではなく現在を観たい。
人は少なくとも生きている限りは、現在進行形。

posted by siko_yugi | 18:52 |
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2008年03月09日

「DREAM」 杞憂に終わればいいのだが、何気無い悪夢

長年付き合った女。
苦楽を共にした特別な存在。
忘れ得ぬ思い出の数々。

様々な事情があり、感情を残したまま別れる。

紆余曲折があった後。
1年ぶりに、よりを戻す。

街並みも変わった。
よりを戻した彼女との新たな日々。

知っている彼女に触れては、安堵する。
2人の歴史が、そこに今も在る事への安堵。

だが、たまに感じる違和感。
よりを戻した時には、あれだけ喜んだのに。
あれだけ感動したのに。
何故か、分からない。

何かが違う。
何かが変わってしまっている。

俺が好きだったのは、あの時の彼女だったのかもしれない。
あの時の彼女は、もう何処にもいない。


そんなパターンになったら悲しいね。
それが嫌なら、生まれ変わるしかないね。

「DREAM」

posted by siko_yugi | 12:00 |
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2008年02月19日

起業家としての前田日明

着眼点や発想は、いつも素晴らしい。
しかし、ピープル・マネージメントが全く出来ない。
ずっと周囲からもNO1としての扱いを受けてきた人間は、
リングを降りても主人公の座から降りようとしない。
アントニオ猪木然り。
欽ちゃん然り。
特に前田日明には、空白の数年間がある。
前田にとっては空白だったが、
格闘技界にとっては激動の数年間だった。
頭では理解していても、前田は未だ埋められていないのではないか。
空白の数年間を。
自分自身の老いや立ち位置の変化を。

邪魔をしているのは団体としてのPRIDEではなく、
自分自身の内にあるプライドだったのかもしれない。

「THE OUTSIDER」
今回もその殻を破れないだろうとは思う。
だが、今回は社会起業的。
発想は優れているが、真似される可能性は低い。
だから、上手くいっても前田は傷つかないかもしれない。
商業的な成功は難しいだろうが、佐山と初期修斗の様な関係。
異質だが一目置かれる団体。
そんな小さな成功は掴んで欲しい。
その小さな成功が、大きな成功を産むかもしれないのだから。

posted by siko_yugi | 13:19 |
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2008年01月31日

「戦極」にアローナ、ジョシュ参戦の噂

タイトルのまま。
複数の業界関係者からの情報では、
「五味に続き、ジョシュとアローナの参戦がほぼ決定的」との事。

チケットの売行きが芳しくないという噂もあった。
吉田が軸では興行が成り立たないという、
当たり前といえば当たり前過ぎる事実を痛感したのだろう。

五味サイドも溜めに溜めて、
経済的にも高く自分を評価してくれる場を選んだのだろう。
それは、至極当然の事。
ただ格闘技ファンからすれば、「やれんのか」一本でまとまってもらいたいという思いがあった。かつてPRIDEの中心にいた五味には当然、「やれんのか」に参戦して欲しかった。
だが、仕方がない。

そして、ジョシュとアローナの参戦が確定すれば。
やや厚みを増すであろう「戦極」という第三世界。

やれんのかサイドと順風満帆ではなさそうな谷川FEGも含め、
混沌とする格闘技界。

絶頂期から衰退期に至る過程では、エゴに歯止めが利かなくなる。
団体は分裂を繰り返し、やがて存在そのものが希薄になる。
「地上最強のカラテ」が教えてくれた事。

あまり悲観視したくはないのだが。


思考遊戯
http://blog.livedoor.jp/siko_yugi/

posted by siko_yugi | 23:54 |
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2008年01月28日

前田日明と秋山成勲

前田日明が三崎vs.秋山戦、大晦日の出来事を激白!=格闘技通信発
「4点ポジションから立ち上がる時に蹴ったらダメだよ」
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/fight/other/column/200801/at00016059.htmlノーコンテスト裁定に秋山とFEG谷川代表が会見、三崎に苦言
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/fight/other/headlines/etc/20080123-00000030-spnavi-fight.html


かつてのファンである僕が、呆れる昨今の前田日明。

「オレがその場にいたら止めてるね」とインタビュー中、答えている前田。
「山本KIDは止めなかったのに?」とベタだけど、突っ込みたくもなる。

かつての前田は「少年臭さ」が素敵だった。
豪傑風を気取る前田。
知性派を気取る前田。

「強がってる前田も本当は寂しいんだろう」
「三島由紀夫が好きだと言いながら、引用する言葉はいつも一緒やな」

そういう部分も含めて、背伸びした感じの前田を魅力的に感じた。
何処か自分自身の弱い部分と重なり、親近感を感じたのかもしれない。
ただ、彼は「最強」の男。
苦悩しつつ、理不尽に立ち向かう不器用な孤高の男。
だから、憧れた。
自分自身の弱い部分を持った男が、最強。
「ナイーブなのに最強」という前田日明。
何故か報われない男、前田日明。
少し悲劇的な感じが、アムロ・レイ的でもあった。

ただ、アムロ・レイが英雄なのは。
当然だが、ガンダムのパイロットなのが前提。
ガンダムに乗れないアムロ・レイなんて、少年は憧れない。
繊細すぎて、あまり関わりたくない系統の人。

前田日明も同様。
世界最強だからこそ、憧れた。
膝を壊した後も、怪我さえしていなければ。
そう仮説の中で、「前田日明最強論」を保つ事が出来た。
最強じゃない前田日明なんて。
否、最強ぶらない前田日明なんて。
安生に仕返しが出来ない前田日明なんて。

健全ではないメンタリティーを持っていても。
才あればこそ光る。
明らかに精神の病んでいるミスチルの桜井やCOCCO。
尾崎豊やカート・コバーン。
才が無ければ、ただの精神病患者。
才あればこそ、英雄。
その闇が才を引き立たせ、彼等をより魅力的にさせる。

喧嘩に負けた事で、自分の才を否定された前田。
才を失くした前田日明は、(まともな)人になるしか無かった。
安生に襲撃され惨めな姿を世間に晒した後、仕返しの出来ない前田。
三国志の破滅的豪傑「呂布」ならば、有り得ない姿。
それは、自己否定と同義。
報復が出来ずに、怯えた時点で前田日明は「ただの人」になった。
前田によって惨めな姿を晒す羽目になった猪木でさえ、あんな姿を晒した事はない。
かつての憧れに「因果応報」とは言いたくないが。

しかし、それは前田日明にとって
人として成長する「良い機会」だったかもしれない。
前田が、公の場から姿を消した時間。
HERO'Sスーパーバイザーとして帰ってくるまでの時間。
それは「チャンス」だった。
その間に、前田は変わるべきだった。
人間的成長を、僕は期待していた。

「格闘技界に前田日明が足りない」
誰かが言っていた名文句。

前田日明の実直さ。
格闘技に対する不器用な純潔。
それは事実、足りなかった。
そして、前田日明が戻ってきた後も足りていない。

言うだけ番長。
口先だけの人間なんて、余り過ぎる程に。

前田は「失くしてはいけないモノ」を失くしつつあり、
「失くさねばいけないモノ」を失くせずにいる。

「失くしてはいけないモノ」を失くしたと書けないのは、
僕の青春への未練だろうか。


ノーコンテスト裁定に秋山とFEG谷川代表が会見、三崎に苦言
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/fight/other/headlines/etc/20080123-00000030-spnavi-fight.html

純然たるスポーツ競技として。
そんな前提で、この裁定について語ろうとは思わない。
K-1以前の格闘技とは、状況は明らかに違う。
大晦日のゴールデンタイムに放送されるプロ興行。
格闘技は、立派なショービジネスなのである。

今回の裁定が下ったほぼ全ての要素は、ビジネスとしてである。
スポーツ競技としての要素は、皆無。
「どう次に繋がるか」
それだけである。

三崎は、勝ち逃げしても良いかもしれない。
強引に流れを政治力で変える谷川。
格闘技ファンなら誰もが感じるであろう不快感。
両者、TOPクラスの強豪。
再戦は、非常に魅力的ではある。
ただ、無理矢理筋書きを変更する必要はなかった。
何故、流れをここまで粗末にするのか。

純粋に秋山のミソギは済んだと思っていたし、新しい秋山を見たかった。
彼の再起を心から応援したかったし、
彼は非常に魅力的な試合をする選手だとも思う。
別に三崎に負けたから、格が落ちる訳でもない。
あのブーイングの中、あれだけの姿を見せた秋山。
結果に狂喜した後、多くの格闘技ファンは秋山を認めたはずだ。
それなのに、何故。

谷川という権力者のビジネスセンスの無さ。
脚本家としての質の悪さ。
ある程度自然に任せて手綱を握る。
それが最善だと何故、分からないのか。
今の時代。
世間の声が、聞こえない訳はないのに。
ここまで酷いと、他の理由。
例えば、日韓の政治的背景を勘繰りたくもなる。
異常としか言い様がない。
「谷川の後ろには、某政治団体と…。某政治団体の後ろには…」みたいな。

ここまで踏み外して妄想すると
三流芸能雑誌みたいになるので、この辺で止めておこう。

ま、有り得ないか。
それにしても。
何だかんだで谷川は、懐かしい「俺たちの時代」に「格闘技通信編集長」だった男。
いくらなんでも谷川がここまで愚かだったとは思えないのだが。



http://blog.livedoor.jp/siko_yugi/より転載

posted by siko_yugi | 07:27 |
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2008年01月27日

必要不可欠な朝青龍という毒

白鵬が3連覇=朝青龍、復活V成らず-大相撲初場所
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/fight/other/headlines/etc/20080127-00000064-jij-spo.html

勧善懲悪に酔う時もあれば。
常識を逸脱した不条理に酔う事もある。
常に、我々が「HAPPY END」を望むとは限らない。

朝青龍を叩きつつ、
朝青龍がいなくなると感じる虚無感。
我々の正義感なんて、その程度。

その自分自身の正義という尺度ですら、確かなものとも思えない。
世間から植えつけられた洗脳に近いかもしれない。

ストレス社会に生きる我々にとっての捌け口。
それが、朝青龍であり秋山成勲。
もっと言えば、船場吉兆等の不祥事を起こした企業も。
世間のバッシングを浴びる全て。
特に被害もないのに、ストレス発散の対象として叩く。

対象がいなくなると、寂しがる。
「突出した何か」の場合は、特に。
「赤福」の販売再開を心待ちにし、「白い恋人」には長蛇の列。


対立概念を好むのが、人の性。
朝青龍は、世間によって追い出され。
世間によって帰ってきた。

そして。
復帰直後。
ベストではない中で、彼はその場に立っていた。
我々の常識など通用しない、非凡な才。
ブランク。
練習量。
関係が無い。
つまり、別格。

その先には、白鵬。
相撲に無知な人間でも感じる色気。
双方、相当な覚悟を有した英雄。
名勝負と呼ぶに相応しい内容で、白鵬が勝つ。
負ければ、立場が無かったであろう白鵬。
キレイな「勧善懲悪」劇。
「白鵬=善」「朝青龍=悪」という短絡的な見方もいかがかと思う。
しかし、今回は単純にそう観た方が楽しめた。

大晦日の様な、不必要なマイクも無くキレイに幕は閉じた。
白鵬は、大一番の後でも空気が読めるらしい。
彼の勝利を素直に喜びつつ、悪があるから善が映える事を再認識。

朝青龍は相撲界にとって、必要不可欠。
代わりがいない、唯一無二の存在。
極論、白鵬の代わりはいるかもしれない。
三崎の代わりが見つかりそうなのと同様。

「相撲道」と呼ばれる高い倫理観。
そんな精神性は、元々求められていなかったらしい。
闘牛等と同じで、「強さが全て」だった様だ。

柔道や空手の様な、門戸を広く開けた武道。
そこには、教育的側面として「道」が必要。

だが、非凡な人間のみが集う特殊な世界。
歌舞伎や相撲の様な世界の人々。
神が与えた彼等の卓越した才。
それを愛でるだけで、良いのではないか。
彼等の人間性や素行を、我々の価値観で測るべきなのだろうか。
結局、我々は「突出した何か」を求めるのだから。



思考遊戯
http://blog.livedoor.jp/siko_yugi/

上記のBLOGで、日記や格闘技、プロレス。
その他、音楽や興味のある対象全てについて書いていました。
ですが、非常にまとまりが無かったので、
格闘技とプロレスについてスポーツナビに移転させます。
今後とも、宜しくお願い致します。

posted by siko_yugi | 21:21 | その他格闘技 |
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