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明日に迫ったヨネクラジムの閉鎖。歴史は引き継がれていく。

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 その知らせは、突然だった。ヨネクラジムの閉鎖である。

 山手線の目白駅から池袋駅の間や、西武池袋線の池袋駅から椎名町駅間で見える風景から、古びた看板が良く見えたものだ。池袋に用事があって山手線に乗車すると、ヨネクラジムの看板が見えてくるといよいよ池袋も近づいてくる。そんな印象だった。

 柴田国明、ガッツ石松、中島成雄、大橋秀行、川島郭志と言ったそれぞれタイプの異なる世界王者を誕生させた。そして日本チャンピオンも31名、OPBF東洋太平洋チャンピオンは9名。日本ボクシングにおいても有数の名門ジムとしてとして知られている。

 1963年に作られてから半世紀以上が経過し、一代限りとしていた米倉健司会長の意向も強く、「昔ながらの建物」という印象も強かったヨネクラジムはその歴史に幕を下ろすこととなった。

■83歳の米倉会長。そこに限りなくあったボクシング愛。

 木造二階建てのヨネクラジムは、夜になってもいつでも選手たちがトレーニングに励んでいたのが印象深い。そのころの米倉会長は体調が優れず、ジムにいることが少なかったというが、二階へと続く階段があり、そこには洗濯物がつりさげられてあるのが印象的だった。

 生活感と、3分と1分毎になるアラーム。日常の中にボクシングが確かに根付いていた。プロの選手となると、どうしても練習や試合にケアなど、やることがどうしても多くなりがちだ。野球やサッカーのようにチームで管理をしているならばまだしも、格闘技となるとどうしてもそうは行かなくなる。

 やはり選手たちに愛があったのだろう。他のボクシングジムでも、もしかするとアパートを貸し与えているジムがあるのかもしれないが、こんな「選手寮」のような感じさえあるのは、やはり米倉会長が少しでも選手たちにボクシングで良い思いをしてほしいからと考えていたからではないかと、思うのだ。

 ガッツ石松は現役時代11回も敗戦を経験している。日本人世界王者の中で10敗以上の敗戦経験があるのは彼だけだ。才能があったが諦めの早い性格だった彼にそれでもチャンスを与え続けたのは米倉会長が選手を信じていたからだろう。ちなみに、大橋ジムの大橋秀行会長は現役時代に「150年に1人の天才」と呼ばれ持て囃されていた。その愛称を付けたのも、紛れもなく米倉会長だった。

 練習は厳しいが、食事にも気を遣ってくれる。米倉会長はボクシングとボクサーに愛がある人だったのかもしれない。だからこそ、83という年齢に至るまで現役の会長を続けられたのだろう。

■ボクサーを愛で育てていたのはエディ・タウンゼントも同じだった。

 柴田国明とガッツ石松を育てたのは、日本のボクシング界において語らずにはいられないエディ・タウンゼントだった。元々は力道山のジムで働く予定だったが、力道山の急死によりフリーのトレーナーとして柴田とガッツを育て上げる。

 今もだが、当時のスポーツ界は根性や体罰が当たり前だった。上手くできなければ竹刀で叩くのは当たり前の風潮だったという。エディ氏は行き過ぎた体罰を嫌った人物だったという。練習は厳しいが、常にそこには選手たちへの愛があった。後にエディ氏は金子ジムやグリーンツダなどでも指導をするが、ある意味で「エディイズム」を最後まで残していたのかもしれない。

 最後までエディ氏は現役トレーナーとして活躍し、人生の最期も井岡弘樹の初防衛戦直後だった。勝利の報告を聴くと、右手でVサインを掲げて静かに息を引き取ったという。73年という人生で最後の最後までトレーナーであろうとしたように、米倉会長も最後の最後までジムの選手を育成したいという想いが、きっとあったように思う。私はその愛を強く感じたものだった。

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記事カテゴリ:
ボクシング
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川島郭志
大橋秀行
ヨネクラジム
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