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PFPを語る難しさと井上尚弥の可能性

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 ローマン・ゴンサレスが敗れたというニュースは、世界中のボクシングファンにとって必然的なニュースとして受け止められたのではないだろうか。フライ級・スーパーフライ級と転級するごとに明らかに動きが悪くなっていたためだ。本来あった野性味と躍動感あるボクシングができず、テクニックと経験でどうにか押し切って勝利していたからだ。  いや、せざるを得なかったというべきか。階級の差に苦しむボクサーというのは多い。ノニト・ドナイレだって、スーパーバンタム級では倒そうとするあまりボクシングが雑になった。フェザー級に階級を上げるとフライ級では付け入る隙さえ与えなかったビック・ダルチニャンに大苦戦。ニコラス・ウォータースにはコテンパンにされてしまったのだから。  他にもフロイド・メイウェザー・ジュニアもそうである。彼の場合はボクシングの幅広さとディフェンス重視のスタイルに徹底することで、その苦しみを最小限に抑えた。思うに、ロマゴンはそれに耐えうるだけのフィジカルとボクシングの幅が無かったということなのかもしれない。

 そう。パウンド・フォー・パウンドは難しい。軽量級にして1位に君臨していたロマゴンでさえもここまで階級を上げれば苦しむという事実と共に。「誰が強いのか?」という議論に終わりはないが、パウンド・フォー・パウンドほど1位だからといって「本当に強いのか?」と言い切ることは極めて難しいのだ。  おそらくだが、ロマゴンに勝利を収めたシーサケットと井上尚弥が対決したとして、シーサケットが圧勝するかどうかという点については怪しい。佐藤洋太が所持していたベルトを自国で奪い取ったタイ人選手は、ロマゴンが勝利したカルロス・クアドラスに敗れているからだ。  スタイルによってやりづらさややり易さ、これは必ずある。マニー・パッキャオがファン・マヌエル・マルケスを苦手としていたように。では、ファン・マヌエル・マルケスが世界最強かと言われると、フロイド・メイウェザー・ジュニアに敗れているという点でそれも証明し辛くなる。メイウェザーも、対戦相手を選ぶ傾向にあっただけにまた、言い切ることが難しい。  好みの問題なのだ。だからこそ、恣意的になってしまう。時としてそれが議論となってしまうように。

 では、今世界最強を決めるとしたら誰になるだろうか。  まず確実に入ってくるのは3人だ。ゲンナジー・ゴロフキン、ギレルモ・リゴンドウ、そしてワシル・ロマチェンコ。テレンス・クロフォードやアンドレ・ウォードも入ってくるだろうし、中にはセルゲイ・コバレフやテオンデイ・ワイルダー、アンソニー・ジョシュアの名前を挙げる人がいても何ら不思議ではない。  共通しているのは、まずテクニカルであるということ。この点で行くと、リゴンドウはまさに現役ボクサーでも最強の技術を持っている。アンドレ・ウォードの技術も優れているが、コバレフとの試合ではその能力にも限界があることを露呈。しかし、切り替えて見事に逆転勝利を収めて見せた。ボクシングに対する知性に溢れた選手という証明である。再戦が、楽しみなカードである。  同じテクニカルでも、相手をKOできるというのもテクニックである。そういう点ではロマチェンコを書かないわけにはいかなくなる。パンチのコンビネーションを含めたKOする技術は紛れもなく高い。フレーム的にどこまでやれるかは不透明だが、ライト級からスーパーライト級までは行くのではないかと考える。  続けて挙げるとすれば、フィジカル。  これはワイルダー、ジョシュアと重量級のパワフルさ。そして、クロフォードのスピードが挙げられる。特にワイルダーは「ブロンズ・ハンマー」と呼ばれるパワフルさが武器で、ジョシュアも18戦全KO勝利というパワーに溢れたファイターだ。一方、クロフォードはスピードにスキルに優れる。かつて、PFPに名を連ねていてもおかしくなかったユリオルキス・ガンボアさえも叩きのめした実力者である。  そして相手を確実に叩きのめすことができるメンタリティ。特にゴロフキンは多少の被弾も恐れずに倒しきることに重点を置く、エキサイティングなファイターだ。村田がもしWBA王者になれば、もれなく彼と対決をしなければならない。ドナイレの前で何もできなかった西岡利晃のようになると思うのだが。

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ボクシング
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井上尚弥
パウンド・フォー・パウンド
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