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「箱根駅伝は選手を潰すのか!?」という見出しが、陸上選手たちに対する重大な侮辱行為であると私は受け取った。

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 4月1日、その報告に陸上ファンならずとも大きな驚きがあったのではないだろうか。柏原竜二の引退。かつて東洋大学では4年連続山登りの5区を担当し、3度の区間新記録と4度の区間賞を獲得した「山の神」である。荒々しくも最後までエネルギーを振り絞って走るスタイルで、4年連続往路優勝と3度の総合優勝に導いた原動力となった。  富士通に入社後もニューイヤー駅伝に出場するなど活躍していたが、かつての輝きは失せて、けがに悩まされた結果現役を退くことを決意。今後は富士通の社員として、引き続き社に残ることとなった。  さて、その中で一部メディアではやはりと言うべきか、このような見出しのコラムが目に入ってきた。「箱根駅伝は選手を潰すのか!?」というコラムだ。文中でも触れられてはいるが、結論から言えばこれは目的意識の問題となってくる。マラソンの日本記録を持っているのは高岡寿成さんだが、彼は龍谷大学の卒業で確かに箱根を経験したランナーでは無いし、同じく日本歴代3位の記録を持っている犬伏孝行さんも箱根を経験したランナーでは無い。  一方で、藤田敦史さんは学生時代から駒澤大学のエースとして活躍していたし、順天堂大学での活躍が目覚ましかった今井正人は2年前の東京マラソンで2時間7分台を記録している。佐藤悠基は10000メートル走日本選手権で圧倒的な強さを発揮しているのを考えても、少なくても箱根駅伝が選手を潰すというのは考えにくい。

 そして、そのことを論じるのは明らかに時代遅れである。むしろ、同じような論理をなぜ繰り返すのかいい加減に怒りを覚えるくらいである。柏原という箱根で名を馳せた選手が実業団で活躍ができなかったがために引退を決意したことで、すぐに箱根駅伝によって潰されたのではないかと書き立てる安易さに、だ。そして、話を飛躍させて長距離陸上選手たちの待遇の甘さについて論じ批判することに怒りを通り越して呆れさえ覚えるほどである。  確かに、箱根駅伝という長距離陸上選手たちにとって大きなイベントを経験することで注目されて甘くなるのは事実なのかもしれない。しかし、それ以上に今の陸上選手たちはメディア対応も慣れているし、高いレベルを追い求めている選手たちにはむしろそれ相応のサポートを受けることは至極当然の話ではないか。  もちろん、渡辺康幸さんや竹澤健介さんのように箱根以降芽が出ないで引退していった陸上選手が多いことは分かっている。それは否定しようがない事実だ。本当の意味でトップレベルで活躍できる選手が仮に一握りであったとしても、確かに高卒叩き上げで実業団に入社し、息の長い活躍をする選手がいることも否定しない。  だが、そんなことくらい大学の指導者サイドも十分に承知していることだ。そうでなければ東洋大学の酒井監督が服部勇馬に40キロ走をトレーニングに入れるだろうか。青山学院大学の原監督も、わざわざGMOアスリーツにアドバイザーとしては入らないはずだ。もはや、安易に箱根駅伝批判として繋げることは時代錯誤も甚だしいとしか言いようがないのである。

 特に服部勇馬世代の前後は非常に意識の高い選手たちが集まっている。  その象徴は大迫傑だろう。学生時代から積極的にスピード練習に取り組んでいた大迫は、日清食品グループ入社し、1年目でニューイヤー駅伝区間賞を獲得すると退社。ナイキ・オレゴン・プロジェクトで活動をしながら5000メートル走の日本記録を更新したことは記憶に新しい。  村山兄弟もそこに追随する実績を残している。兄の謙太は昨年の東京マラソンで終盤失速したものの積極的なレースを見せたし、弟の紘太は10000メートルの日本記録を更新した。負けじと同じ双子の市田兄弟もニューイヤー駅伝では目覚ましい活躍を見せた。服部勇馬も2度目のマラソンでサブテン切りを果たしたし、設楽悠太も食らいついて初マラソンで2時間9分台を叩き出した。それに刺激を受けたか、兄の啓太はコニカミノルタを退社し、新たな活動拠点を探している最中だ。  確かに世界との差はついてしまっていることについて、認めなければならないことではある。しかし、それを嘆くのではなく「どう埋めていくのか?」ということを真剣に考えているのはメディアでは無く、現場の人間の方が良く考えていることは明らかだ。  今回の報道は下手を打てば、箱根駅伝を目指し世界に向けて努力している選手たちに対して、水を差すことになりかねない書き方をしているようにしか見えない。

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記事カテゴリ:
箱根駅伝
陸上競技
タグ:
柏原竜二
箱根駅伝

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