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福原愛「君は薔薇より美しい」

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 泣き虫愛ちゃん、キャプテンになる。なんて、かつての人気ドラマのようなタイトルだけれど、よくよく考えてみればいつでも福原愛というアスリートはお茶の間で人々を笑顔にしてきた。それも25年も前から。  テレビの特番で流れるのは、お母さんから受ける厳しいトレーニングと試合に勝てなくて悔し泣きする姿。明石家さんまとの卓球対決で、さんまさんにハンデがあっても勝てなくて涙した、バラエティー番組の中でも負けたくないという気概は、やはり一人のアスリートであったのだろう。そして愛ちゃんは、誰からも可愛がられていたのだ。  いつしか世間は彼女のことを「天才卓球少女」と呼ぶようになった。愛らしい姿と、卓球への姿勢、10歳から飛び込んだハイレベルなプロの世界。メディアを始めとする周囲から誰よりも応援されていたのは、紛れもなく愛ちゃんだった。  レベルの高い中国でのプレーを望んで活躍したことも、青森山田中学・高校という学校を選んだことも。より高いレベルで彼女はプレーするために必要なことだった。それに反して国内大会での活躍が今一つであったことは否めなかったが、それでも彼女は卓球という競技で世界と戦うために必要なことをやり続けてきた。

 石川佳純や伊藤美誠に比べると、特に佳純ちゃんが台頭してきてからは実績ベースで言うなら愛ちゃんの成績は見劣りしていた。それでも今回、リオの地で4位という結果を残した。その目はどこかあどけない少女の顔から、鋭い勝負師のような顔に変貌していたのが、とても印象深かった。インタビューやメディアに対して会話する姿はいつもの「愛ちゃん」だったのに。  彼女は今年で28になる。世代で言えば、前田健太や田中将大と同学年だ。今までの日本代表を背負い戦う立場からは、あまりにも違うその姿。主将になり、チームをまとめ引っ張るのも彼女の立派な役割だったわけだ。長い海外遠征で培った経験、メディア対応、プレーに対する姿勢。それに至るまで、彼女は佳純ちゃんや美誠ちゃんたちの「活きた教科書」でもあり続けた。そして、彼女たちを過熱報道から守るある種の「防波堤」であり続けたのだ。  日本のスポーツメディアは(これは世界的な傾向なのかもしれないが)、どうしても才ある人物が出てくると過熱報道をしてしまいがちだ。それによって才能を潰してしまう可能性も往々にしてあることを忘れてはいけない。誰しも本田圭佑のように反骨心があるわけでは無いし、松井秀喜のようにメディアとうまく付き合える人ばかりでは無い。  愛ちゃんは、そんな卓球の過熱報道をずっと受けてきたある種の「被害者」だった。それでも今ではそのメディアを「お友達」と表現できるほどになっていたわけだ。ずっと一緒にいたからこそ、彼女にとっては一切の苦痛ではなくなったのかもしれない。だからこそ、防波堤になっても一切苦にしなくなった。  そしてそれは、今回のオリンピックで男女ともにメダルを計3つ獲得するという快挙に至らせたのかもしれない。それは、彼女がより高いレベルを求めたことと、ずっとメディアに出続けたことの何よりの功績なのかもしれない。

 もちろん、メディアにでることによる弊害はあるだろう。それは否定しない。それらに対するプレッシャーを跳ね除けて世界で活躍できる人物など稀だ。彼女の笑顔の下でどれだけの苦労を重ねてきたのか、想像しただけでも私ならば潰れてしまうだろう。メディアからしてみれば彼女は「客寄せパンダ」でしかなかったのかもしれない。  だからこそ、今回のリオで残した結果はとても重要だったのだ。オリンピックという舞台は、世界中誰からも注目される。そのような視線がある中で結果を残すことは、彼女がただの客寄せでは無いということを明確に示すために必要なことだった。そして彼女は、メダルこそ獲得できなかったが個人戦で4位という結果を残した。天才卓球少女であったこと、そして今も「日本のエース」であることを示したのだ。

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