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内村航平「ブラックサンダーとポケモンGO」

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 内村航平が再び金メダルに輝いた。個人総合だけでなく、団体としても金メダルを獲得することとなったのだ。その活躍ぶりに「キング」と海外の選手からも敬意を持たれるに至った内村は、一人のアスリートとして大きな尊敬を持たれていることは確実である。  そのうち海外でも「内村に憧れて」体操選手になったという、オリンピアンが出てくるかもしれない。無論それは、日本でも同じことが言えるのだが。イチローに憧れてメジャーリーガーになったという選手も出てきたように。  世界を見渡しても、彼はノバク・ジョコヴィッチやリオネル・メッシ、レブロン・ジェームズと同じだけ敬意を持たれるにふさわしい選手であると言えるだろう。内村航平という男が成し遂げてきた業績というのはそれだけ大きなものなのだ。  さて、今回体操男子団体の予選はまさかの不調だったことを覚えている人も多いのではないだろうか。それに対して一部スポーツ紙では「ポケモンGOのやりすぎ」であるという何とも根拠のない批判が出てきたのである。結果として金メダルを獲得できたのだから、それも「ポケモンGO」のおかげになるそうではあるが。  私はむしろ、その批判記事に内村の人間臭さを垣間見た気がして、とても親近感を持ったものだった。

 内村というと記憶に新しいのは、大の偏食家であるということ。野菜嫌いで有名で、北京オリンピックの時にはブラックサンダーを大量に食べていたという報道が出たほどだ。我が家ではそれ以降、内村のことをブラックサンダー内村と呼称するに至ったわけだが(もちろん現在はバランスの良い食事を心がけているというのも、心得ている)、内村も一人の人間で、ブラックサンダーが大好きな今どきの男なのだなと親近感を持った思い出がある。  同じことをポケモンGOからも感じ取った。ストイックで孤高で。そう言ったアスリートはもちろん格好いい。かくあるべきという侍のような感覚を覚えるからだ。しかし、一方で親近感を持つことができるようなキャラクターというのも、同じくらい貴重だ。一番分かりやすいところでは、松岡修造さんが最たる例だろう。松岡修造さんというと熱血キャラという印象がとても強い。内村からもブラックサンダーが大好きでポケモンGOをやる今どき若者というキャラクターであるということが、実はとても大事なキャラクターなのではないだろうか。  世界選手権を何度も制覇してきた日本のトップアスリートである彼だからこそ、より親近感がわくというものだ。親近感は垣根を下げる役割をし、そしてその下げられた垣根はその体操という競技にもスポットライトを当てる役割も担っているのだ。

 現在、体操競技で知られているアスリートは内村と白井健三以外ではほぼいない。私も今回の報道で初めて、加藤凌平と山室幸史、田中佑典が選ばれていることを知ったほどだ。体操競技もこれだけ体操教室がありながらも、未だマイナー競技であることは否めない。世界選手権でもそれを危惧して見せ方を変えるなど、工夫を凝らしてはいるが、果たしてそれもどうだろうか。  だからこそ、内村はそこに危機感を覚えて会見時に主将として金メダルを勝ち取ったメンバーを紹介したのだろう。一人のアスリートとしてメンバーを覚えてもらうがために。特に加藤と白井は、4年後の東京五輪で中心選手となるはずの選手である。より体操というスポーツにスポットライトを当ててもらうために、27になる内村からの見えないサインだったのではないだろうか。  そして内村は「ブラックサンダーとポケモンGO」が大好きなアスリートとして、ファンや多くの人に覚えてもらうがために、キャラクターを確立したのかもしれない。実力は申し分ないからこそだ。

 何にせよ、内村が東京五輪を迎えるころには31歳となる。彼がアスリートとして活躍しているかどうかは分からない。加藤と白井が主役となって引っ張っていかなければいけないのは明白だろう。一方で、内村ほどの存在感がどのアスリートにもないことが気がかりなのだ(これだけの実績を持った選手が出るはずがないというのは、十分に承知しているつもりだ)。  今だからこそ打てる「ロスト内村」対策を体操協会がどう持って行くのか。オリンピックという大きな舞台で得たからこそ、次の展開をどうしていくのかというところにも注目したくなった今回のオリンピックだった。  強化策は協会で手を打つことができる。しかし、キャラクターについては選手個人の問題に委ねられることとなる。絶対的な強さを持っていながらも、どこか親しみやすさがある内村。彼に続くのは誰かというのも、この4年間で期待して見てみたいと思う。  ちなみに真っ先に続いてほしいと思っているのが白井だ。明るく素直なパーソナリティーは、実に見ていて爽やかな印象を持つ。また、天然キャラとしての素質を大いに感じるので、ぜひ彼にその道を進んでほしいというのが私の勝手な願望だ。

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