2009年06月30日

シーズン中移籍しながらホームラン王になった男:ライオンズ歴代最多本塁打打者

埼玉西武ライオンズカードの「タイトルホルダーの系譜」の4回目は
ライオンズ歴代の最多本塁打打者を取り上げますが、
これがなかなかの豪華メンバーなのですよ。

<ライオンズ歴代最多本塁打打者>
1952年	深見安博(西鉄・東急)	25本
1953年	中西 太(西鉄)	36本
1954年	中西 太(西鉄)	31本
1955年	中西 太(西鉄)	35本
1956年	中西 太(西鉄)	29本
1958年	中西 太(西鉄)	23本
1975年	土井正博(太平洋)	34本
1987年	秋山幸二(西武)	43本
1990年	デストラーデ(西武)	42本
1991年	デストラーデ(西武)	39本
1992年	デストラーデ(西武)	41本
2002年	カブレラ(西武)	55本
2008年	中村剛也(西武)	46本

ライオンズ初代の本塁打王・深見安博は所属が(西鉄・東急)となっていますが、
この意味が分かるでしょうか? そう、深見はシーズン中に西鉄から東急に移籍したものの
「西鉄」「東急」ともにパ・リーグだったため、それぞれの球団で打ったホームラン
(西鉄で2本、東急で23本)を合算して52年のパ・リーグの本塁打王となったのです。

深見安博といっても、現在ではそんなに名前が伝わっている選手ではありませんが
プロ野球選手を数多く輩出しているので有名な報徳学園出身の最初のプロ入り選手で
中大を経てプロ化以前の西日本鉄道入り。
その後、同社がプロチームを持つことになり深見もプロに転じます。
50年には31歳なので、当時の選手の平均寿命からしたら相当高齢でのプロ入りでした。
初年度は四番を打って22本塁打と活躍。そんな球団草創期の功労者を
トレードに出すのですから、相手は相当な大物のはずですよね。

そう、その交換相手というのは戦後プロ野球のヒーロー・大下弘だったのです。
西鉄はさらに、50年に西日本で20勝を挙げた緒方俊明投手もこのトレードに加えます。
四番打者に加えて、エース級の投手をも放出しての2対1のトレード。
大下はそれほどの大選手だったわけですが、深見もその交換相手として恥じない
好成績を残したのですから立派です(同年の大下は13本塁打)。

ライオンズは翌53年にもホームラン王を輩出します。高卒2年目の中西太がこの年から
4年連続で本塁打王に輝くのです。中西は同年36本塁打を放ちますが
この年の近鉄のチーム本塁打は31、大映のそれは30だったのですよ。
7チーム合計の本塁打総数が386本だったので、
中西1人でリーグの1割ぐらいのホームランを放っていたことになります。
ちなみに、昨年のパリーグのホームラン総数は752本ですから、
現在で言えばシーズン70本塁打ぐらいするインパクトと言えるかもしれません。

中西が57年もホームラン王となっていれば6年連続になっていたのですが、
同年は野村克也の30本、山内和弘の29本に次ぐ24本で3位。
翌58年に同タイトルを奪還するものの、以降は腱鞘炎が悪化して満足に出場できなくなり
59、60年と山内が連続戴冠した後は、野村が8年連続でホームラン王と時代は転換します。

その後のライオンズは長い低迷期に入って本塁打王も出なくなっていたのですが、
75年に近鉄から移籍してきた土井正博が34本でホームラン王に輝きます。
近鉄の主砲を務め、リーグを代表する強打者として知られていた土井ですが、
主要タイトルにはもう一歩及ばず長らく「無冠の帝王」と呼ばれていました。
それが、32歳となる年に太平洋に転じてすぐさまタイトルを獲ったのですから驚きました。

球団は79年から西武ライオンズとなり、強豪チームに変貌を遂げますが
ホームラン王はなかなか出ませんでした。阪神から移籍してきた人気者の田淵幸一も
もう一歩及ばず、両リーグでのホームラン王の機会を逸し、
秋山幸二は85年に40本塁打、86年に41本塁打しますが落合博満の牙城を崩せず。
87年に43本を打って、ようやくホームラン王のタイトルを奪取しますが、
これが最初で最後の本塁打王となります。
通算437本塁打の秋山がホームラン王1回のみというのは意外な気もしますが、
この時期のホームラン王はデストラーデとブライアントの
両外国人選手がタイトルを独占します。

デストラーデは90年から3年連続の戴冠で同時期の日本シリーズ3連覇にも貢献。

その後また10年近く間隔が空きますが、
02年にはカブレラがシーズン最多タイの55本塁打で久々に戴冠。

そして昨年は中村剛也が秋山以来21年ぶりのライオンズの和製本塁打王に輝きます。
今季もここまで本塁打王・打点王の両部門を独走中で、
今後故障さえなければ2年連続のホームラン王が確実視されています。

中村は、童顔でズングリムックリした体型ながら意外や俊足という点や、
三塁を守る長距離砲という選手としてのタイプも中西に似ていますね。
入団以来の大きな背番号「60」を付け続けているのは、
密かに「シーズン60本塁打」を期してのものでしょうか。
なかなか得難いキャラクターなので、故障することなく大成することを願って止みません。

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posted by shrimp |11:59 | 野球 | トラックバック(0)
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