2008年04月18日

16 没羽箭張清

夏目漱石の「満韓ところどころ」は明治42年『朝日新聞』に連載された紀行文です。
学生時代からの旧友で現満鉄総裁の中村是公に招かれ、見聞したものを書いたんですね。
そのなかにこんな一説があります。大連に到着し、親友是公と再会するところ。
「湯を立ててもらって、久しぶりに塩気のない真水の中に長くなって寝ている最中に、湯殿の戸をこつこつ叩くものがある。…まさか赤裸で飛び出して、室の錠を明ける訳にも行かないから、風呂の中から大きな声で、おい何だと用事を聞いて見た。すると摺硝子の向側で、ちょっと明けなさいと云う声がする。この声なら明けても差支えないと思って、身体全体から雫を垂らしながら、素裸でボールトを外すと、はたして是公が杖を突いて戸口に立っていた。」

漱石と是公の仲のよさがうかがえるエピソードです。
お互いエラくなっても、古いなじみとは裸のつきあいができるんですね。

さて16番です。わたしはいまだにこの番号、ロイ・キーンのイメージなんですよね。
しかしそんな固い頭を打ち砕くような16が出てきています。
それがスパーズのウェールズ代表LBギャレス・ベイル。
1989年生まれの18歳。若い!オジサンは頭がクラクラしそうです。
12月に負傷した影響で今季はアウトの彼ですが、なあにいくらでも取り戻すことでしょう。
誕生日が7月16日で、ウェールズ代表デビューが16歳のベイル。
彼には16が根付く選手になってもらいたいものであります。

ところでトッテナムの16番についてなのですが…。
昨季06-07シーズンの16はスイス代表のツィークラーでした。
その前の05-06は韓国のイ・ヨンピョが16番。
おわかりでしょうか?
今季のベイルも含め、いずれもLBが16番を背負っているのです。
どうやらスパーズは16番をLBの背番号にしたもようです。
(あくまでも最近ですよ?昔はイベルセンが16つけたりしてましたから。)
こういうこだわりは嫌いじゃないんだなぁ…。スパーズ地味にやるじゃないか。
ま、当分はベイルの16番を見ていたいんですけど。

ベイルと比べると、すでに風格があるのがローマの16番ダニエレ・デ・ロッシです。
なんせ彼は24歳にしてすでに経験豊富ですからね。
ドイツW杯では4試合も出場停止を食らいながら決勝で復帰。栄光を手にしました。
CLでも去年はリヨン、今年はR・マドリーと下馬評を覆しての勝利をもぎ取っています。
その一方ユナイテッド戦では2年連続で不幸な目にあっていますが…。
若くして酸いも甘いも噛み分けたデ・ロッシですが、背番号の変遷もまたユニークです。
02-03に27番でデビューした彼は、04-05にレギュラーナンバーの4番を獲得します。
ところが翌05-06、なぜか16番に変更してしまったのです。
なんでもローマの下部組織責任者、ブルーノ・コンティの勧めなんだとか。
82年W杯で自分がつけてた番号ですからね、栄光の16番というワケです。

インテルの16番ブルディッソもレギュラーナンバーから16に変更した選手です。
ただしこちらはデ・ロッシの変更とは意味が全然違いましてね。
というのが彼のつけてた3番が、急遽インテルの永久欠番になってしまいましたもので。
2006年9月4日。当時会長だったファケッティが死去し、インテルは彼を追悼して3番を欠番にすることに決めたのです。それであおりを食ったブルディッソは突如16に変更。
現役時代はグランデ・インテルの攻撃的LBだったようなので、ファケッティに3番の印象があったのはわかるのですが、それにしても死んでから欠番にするというのは…。
どうも我々とは永久欠番に対する考え方が少し違うようです。

今季もっとも印象に残らない16番。そんな選手がビジャレアルにいました。
彼の名前はファン・ロマン・リケルメ。ご存知クラシックな“王様”です。
そしてピッチ内外での王様なふるまいゆえに、しばしばクラブと衝突する選手なのです。
02-03にはバルセロナで問題児扱いされ、翌03-04ビジャレアルに放出されました。
そういえばそのとき獲ったクラッキを、バルサはまた放り捨てるようですね。
まあ別れ方なんて人それぞれですから、とくに責めるつもりもないですけど。

ビジャレアルでは王様になれたリケルメですが、06-07にはクラブとの関係が破綻しました。
今季は背番号8も剥奪。形だけ16番を与えられ一度もピッチには立ちませんでした。
そんなゴタゴタにようやく終止符がうたれたのが去年の11月30日。
古巣ボカへの完全移籍が成立したのです。
ここには古くからのなじみがいます。点取り屋のパレルモがいます。
リケルメのために走るイバーラ、バタグリアがいます。
彼に敬意をはらうパラシオ、レデスマ、カルドーソがいます。
彼らに囲まれて10番を背負えば、リケルメも気持ちよくプレーできることでしょう。
偏屈なオッサンとして評判だった漱石が、学生時代からのなじみの是公とは素っ裸で談笑できたんですから。

posted by shousetsu |16:25 | ナンバー | コメント(2) | トラックバック(0)
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16 没羽箭張清

・リンク
まずは飛び火していなくてホッとしました。
ご迷惑が掛かるようでしたら、すぐにてもお消しください。
まずは迷惑の掛からないように努めます。

・本編
ベイルはいいですね。FKがもうベテランの域です。
ちなみに、イ・ヨンピョは、なぜか現地でカンフーボーイと
言われてました。韓国だからテコンドー!とは、
語彙力不足で正せませんでしたが…

青い彗星ファケッティさんは、本人の意向もあって欠番にしなかったとか読んだ事があります。

今回の登場選手は好きな選手ばかりで楽しいですね。
もうひとりNo.16レジェンド候補に混ぜて欲しいのですが、
アーセナルのフラミニです。
移籍の話が消えなくて困っています。

posted by gunnershigh | 2008-04-19 08:56

16 没羽箭張清

そちらはたいへんでしたね。
わたしのトコロは問題ありませんでした。
そもそも、そちらのようにアクセスがつきませんから(笑)
やさしい常連さんがおられるようでなによりです。
わたしは多少ののしられたほうが元気が出るのですが…。

現地のそういう情報はホントに助かります。
ヨーロッパは極東をいっしょくたにしちゃうらしいですねえ。
以前、バレンシアの元監督キケ・フローレスが
「日本?レベルが上がってるね。マンチェスターの彼なんかいいじゃないか。」
と言ってたなんて話を聞きました。
…ま、わたしはしばらくベイルのほうを応援します。

イタリアメディアはホント、あちこちに迷惑をかけますねえ。
わたしはフラミニが移籍するとはとても思えないのですが…。

posted by shousetsu | 2008-04-20 00:22

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