2010年02月09日

メッセージ

世のなか知らないことばかりで困ります。
たしか土曜お昼の番組でしたっけ? TBSは「王様のブランチ」って。
へえ、本の紹介コーナーなんてものがあったんですか。知―らなんだ、しらなんだ。

いやたまたま手にとった「中央公論」に出演者の対談が載ってたと。それだけなのですが。
そんなワケで松田哲夫さんなるかたも初見です。誰なんでしょね、このヒゲのおじさん?
どうもこの人が紹介してたようですが…ってありゃ、筑摩書房のおエライさんですか。
あすこの文庫はおもしろいんだよなぁ。うん、いつのまにかお世話になってたんですね。

まあ筆者の個人的恩恵はさておいて…。
そんな筑摩書房の松田さん。氏が対談中こんなことを言っていたんです。


ところで、テレビに出演し始めて、かなり早い時期にわかったんですが、テレビで話した言葉って届かないんですね。
二分、三分と時間が短いこともあるんですが、それだけに一生懸命、大事な情報をきちんと伝えようと思う。だけど、テレビの言葉って視聴者に届いていない。けれども、気持ちは届くんですね。これがやっぱり、メディアとしての強さだなという気がした。
…こっちとしては、ものすごく消化不良というか、何もちゃんと伝わってないと思っている。けれども、しっかり気持ちは伝わっている。そういうときには、売り上げにガーンと跳ね返ってくるわけです。


似たようなことを上岡龍太郎さんにうかがったことがございます。
いやむしろ逆かな? 師匠は「空気が伝わらない」とおっしゃりましたから。
劇場における笑いの空気は、あれはテレビを通すとどうしても伝わらない。
ゆえにテレビ全盛になってからの笑いは、芸も芸人さんもそれ相応に変質していった…。
だいたいこんな趣旨でしたかね。筑摩書房『上岡龍太郎かく語りき』より。
もっともコレが松田さんの言うことと相関性があるものか。それは全然わかりませんが。
…筑摩サン、かげながら応援しときましたぜ。ナヌ、とっくのむかしにもう絶版?

まあテレビというのが存外やっかいなシロモノであること。これはまちがいなさそうです。
なんせ松田さん、さらに加えてこんなオソロシイこと言ってますから。


ただし、「ナンバーワン」とか、「涙を流した」とか、いくつか届く言葉があるということも、経験的にわかってくる。…ためしに「ナンバーワン」と「涙」の両方使ってみたら、店頭の本が全部売れちゃったということがありました。だから、それなりに言葉が届いたときのテレビの影響力はすごいなと感じましたね。


いやあ、二つとも大キライなコトバだわ。吐き気がしそうですよ。
おぞましいというかゾッとするというか、カンベンしてくれねえかなってトコロです。
おしつけがましい、なれなれしい。そしてなにより節度を感じません。
…ん、そんな不快感まったくありませんか?
それはすばらしい。おそらくアナタのほうがしあわせに生きていけますよ。

ホント素直にそう思います。なんせテキは影響力のあるコトバなんだから。
実際あきれるほどよく耳にしますしね。なんでどいつもこいつも…というくらいに。
どんなに不愉快だとキイキイわめこうが、個人のわがままなんぞ聞いちゃもらえません。
そんなコトバ敵にまわさぬほうがそら賢明。眉間にムダなしわをつくらずにすみます。
しかももし松田さんの分析どおりであるならば、どうも意図的につかうこともあるらしい。
まあテレビに関しては素人の松田さんが言うんだ。メディア関係者には常識なのでしょう。
軽いやっつけだろうとウンザリしていたのですが…ああ、しんど。

さて…たしかココはスポナビでしたよね?
いいかげんスポーツうんぬんに触れましょうか。めんどくさいことばかり言ってないで。
今までゴチャゴチャよけいなことばかりでしたから。ここは単刀直入に参りましょう。
…ま、九分九厘バレてますよね。われながらあからさまな展開です。

「熱い思い」とやら。アレも視聴者に届く言葉なのでしょうか?
試合前にアレ聞くとねえ…お湯ひっかけてやりたくなるんですよ。やだやだ、キモチ悪い。
だけど…力のあるコトバなのかな? なんせ世のなか知らないことばかりなものでして。
かりに事実なのだとすれば。うん、精神安定剤でも買いましょうかね。

選手の素顔、攻撃的な姿勢、絶対に負けられない…。

posted by 由比彰紀 |15:42 | 何番? | コメント(14) | トラックバック(0)
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コメント投稿者ID : NID00000183

ホントにソレがあれば で
受け手に受信機があれば
届きます
ただし事前に ありますあります なんて言い触らさないこと

posted by candy | 2010-02-09 17:24

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コメント投稿者ID : shousetsu

コメントありがとうございます

>candyさん
受信機のある世帯はさしてなさそうです。
テレビの作り手がニヒルになるのも、なんとなくわかる気がしますねえ…。
いやいや、視聴率獲るのもたいへんだ。選挙とおなじで、どうでもいいのをひっぱりこむワケだから。

おそらく事前に言いふらさないと心配なのでしょう。…不毛だなぁ。

posted by 由比彰紀 | 2010-02-10 05:15

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コメント投稿者ID : NID00000669

いやあ、二つとも大キライなコトバだわ。吐き気がしそうですよ?
『オンリーワン』が加わったら、どおよ?
世界に一つだけの何とやら好かんもんで、元編集長ならどう言うかと思い

『オンリーワン』『熱い思い』『絶対に負けられない…』、アタシが苦手な言葉
自分ちでよく『天才以上の天才』と言うけど、半分は本気ながらも半分は大ボラ
一応周囲を見渡してから言うか言わんか決める
世界に一つだけの何とやら、井の中の何とやらよりは節度あるやろか、どお?

2日前にはスポナビ様から門前払い
世界でのこーいうような体験も、スポーツに必要かしらん
ちなみ、アタシは精神安定剤なくても立ち直ったぞぉ


posted by マテ姉さん | 2010-02-11 18:30

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コメント投稿者ID : shousetsu

>マテ姉さん
あ、それはアリかも…なんて言うと思いますか(笑)

実際キリがありませんよ。キライな言葉なんぞに激怒していたら。
スポーツの分野だと…「決めきる」ってのもヤですね。しまりがない。
まあ用法はわかりますけど、でもイヤなものはヤだ。不愉快です。

科学、宗教、ヨーロッパ…。どいつもこいつもキライだなぁ。

posted by 由比彰紀 | 2010-02-13 04:47

メッセージ

コメント投稿者ID : NID00000183

なるほどね とも思うんだけど
コトバ単体に好き嫌いとかはないなあ ・・・殆ど
使われるコンテクストが大切 ってか
おんなじ様なコトを歌ってても
永六輔と中村八大は好いけどコブクロは嫌いとかね
バート・バカラックの曲でもハル・ディヴィッドの詞は聴く気になるけどキャロル・ベイヤー・セイガーの詞はうざったくて聴けないなんて ね
嫌なコトバだけ重点的に使って素敵な文章なんて書けるかもよ
やってみれば? 宿題

posted by candy | 2010-02-14 05:14

メッセージ

コメント投稿者ID : NID00001193

チカラはあったんだと思います。ただ…
いやぁ、由比さんが列挙されたものもコメントされた方々が挙げられたものも、ほんと嫌いな言葉群です(^^;)
でも言葉自体が悪いわけではないですし、嫌いというよりは食傷気味な表現か。
無闇矢鱈とそれらで飾り立てられた事柄には食指が働かなくなりました。
勿体ないことです。
言葉達もいい迷惑かもしれません。無節度に引っ張り出されるおかげで本来あった筈の威厳をどんどん薄っぺらいものにされていくんですから。
メッセージなら正しくて相応しい表現でなければいけませんね。

新刊『伝えるためのメッセージ集』
帯:絶対に全世界が驚愕するような熱いキモチを内に秘めたオンリーワンな、表現を。


知りたい心も買う気も失せるなぁ。

posted by ばうず | 2010-02-15 15:10

Re:メッセージ

コメント投稿者ID : cesc4

実際の現象がコトバを超えてないから、
ではないですかね?
伝わりにくいのか、不感症なのか。

要は過剰表現であり、誇張であり、嘘、だと。

とりあえず、好きとか嫌いはともかく、
力のアル、ナシを知っているのは、
生きてく上で、役に立ちますね。

posted by 迷鳥。 | 2010-02-18 11:35

メッセージ

コメント投稿者ID : shousetsu

返信がハネられました。ますます鬱が進行しそうです。

posted by 由比彰紀 | 2010-02-20 05:48

メッセージ

コメント投稿者ID : NID00002193

こんばんは。
お久しぶりです。

鬱ですか。
そうですか(笑)。


えっと、なんとなく「言葉」そのものに焦点が当たりすぎている感じがして、違和感を感じていました。

それでいままでぼんやり考えていたのですが、上でcandyさんがおっしゃっているように、
「使われるコンテクストが大切」
これに結局は尽きるのかな、と思いました。


心理学によると、実は言葉単体で伝わる情報はごく少数なのだそうです。
言葉そのものよりも、相手の表情、口調、シチュエーション、タイミング、誰が話したか、等々の方の要素の方がずっと重要だというのですね。


だから、例えば一般的にうつ病患者には「がんばれ」という言葉は禁句だと言われますが、実はこれにしたってどういうシチュエーションで誰がどのように言ったかでまったく違う訳なのです。
禁句のはずの「がんばれ」を言われて嬉しい場合も存在するわけなのです。


そんな風に、テレビで連呼される言葉そのものには罪はないわけで。

ただ、テレビで連呼されるその連呼のされ方に、視聴者は欺瞞を感じるから「嫌だなぁ」と感じるのだと思います。

言葉が薄っぺらになるのも同様。


「ナンバーワン」も「涙を流した」も、それが切実なら、多分そんなに嫌悪感は感じないはずです。
でも、それが内実を伴わない計算ずくの商業主義の言葉に堕しているという“シチュエーション”や“あざとさ”が見えるために嫌な言葉になるのではないでしょうか。


きっと、「熱い思い」に対する違和感も同様で、その言葉そのものよりも、その言葉をとりまくシチュエーションや話者の態度にうさんくささを感じているのだと思いますよ。

posted by よーかい | 2010-02-24 03:19

メッセージ

コメント投稿者ID : NID00000206

あのね、由比さん、

私、日曜日にある女の子と3時間だけ付き合っています。
その女の子13歳にして言語能力は小学生以前。
その子の言っていることの半分も周りの人は理解できません。
そのせいだったのかその子の性格もわがままでいじわる。
人の困ることをしては喜んでいました。
ところがある日、心が通じ合うようになるとその子の言葉も理解できるようになったんです。
そして、こちらも相手の気持ちを理解しながら自分が言いたいことつまりメッセージを伝えることができるようになりました。
すると、その子の態度や行動にも変化が。
あるものが欲しくてわめきちらすその子に「『それをください。』って言わなきゃわからないよ。」って私が言うと、丁寧にかわいい声で「それをください。」って言うんです。
相手の方は快くそれを手渡してくださいました。

どんな言葉やメッセージも気持ちあってのものかなぁ~って思います。
メッセージって心が通じ合って届くものではないかと。
フットボールも同じでしょ。
選手と見る側が通じ合うものがあるから楽しめるし、感動もできる。
心を萎えているときは、メッセージもあまり感じないし、あまり届かない、そんなものじゃないかしら。
そんなときは無理をしないのが大事。
ある日ふと、ちょっとだけやってみようかなって日が必ずくるはず。
気長にやりましょ。

これが私からのメッセージ。

もう一人の鬱経験者より。

追伸:返信の必要はありません。

posted by レッズおばさん | 2010-02-24 20:16

メッセージ

コメント投稿者ID : shousetsu

ええ、筆者であります。あらためて当稿に目をとおしてみました。
…イカンですな。到底読んで愉快になるシロモノではない。クズもいいとこでしょう。
薄田泣菫を見て出直します。あのオッサンの悪口は爽快ですらありますから。
まああんな高みを目指すのもどうかと思いますが…でもいつか皮肉をネタにしてみせるもんね。
選手はプレイで魅せてこそ。皮肉屋はニヤリとさせてこそ…。

そんなワケで現在のわたしにからかいの妙味は出せぬようです。まことに無念ですが。
さりとてこのままうっちゃるのは、それはあまりに無責任。
そこでわがコトバに対する不快感を、割ってお返しすることにいたしました。
…状況描写だけになるかもなぁ。それじゃ0点なんだけどなぁ。

>candyさん
そちらからの宿題は放棄しました。それはすでにお気づきのことでしょう(笑)
例のコトバ群に唾棄したのは連中の肌ざわりの悪さもさることながら、定型句の羅列にウンザリしたからなんです。
むろんお決まりのツヨミは理解してますが…それだけじゃあんまりでしょう。
定食屋でインスタントの味噌汁出されてもね。やはりオリジナルは必須ですよ。

バカラック…コレしか知らないけど、お好みのほうですかね?
http://www.youtube.com/watch?v=VILWkqlQLWk&feature=related

>ばうずさん
その新刊はわたしも丁重におことわりするとして(笑)

でもまさにそれなんですよ。ありあわせをツギハギしたチープ感といったら!
おっしゃられるとおり単なる不快感に、食傷が増幅されているのやもしれません。
でもコレに効力があるとすると…当分なくなることはないでしょうなぁ。
そんなことばかり考えてますとね。深い鬱に沈むワケなんです。

>迷鳥。さん
ハイ、影響力の有無を知ることは有効なんだと思います。なんせテレビですから。
興味のない人も食いつかせる、シンプルなメッセージのほうがいいんでしょう。
定型句の効果は認めます。…だけどそれじゃ、それだけじゃさぁ。あんまりですよ。
アナウンサーという職種上、間をうめるセリフならまだ辛抱できるのですが…。

なんか長くなりました。一度区切ってお返しいたします。

posted by 由比彰紀 | 2010-03-03 16:29

メッセージ

コメント投稿者ID : shousetsu

>よーかいさん
状況が言葉のとられかたを左右するというのは、それは理解できます。
ですが…この件はゆずりませんよ? 地の文で出てきてもイライラするもんね(笑)

たしかに今回のことで見かたはかわりました。わたしは惰性の産物ととらえてましたから。
とりあえず“涙”だの“感動”だのゴタクならべてるんだろうと、そう思ってました。
コレが計算のもととなると…もうどうしたらいいのかわかりません。
無自覚よりはマシなんだろうけどなぁ。不愉快なのはまるでかわらんなぁ。

そんなワケでわたしはいわゆる“純粋”とやらキライです。“計算”のほうがまだ理解がある。
コトバは技術だと思ってますから。これは絶対ゆずれません。

>レッズおばさん
ハイ、気長にやらせていただきます。鬱発症癖はなおりそうにありませんから。
アルコール入れなきゃとても書けませんよ。実際ハズかしいったらありゃしない(笑)

人の困ることして悦に入る…それ、ワタクシ由比彰紀そのままですよ(笑)

posted by 由比彰紀 | 2010-03-04 05:17

メッセージ

コメント投稿者ID : NID00000183

何時かのエントリーで、音楽になぞらえてアドリブか確かなアレンジを使った造り込まれたオンガクかなんて喩えをしたように憶えてるんですが
アドリブって毎回即興なんで練習なんかするもんじゃない、できない と言うハナシと
普段の練習を積んでおかなかったらアドリブなんて出来ない ってハナシと
相反するふたつのテーゼがあって 多分どっちも正解なんです
普通に使うワザを普段から鍛える行為と新しいものを磨く努力
そして本番でも常にその外側へ踏み出そうとする姿勢
ちょっと フットボールにも似てるでしょ
おまけに コトバを使う って行為にも似てる
って思いません?
話し言葉って殆ど即興なんですが、普段使ってる表現の外側には殆ど踏み出せないんです
其処に気付いているひと達は常に普段使っているコトバの領分から踏みだす努力に怠りない
どの分野の職業人でも往々にして定型に馴れちゃって其処に棲みついちゃう で顧みるということをしなくなる
行き着くところは殆ど想像できるし ぼくたちは実際に見てるのよね 多分

あ あの曲 好いですね 詞、ハル・ディヴィッドですよ
おまけにキャサリン・ロスだ・・・

posted by candy | 2010-03-05 22:43

メッセージ

コメント投稿者ID : shousetsu

ハイ、セッションに関しては一度うかがいました。ついでにコントと大喜利も(笑)

わたしは大喜利もコントもすきですし、ザ・フーはライブもスタジオ盤も手放せません。
ですからどちらも正解というのは納得です。定型句の強みはあるでしょう。

あとはそのチョイスとセンスかなぁ。
エントウィッスルのベースなら、いつ出てきても最高なんだから。
単純なダジャレでも効果的にネタに組みこめば…。

posted by 由比彰紀 | 2010-03-11 13:25

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